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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
四節 ヒュマノファイトに向けて
224/303

第224話 予選終了

予約投稿が上手くできていませんでした。投稿が遅れてしまい申し訳ありません。


 他のブロックの戦いが終わるのを舞台の上から観戦していると、一際目立って見えたのは、まさに()()()()という言葉がぴったりと当てはまるような、すさまじい勢いでドーナさんが他の選手を蹴散らしていた。


「わぁぉ……ドーナちゃんも張り切ってるね。他の選手の人達がぶっ飛びまくってるよ。」


 ミカミさんがそう呟いていると、俺の方の舞台にまで人が吹っ飛んで来た。そしてその人が舞台から落ちたことで、あの舞台の上に立っているのはドーナさん一人のみとなってしまう。


『またまた予選通過者が決まりましたぁ~っ!!第2ブロックのただ一人残ったのはぁ~、選手番号10番……魔物ハンターギルドのリーダー、ドーナ選手ですっ!!流石は優勝候補筆頭、圧倒的な強さを見せつけましたァッ!!』


 アナウンサーの人も言っているけど、ドーナさんは優勝候補ってだけあって歓声も凄い。俺が最後の一人になった時の倍以上の歓声がドーナさんに送られている。

 あんな大人数を全員相手していたのに、汗一つかかずにパンパンと手を叩いたドーナさんはこちらに視線を送ってくると、ひらひらと手を振ってきた。


 その後、続々と各ブロック内での予選突破者が決まり、全員が出そろったところでアナウンサーの人から決勝戦までの流れが説明された。


『予選突破者が出そろったところで、明日からの本線の流れを説明させて頂きましょうっ!!今大会も通例通り、本線は予選突破者8名によるトーナメント戦になります。本来準決勝と決勝戦は日を分けて行うのが通例でしたが、今大会は明日一気に決勝戦まで行い、優勝者を決めるハードな大会となっておりますっ!!予選を通過した選手の皆様には専用の宿をご用意していますので、そちらで体を休めてください。』


 そうアナウンスがあった直後、係の人がこちらに駆けつけてくれて、俺のことを案内してくれた。大歓声に見送られて会場を後にすると、外でランさん達が俺のことを待ってくれていた。


「ヒイラギ、ミカミおかえり~。ちゃんと見てたわよ。」


「お兄ちゃんすっごくかっこよかったよ!!」


「ヒイラギさんの場所にいた人達だけ逃げ出してたっすね……。」


「みんなも良い宿に泊まれるみたいだから、このまま一緒に行こ~。」


 みんなと合流して宿の方に歩いていると、ちょうどよくドーナさんと出くわした。


「あっ、ヒイラギ達じゃないかい。」


「ドーナさんお疲れさまでした。」


「そっちもね。」


 お互いに健闘を讃えていると、俺達の横を予選を通過した人達が通り過ぎていく。その人達は皆一様に、俺達のことを一度睨みつけて行った。


「みんなピリピリしてやがるねぇ。あ~んなに殺気立っちまって、あれで楽しめるのかねぇ?」


「祭りは楽しんだ者勝ちなのにね~。」


「ま、まぁみんな真剣なんですよ。」


「そいつはアタシもそうなんだけどねぇ。ま、人それぞれこの大会に懸けてる想いは違うから、口出しすんのは野暮か。」


 そうドーナさんは割り切ると、彼らの後に続くように歩き出す。それから少し歩くと大きなホテルのような建物が目の前に現れた。どうやらここが俺達の寝泊まりする宿らしい。


「んじゃ、アタシは一足先に休ませてもらうよ。明日に備えて英気を養っておかないといけないからねぇ。ヒイラギもしっかり休んどきなよ。」


「ありがとうございますドーナさん。」


 宿泊施設のフロントのような場所でドーナさんと別れ、俺達も用意されている部屋へと向かう。


「さてさてどんな部屋かな~。」


 ミカミさんと一緒に、期待で胸を膨らませながら扉を開けると、期待通り……豪華絢爛でとても広い部屋だった。


「おぉ~すっごい広い部屋だね~。あ、見てよ柊君!!キングサイズのベッドが2つもあるよ!!」


 キングサイズのベッドに興奮したミカミさんは、誰よりも先にそのベッドに飛び込んでいく。そのベッドはとても柔らかかったようで、ポヨンと跳ねると思っていたのに、飛び込んだミカミさんはそのままベッドに埋もれてしまう。


「ぷはっ、すっごい柔らかいよ柊君。これは超高級なベッドだよ。」


「これならぐっすりと眠れそうですね。」


 そう言うと、シアが不安そうに首を傾げながら問いかけてきた。


「ヒイラギお兄ちゃんもう寝ちゃう?」


「ん?まだ寝ないさ。みんなのお昼ご飯も夕ご飯も作らないといけないからな。」


 そう言って頭を撫でてあげると、シアはぱぁっと笑顔になる。


「そういえば……屋台の買い食いとかはしなかった?美味しそうなものも結構あったと思ったんだけど。」


「シアはヒイラギお兄ちゃんが作ってくれたものじゃないとイヤっ!!……でも美味しそうって思ったのがあったの。」


「それを俺が作ればいいかな?」


「うんっ!!」


 でもあの屋台に並んでいた食べ物の中で、いったい何を美味しそうって思ったんだろう?それがわからないことには作れないな。


「よっし、じゃあ今から屋台をもう一回見に行こうか。シアが食べたいって思ったものを俺に教えて欲しい。」


「わかった!!」


 目をキラキラと輝かせるシアの頭を撫でた後、俺は念のためシャワーを浴びてから、もう一度会場の方へと歩いて行ったのだった。


この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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