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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
四節 ヒュマノファイトに向けて
223/304

第223話 ヒュマノファイト予選開始

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 そしてついにやってきてしまったヒュマノファイト当日……俺はランさん達に見送られながら、ドーナさんと一緒に出場者のゲートをくぐった。


「いやぁ〜、ついに来たね柊君。」


「ミカミさん……本当についてきて大丈夫なんですか?」


「さっき受付の人にもちゃ〜んと確認したでしょ?攻撃しないなら同伴は許可するってさ。しっかり契約書も書いてきたしさ、大丈夫大丈夫〜。」


「い、いやそれはそうなんですけど……危ないんじゃないかなって。」


「あはは、心配ご無用さ。だって柊君の胸ポケットは絶対安全領域だからね。」


 ミカミさんとそんな話をしていると、ドーナさんがやれやれとため息を吐いた。


「まったく緊張感がないねぇ2人ともさ。」


「そんなことないですよ。正直めちゃくちゃ緊張してます。」


 そう言うと、ドーナさんがポンと俺の方に手を置いてくれた。


「ま、今さっきミカミも言ってたけど、ヒイラギなら問題ないさ。」


 そして背中を押されて選手の控室へと入ると、その中はもう誰も彼もが殺気立っていて、すごく居心地が悪い。

 ドーナさんと一緒にいるからってのもあるだろうけど、視線が凄く突き刺さるように感じる。


「ここめっちゃくちゃ居心地悪いね。ドーナちゃんのヘイト高すぎでしょ。」


「あいにく()()に用は無いんだよねぇ。」


 ポツリと呆れながらドーナさんが言うと、一人の大男がバキバキと指を鳴らしながらこちらに歩み寄ってきた。


「誰が雑魚だってぇ?優勝候補だからって調子乗ってんじゃねぇぞ女ァッ!!」


 怒声とともに、男は拳を大きく振りかぶる……しかし、それが放たれる前に、ドーナさんの拳が深々と男の顔面に突き刺さり、男はすさまじい勢いで壁に叩きつけられた。


「ガフ……がぁっ。」


「っと、手加減したつもりだったんだけど、一発で伸びちまったねぇ。」


 気絶した男へとドーナさんは歩み寄ると、首根っこを引っ掴んでズルズルと部屋の外へと引きずって行ってしまった。

 そして戻って来る頃には、控室はもう殺伐とした雰囲気から、ドーナさんへの畏怖を感じる雰囲気へと変わってしまっていた。


 そんな雰囲気の中、控室の中にアナウンスが響いた。


『選手の皆さんっ、ゲートを通って受付で渡された番号の通路を通って入場してくださいっ!!』


「ん、じゃあ行こうかヒイラギ。アタシと戦る前に負けるんじゃないよ?」


「が、頑張ります。」


 ポンと俺の背中を叩いて、ドーナさんは2番の通路をくぐっていった。


「さ、柊君。私達は8番の通路だよ。」


「はい、行きます……。」


 8番の通路をくぐり、光の射す方へと進んでいくと、円形の舞台と観客の大きな歓声が俺達を待ち構えていた。


 選手全員が割り振られた番号の先にあった円形の舞台に立つと、会場全体に声が響く。


『さぁさぁッ、今年もやってまいりました。皆さんお待ちかねヒュマノファイトォッ!!今回の参加者は総勢97名っ!!……なお、1名不慮の事故によって欠場となりましたが、それでも96名の参加者が集まりましたぁッ!!』


 アナウンサーの人の声に合わせて、観客の人たちから大気を震わすような歓声が上がる。


『ヒュマノファイトの予選は、8つに分けられた舞台の上で、最後の1人になるまで戦い合ってもらいます!!相手を打ち負かす方法は、場外に出す……敗北を認めさせる……そして最後に戦闘不能に追い込むです!!あ、言い忘れてました。魔法の使用……並びに相手を殺してしまった場合失格になりますのでご注意くださいっ!!』


「なるほど12人でバトルロワイヤルってわけだ。」


「舞台は全部で8つ……96人が予選で一気に8人まで減るんですね。」


 ミカミさんとそう話していると、俺と同じ舞台にいる人達の視線がすべてこちらに向いていることに気が付いた。


「あ、柊君も気付いた?」


「これ、もしかして狙われてます?」


「多分ね。ドーナちゃんと親しく話してたからかな?」


 結論が出る前に、アナウンサーの人が再び会場に声を響かせる。


『それではもう待ち切れない皆さんのために、開始の合図を……レディ〜〜〜ファイトォッ!!』


「え、こ、こんなあっさり始まる……。」


 驚いていたのもつかの間、同じ舞台にいた人達が一斉にこちらに襲いかかってくる。


「さぁ、来るよ柊君っ。」


「は、はいっ!!」


 まず最初に、こちらに真っ先に襲いかかってきた男の蹴りを躱すと、スキルの反撃によって俺はいつの間にか男の股間を蹴り上げていた。


「おっ!?く、ぐぅ……。」


「ひゅぅ〜、今のはエグいね。」


「お、俺の意思じゃないんです……。」


 少し申し訳ない気持ちを抱いている間にも、次々に他の選手が襲いかかってくる。そのうちの数人が俺の反撃のスキルで股間に強烈なカウンターを食らってダウンすると、怖気付いてしまったのか、他の選手が自らの股間を押さえながら内股で舞台を自ら飛び降りていってしまう。


『あぁ〜っとぉ!!これはどういうことでしょうか!?8番ブロックの選手が次々と舞台を降りていきます!!』


 そして俺だけが舞台上に残ると、再びアナウンサーの声が響いた。


『最速で最初の予選通過者が決まりました!!8番ブロックの予選通過者は〜選手番号8番っ、ヒイラギ選手です!!』


 

この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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