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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
四節 ヒュマノファイトに向けて
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第225話 BBQ

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 みんなで屋台が立ち並ぶ会場の方へと足を運んでみると、予選を通過した俺の顔を見た人々がたちまち集まってきて、その場がとんでもないことになってしまう。


「わわっ、こりゃあ屋台を見て回るどころじゃないよ柊君っ!!むぎゅっ!?ちゅぶれるぅ……。」


「く、苦しいっす~。」


 胸ポケットに納まっていた2人が集まってきた人達に押しつぶされそうになる。俺の腰に掴まってるシアも苦しそうな表情を浮かべている……この状況は少し不味い。


「むっふっふ、人気者は大変じゃのぉ我が友よ。」


 聞き覚えのある声が聞こえた次の瞬間、俺達は集まっていた人たちの外側へと移動させられていた。そして目の前にはカリンさんがニヤリと笑みを浮かべながら立っている。


「ヒイラギ殿、素晴らしい戦いぶりじゃったぞ。特等席で見させてもらったのじゃ。」


「あ、カリンちゃん!!助かったよ~、もうちょっとで潰れちゃうところだったんだ~。」


「ありがとうございましたカリンさん。」


「よいよい、ワシとそなたらの仲じゃからの~。ところでこんな観衆の目につくところで何をしておるのじゃ?」


「シアが屋台に美味しそうな食べ物があったって言ってたので、見に来たんですよ。それを参考に」


「ふむ、こんな屋台にある食い物よりもヒイラギ殿が作ったものの方が美味しいと思うがのぉ。」


「シアもそう思う!!」


 そんな会話をしているときに俺はある違和感に気付く。


「そういえば、まだあそこにたくさん人が詰めかけてるんですけど……。」


「ヒイラギ殿を移動させただけでは、同じことの繰り返しになってしまう故意味がないじゃろ?故に幻影を残してきたのじゃ。ワシらの姿も透明にしておる故、見られる心配はないぞ。」


「そういう事だったんですね。ありがとうございます。」


「さて、ではその食い物を見物に行こうかのヒイラギ殿よ。あの幻影にも制限時間があるのでな。」


「わかりました。じゃあシア、その食べ物があった屋台まで案内してくれないか?」


「うん!!こっちだよ。」


 シアの後についていくと、香ばしい匂いの漂う屋台に案内された。そこでは肉や野菜、魚などを串に刺して焼いたものが並んでいた。


「あのお魚さん美味しそうなの!!」


「ははぁ~、なるほどね。こういう串焼きは屋台っぽいね~。」


「お兄ちゃん、これも作れる?」


「もちろん、任せてくれ。」


「この肉とかすごく美味しそうだけど、ヒイラギが作ってくれるなら買うのやめよ~っと。意外といい値段するし、ワタシがお腹いっぱいになるまで食べるってなったらすごい金額になっちゃうわ。」


 ランさんの言っている通り、串焼き一本当たりの値段は平均大銀貨1枚ぐらい。良い肉を使っている串焼きはその倍ぐらいの値段がする。お祭り価格でも少し高いような気がするな。


「よし、他に食べたいと思った食べ物はあったかな?」


 そうシアに問いかけると、シアはフルフルと首を横に振った。


「これが一番美味しそうだったの~。」


「わかった。じゃあ早速、市場に寄って買い物をしてから帰ろうな。カリンさんも良かったら一緒に食べていきませんか?」


「うむっ、喜んでなのじゃ~。」


 その後王都の市場に寄っていろいろな食材を買い込んで宿に戻り、あの宿の支配人の許可をもらって、中庭でバーベキューを開催することとなった。


「よし、一先ず食材は切り終わったかな。」


 大量に買い込んだ食材を一つ一つ丁寧に一口サイズに切り分け、肉と魚には下味をつけてからバットに並べ、借りたテーブルの上に置いた。そして準備が整ったところで俺は待っていたみんなに声をかける。


「みんな、一回集まってくださーい。」


 その声でみんなが一斉にこちらへと集まってきてくれた。期待に満ちた眼差しでこちらを見つめてくるみんなに俺はさっそく説明を始める。


「はい、それじゃあここにある食材を見てください。肉に野菜、魚までいろんな食材を用意しました。この中から自分が食べたいものを選んで、串に刺していきます。」


 例として俺は肉と野菜を交互に串に刺して見せる。


「こんな感じで串に刺し終わったら~……グレイス、そっちは用意できてるな?」


「はいっす!!バッチリ火は点いてるっすよ~。」


「うん、ありがとう。食材を刺した串はこの金網の上に乗せて焼いていきます。後はこんがりと焼き色が付くまでじっくり焼きましょう。」


 炭火の上に乗せた金網の上でじっくりと焼き上げていく。焼き上がったところで、用意しておいたバーベキューソースをたっぷりと絡めた。今回用意したソースは2種類、バーベキューソースと甘口の和風タレだ。


「あとはこれを食べるだけです。ほい、グレイスは手伝ってくれたから食べて良いぞ。」


「やったっす~!!」


 例として焼いたものをグレイスに手渡すと、大喜びしながら食べ始めた。それを見ていたみんなは、早速自分が食べたいものを串に刺していく。


「まぁまぁ、最初は王道にお肉と野菜……あいや、鶏肉もあるし、ねぎまを作るのも良いなぁ~。お酒もあるんだよね~。」


「シアはお魚さんいっぱ~い!!」


「ワタシはお肉~♪」


「ワシはヒイラギ殿を真似してみようかの。」


 みんなが各々自分好みのBBQ串を焼いている最中に、俺はもう一品の調理に取り掛かるのだった。



この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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