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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
五節 獣人族再興へ
270/301

第270話 赤いドラゴンの正体

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 何はともあれ、一先ずリザードマンを3体と赤いドラゴンの鱗をかき集めてギルドに戻ってきた俺達は、リザードマンたちが赤いドラゴンに支配されていたことを報告して、今度はあの赤いドラゴンのことについて調べていた。


「深紅色のドラゴン……ギルドに保管されてる資料には、そんな記載はなさそうだねぇ。」


 すでに俺達はドラゴンについて記載されているギルドの資料をいくつも読み漁っていたが、何もあの赤いドラゴンに関する情報は得られていなかった。


「こういうドラゴンのことは、同じドラゴンに聞いたほうが早いかもねぇ。」


「確かにランさんなら何か情報を持ってるかも……。俺、ちょっと行ってくるよ。」


「ん、頼んだよ。」


 ドーナ達をギルドに残して、俺は一度宿に戻り、ランさんに赤いドラゴンのことについて聞いてみることとなった。


「あ…ぱぱ…おかえりっ!」


「お兄ちゃんお帰りなさ〜い!!」


 宿に戻ると、シアとメリッサの2人がすぐにこちらに飛び込んできた。


「はい、ただいま。2人ともちゃんと勉強はしてたか?」


「「うん!!」」


 大きく頷いた2人の頭を撫でていると、こちらに笑みを浮かべたミカミさんが飛んでくる


「で、どうだったの?ドーナちゃんとのデートは?」


「デートどころじゃないですよ。とんでもないのと会ったんですから。」


「へ?何があったの?」


「リザードマンの討伐依頼を一緒に受けたんですけど……そこでドラゴンに会ったんですよ。」


「ドラゴンですって!?」


 凄まじい勢いでランさんがこちらに近づいてくる。


「どんな奴だったの?鱗の色は?使った魔法は何だったかしら!?」


「お、落ち着いてください。そのドラゴンについてランさんに聞きたかったんです。」


 俺はマジックバッグからあの赤いドラゴンの鱗を取り出して、ランさんに手渡した。するとすぐにランさんはドラゴンの正体を口にする。


「この特徴的な赤い鱗……多分()()()()()()()ね。」


「ブレアドラゴン……ってランさんの知り合いでした?」


「まぁ、顔見知りではあるわ。ワタシはコイツは嫌いだけどね。」


 少し表情をしかめながら、ランさんは鱗をこちらに返してくれた。


「ま、鱗でほぼ確信ではあるのだけど、念の為少し確認しておくわ。自分のこと()()()って呼んでたりしてなかったかしら?」


「あ、確かそんな一人称でしたね。」


「うん、じゃあ間違いないわ。ブレアドラゴンね。アイツも運がないわねぇ〜。よりにもよって出会ったのがヒイラギって。……それで、討伐はしたの?」


「いえ、鱗を全部剥ぎ取ったら、どこかに飛んでいっちゃいました。」


「ぷくっ……あはははっ!!良いわねぇ〜、鱗が生えてくるまで最低1年はかかるから、しばらく外に出れないわよアイツ。あぁ〜、いい気味だわ。」


 ゲラゲラとひとしきり笑いながら、笑い涙を拭うランさんに俺はあることを問いかける。


「そのブレアドラゴンが人間の街を滅ぼした〜とか、そういう噂って知りませんか?」


「ん〜?それは聞いたことないわね。まぁ怒りっぽいし、やりかねないヤツではあるけど〜……。」


「そうですか。」


 じゃあ多分、ブレアドラゴンが旧シュベール街を破壊したドラゴンってわけじゃなさそうだな。これはギルドに報告だ。


「ちなみにランちゃんの知り合いのドラゴンって、どのぐらいの数いるの?」


 ふと気になったのか、ミカミさんがランさんに問いかける。


「ん〜、どのぐらいかしらね〜。」


 頭でそのドラゴンを思い浮かべながら、ランさんは指で数を数えていく……。


「だいたい6体ぐらいかしら。」


「わぉ……ランちゃんが知ってるだけで6体だから、もっと数がいるかもってことだよね。」


「そうね、意外と数はいるわ。人前に姿を現さないだけでね。」


 ドラゴンのことについて、ランさんから詳しく話を聞いた後、その情報をまたギルドへと持ち帰った。


「……ってことらしい。」


「ふぅん、ブレアドラゴンねぇ……。ギルドの魔物図鑑にも登録されてない。コイツは、一応()()()として登録しとかないとねぇ。そういうわけで、ミース頼んだよ。」


「はいっ!お任せください。」


 俺が持ってきた情報をまとめたミースさんは、パタパタと受付の奥の方へと行ってしまった。


「ドラゴンの正体はわかったけど、結局あのリザードマン達がどっから来たのかは、分からず終いだったねぇ。」


「あのリザードマン達こそ、ドラゴンに連れてこられたのではないか?」


「それならまぁ納得はいくんだけど……わざわざ獣人の国にいる奴らをこっちまで連れてきて、使い捨てるなんて……合理的じゃないと思うんだよ。」


「それは確かにそうであるな。」


「んま、一先ずこのリザードマンの集落に調査団が派遣されることにはなったから、後々色々と分かるんじゃないかねぇ。この結果は後でそっちにも送るようにしとくよ。」


「うむ、頼んだのだ。」


 リザードマンがどうしてこの国に現れたのか……それは、国の調査団にあとの調査を任せることとなった。


 その後、俺は依頼の報酬を受け取って、リザードマンの皮とブレアドラゴンの鱗を手に、鍛冶屋へと赴くことにしたのだった。



この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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