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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
四節 ヒュマノファイトに向けて
205/302

第205話 マイネのお願いとは

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 一通り、みんなの営業の様子が問題ないことを確認した後、俺はミカミさんとシア、グレイス……そして何故かカリンさんと一緒にマイネさんのお店へと向かった。


「はてさて、何が待っておるのかの〜。」


「カリンさん、ついてきて大丈夫なんですか?」


「魔法の研究は一段落ついておる。それに、ヒイラギ殿についていけば、面白いことが起こると決まっておるからの。研究より、面白いことがワシは優先じゃ。」


「そ、そうなんですね……。」


 そしてみんなと一緒にマイネさんのお店に着くと、ちょうどマイネさんが自分の体よりも大きな荷物を背負って、お店から出てきた。


「あ、ちょうどよかったぁ〜。みんな来てくれたんだね〜。」


「マイネちゃん、その荷物どうするの?」


「これは今から王都に持ってくんだよぉ〜。」


「え、ってことは私達これから王都に行くってこと?」


「うん。実はヒイラギ君に手伝ってもらいたいことっていうのは、おばさんのお仕事なんだぁ〜。実は今日王都で()()()()()()があってね〜……そのお手伝いしてくれないかなぁ?」


「いっ!?お、王族の晩餐会ですか!?」


「うん〜、ダメかな?」


「い、いやむしろ俺で良いのかって感じなんですけど……。」


「うへへ〜、キミ以外に適任はいないよぉ〜。で、どうどう?やってくれないかなぁ?」


「まぁい、良いですけど……。」


「ありがとぉ〜。じゃあ早速王都に向かお〜!!」


 その流れで俺達は王都へと向かうこととなり、関所へと足を運ぶと、そこでは豪華絢爛な場所が俺達を待っていた。


「お待ちしておりましたマイネ様。」


 その馬車の前で待っていた黒服の男性が、マイネさんに深くお辞儀をする。


「やぁやぁ、お久しぶり〜。」


「本日はよろしくお願いします。……そちらの方々は?」


「おばさんのアシスタントさんだよ〜。」


「そうでしたか、それではよろしくお願いします。」


「よ、よろしくお願いします……。」


 馬車に乗り込むと、俺達が座ったのを確認して、すぐに馬車は王都へと走り出した。その中で、マイネさんは晩餐会のことについて俺に教えてくれた。


「今夜の晩餐会はね、王様はもちろん、政治に関わってる重要な役割の人とか、一部の貴族も招かれるんだよ。1年に1度の重大イベントって感じかなぁ。」


「そんなに大事なものなのに、俺が行ってもいいんですか?」


「もちろんだよぉ〜、こんなに大事な行事なのに、いっつもおばさん1人で料理を任されちゃうから大変でさ〜。」


 ケタケタと笑いながら、マイネさんはとんでもないことを言っている。


「晩餐会を1人で……?」


「うん〜、これがまぁ大変なんだぁ〜。味にも気をつけないといけないし、盛り付けも重要でさ〜。」


「まぁ、そりゃあそうですよね。王様が来る晩餐会なら尚更。ちなみにメニューとかって決まってるんですか?」


「まだ決まってないよ〜。いっつも王城の食糧庫を見てから決めるんだ〜。」


「ぶっつけ本番ですか……。」


 今頃になって少し後悔してしまっている自分がいる。胃がキリキリと痛くなってきた。


 すると、そんな俺の緊張を見破って、ミカミさんがポンポンと肩を叩いてくれた。


「そんなに緊張しなくても大丈夫さ柊君。キミには十分すぎるぐらいの経験がある。だからこそお菓子のお店だって成功してるんだ。」


「ありがとうございますミカミさん。」


「あ、そのお菓子のことなんだけど……食後の甘味はヒイラギ君にお任せしてもいいかな?出来ればケーキが良いんだけど〜。」


「ケーキでいいんですか?」


「できればね〜。あれぐらい豪華なお菓子なら、ただ高級な果物を切って盛り付けるだけの水菓子よりも、よっぽどいいんだよねぇ〜。」


 逆に今まで食後はそういう感じのメニューを提供していたんだな……。その事実に驚きながらも、俺は1つ頷いた。


「わかりました。請け負います。」


「ありがと〜、きっと王様も喜んでくれるよぉ〜。」


 その後、王都への道のりの間、マイネさんとどんな料理を作ろうか……と発想を膨らませながら、時間を過ごした。




 グレイスに慣れているせいか、王都までの道のりが長く感じたものの、日が暮れる少し前には王都に到着していた。馬車から降りると、黒服の人が敬礼しながら言葉をかけてきた。


「それではよろしくお願いします!!」


「はいは〜い、今回も頑張らせてもらうよぉ〜。」


 ヒラヒラとマイネさんは彼に手を振って、王都の中心にある巨大なお城の方へと歩き出す。その後に続いていくと、カリンさんがポツリと城を見て言葉をこぼした。


「ふむ、この城に来るのは実に30年ぶりじゃな。」


「意外と期間がありますね。」


「まぁ、外交のことはフィースタに任せておった故、こちらの国王が新たに決まったときに、祝福として来ただけじゃ。」


「でもいろんな行事に招待はされてるんじゃ?」


「それはもちろんされておる。……代理でフィースタを送っておるだけでの。」


 ケタケタと笑うカリンさんに、外交は本当にそれで大丈夫なのだろうか……と不安になりながらも、俺達は城の方へと歩みを進めるのだった。



この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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