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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
四節 ヒュマノファイトに向けて
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第204話 ジェラート販売開始

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 翌日、みんなよりも先に、一足先にギルドに赴いたつもりだったが、そこにはすでにバーバラさんとニーアさん、そしてカリンさんが待っていた。


「あっ、社長~おはよ~。」


「お、おはようございますっ!!」


「おはようなのじゃ~。」


「皆さんおはようございます。ずいぶんやる気いっぱいみたいですね。」


「そりゃあそうだよ~、せっかくウチらにお仕事任せてもらったんだもん。頑張りたくなるでしょ~。ねっニーア?」


「はいっ。」


 やる気満々な2人に、早速鍛冶屋で作ってもらった微塵切り機を見せるとカリンさんまで一緒になって、物珍しそうにみんなそれを見つめていた。


「これは何じゃ?」


「これは微塵切り機です。」


「社長、これ何に使うの?」


「これはジェラートを作る時に使いますよ。一度凍らせたジェラートを滑らかにするために砕くときに使うんです。」


「あっ、そういうことね!!あの工程手でやるの、結構大変だったんだ~。でも手抜きしちゃうと、滑らかにならないし……ねっ?」


「そう、その大変で大事な工程がこれがあれば解決するんです。一回やって見せますね。」


 あらかじめ俺が作っておいた、ジェラートを砕いて滑らかにする前の凍った状態のものを、微塵切り機の中に入れた。そして取っ手が付いた紐を引っ張ると、中のブレードが回り、あっという間に凍っていたものが、トロリと滑らかな状態に変わってしまう。それを見たバーバラさんとニーアさんが目をキラキラと輝かせている。


「とまぁこんな感じです。」


「おぉ~っ、すっごいすっごい!!これは画期的だよ。」


「紐を引っ張るだけでいいんですね。すごく簡単です。」


「これをうまくジェラートづくりに活かしてください。できますよね?」


「もっちろんっ!!早速仕込んでみるよ~、さぁさぁニーアやるよ~っ。」


「はい姉さんっ!!」


 バーバラさん達が仕込みを始める頃、ミハエルさん達が出勤してきて、彼らもケーキの仕込みを始めた。驚くことに、この前の営業の時よりもすごく一つ一つの作業が早くなっている。もうだいぶ慣れてきたというのもあるんだろうけど、この急成長はもしかすると……。


 俺は彼らと一緒にやってきたルカに、昨日のうちに何個ケーキを食べたのか聞いてみることにした。


「ルカ、昨日何個ケーキを食べた?」


「10を過ぎてから数えるのをやめておりました。」


「おぉぅ……やっぱりか。そんだけ食べてたのに、良く夕食まで食べられたな。」


「ご主人様のご飯は別腹というやつでございます。」


「それって普通甘いものとかに使う言葉だぞ。」


 しかし、昨日1日で10個以上ケーキを試作してたのか……。いろんなケーキを食べた感想もルカに聞いてみようか。


「ちなみに昨日は俺が食べれなかったんだけど、感想とかあるか?」


「ケーキ自体はどれも美味しいものでございましたよ。ただ……。」


「ただ?」


「私は一つ目から合格点を出していたのですが、彼らは自分たちで満足していなかったらしく、何度も試作を繰り返していました。」


「ははぁ~、そういうことね。納得だ。」


 ルカの話を聞いて、彼らが驚異的な成長を見せたことにも、あの時俺が訪ねて行った時に試作品を食べてほしいと言ってこなかったことにも納得がいった。


「やっぱり向上心ってやつは人を大きく成長させるな。見違えたみたいだ。」


 向上心を持つのは良いことだけど、あまり自分自身を追い詰めないで欲しいな。自分を追い詰めすぎると悪循環が始まってしまう。そうなると普段の営業にもかなり影響は出てくるだろうからな。彼らの様子には気を配っておこう。


 仕込みがあっという間に終わり、営業時間までみんなが休憩している最中、ミハエルさん達はジェラートの作り方などについてバーバラさん達に聞き込みを行っていた。多分ケーキのアイデアの参考にするのかな?


 そんな光景を見守っていると、ついに営業時間となり、ミースさんが伝票を持って1階から駆け下りてきた。


「オーダー入りますっ、ベリージェラートとポンポンオランのジェラートを1個ずつ、それとケーキを1個お願いしま~す。」


 オーダーが入ると、すぐにそれを用意して運んでいく。ジェラートの方も滞りは無いみたいだし、この分なら後は任せても問題なさそうかな。


「よいしょっと。」


 椅子から立ちあがたって、俺は1階へと向かう。そしてお菓子を買うために並んでいるお客様の様子を眺めていると、今日から発売という事もあり、ジェラートを物珍しさから頼む人が多い印象だった。このペースだと、仕込んだジェラートはすぐに売り切れてしまうかもな。


 観察していると、3種類のジェラートを持ったマイネさんがにこやかに微笑みながら、こちらに歩み寄ってきた。


「やぁ~ヒイラギく~ん。」


「あ、マイネさんおはようございます。」


「うへ~新商品が今日発売されるってミースちゃんから連絡があってさ、居ても立ってもいられず来ちゃったよぉ~。」


「ありがとうございます。ちなみにもう食べました?」


「うん、ベリーのジェラートを食べさせてもらったよぉ。こんなにキンキンに冷たいお菓子って初めて食べたけど、すっごく美味しいんだねぇ~。」


「お口に合ったのなら何よりでした。」


「あ、そうそう、ヒイラギ君に一つお願いがあるんだけどぉ~。今日これからって予定空いてない~?」


「う~ん、特に予定はないと思いますけど。」


「うへ~、じゃあこれから来れる人たちを連れておばさんのお店に来てよぉ。ちょっとヒイラギ君に手伝ってほしいことがあるんだぁ~。」


「わかりました。それじゃあこれから向かいますね。」


「待ってるよぉ~。」


 その後、ジェラートを食べながら去っていったマイネさんを追うように、俺はミカミさんとシア、グレイスを連れてマイネさんの店へと向かうのだった。



この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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