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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
四節 ヒュマノファイトに向けて
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第202話 予想外の参戦

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 今回のオークションで出品されている品物のほとんどは、宝石やダンジョンで発掘されたという特殊効果がついている装備品などだった。俺が気になるような珍しい食材とかは残念ながらなさそうだ。


 俺が何一つ入札する素振りを見せないことを不思議に思ったカリンさんが、こちらに質問を投げかけてきた。


「ヒイラギ殿は何しにここに来ておるんじゃ?何か欲しいものがあるようではないが……。」


「実は俺が出品してる品物があって、それがいくらになるのか気になって見に来たんです。」


「なるほどそういう事じゃったか。」


「多分もうそろそろ出てくると思うんですけど……。」


 そんな事を話していると、もうオークションは最後の一品へと場面が変わり、いよいよ俺が出品したジュエルイーターの皮が舞台の上に現れた。


 ご丁寧に、立体的に見えるようにロックイーターの標本か、何かの上に被せられてるみたいだ。


「あ、来ましたよ。」


「む、あれは……ジュエルイーターの皮か。何とも珍しいものを手に入れたのヒイラギ殿。」


「族長、あれって珍しいんですか?」


「普通のジュエルイーターならば、100年に一度目にかかれるか、かかれないか……といったところじゃろう。じゃが、あの皮についておる宝石は……。」


 ブツブツとカリンさんは呟きながら、ジッ……とジュエルイーターの皮についているキングスゴールドを見つめている。そして、チラリと俺達の背後にいたヘールメースさんへと視線を向け、声を掛けた。


「そなたは、このオークションを取り仕切っておる者かの?」


「そのとおりでございます。」


「飛び入り参加で申し訳ないのじゃが、ワシもこのオークションに参加してもよいか?」


「ほっほっほ、エルフの族長様に是非を問われたら頷くしかありませんな。」


「すまんな、迷惑をかけるのじゃ。」


 カリンさんはヘールメースさんから札を受け取ると、そわそわしながら入札開始の合図を待った。


「それでは、こちらキングスゴールドを携えたジュエルイーターの皮……白金貨100枚から入札スタートです。」


 その声がかかると同時に、これを目的に来ていた貴族らしき人々が札を挙げ、どんどん金額を吊り上げていく。ライルさんが言っていた白金貨120枚という数字は、すぐに飛び越えられてしまう。


 誰も譲ろうという意思を見せない中、クレイモア家のあの男が辟易したように札を挙げる。


「白金貨500枚。」


「あぁ~っと、ここで白金貨500枚の入札ですっ!!」


 急激につり上がった金額に、会場がどよめき立つ。しかし、ここにいるのはジュエルイーターを目的にやってきている貴族達……ただでは引かない。


「し、白金貨510枚。」


「こっちは白金貨550枚だ!!」


 人数は減ったものの、入札は止まらない。しかし、それを嘲笑うかのように、今一度クレイモア家の男が札を挙げる。


「白金貨700枚。」


「さ、更に金額が上がりましたっ!!この金額を更に超えられる方はいらっしゃいますか!?」


 誰も札を挙げるものが現れず、司会の人が木槌を叩こうとしたとき……カリンさんが札を挙げた。


「ワシは小競り合いは嫌いじゃ。そういうわけで、白金貨1000枚じゃ。」


 急に白金貨1000枚を提示したカリンさん。それにクレイモア家の男も焦っている。


「し、白金貨1000枚だと?」


「ほれ、どうするのじゃ?このままではワシの物になってしまうぞ?」


 くつくつと笑いながら、煽るようにカリンさんはクレイモア家の男へと言うが、彼はこれ以上の金額を出し渋る。すると、カンッ……と木槌が鳴り響いた。


「新たな入札が無いようですので、白金貨1000枚で落札です!!」


 クレイモア家の男以外の観客からの拍手とともに、カリンさんの落札が決まった。


「良いんですかカリンさん。そんな大金……。」


「うむ。金なら有り余っておるからの。それに、あのキングスゴールドという鉱石……あれは新たな魔法の開発に使えるのじゃ。」


 扇子のようなものでヒラヒラと顔を仰ぎながら、カリンさんは興味津々といった様子で、キングスゴールド付きのジュエルイーターを見つめている。


「では別室での受け取りとなりますので、こちらへどうぞ。」


「うむ、参ろう!!」


 ミハエルさん達の時のように別室へと案内され、そこで商品の受け渡しが始まった。


「それではまずは白金貨1000枚をお納め頂きます。」


「うむ。」


 カリンさんはスッと手を翳すと、そこからジャラジャラと白金貨を放出していく。


「ほい、白金貨1000枚じゃ。」


「ただいま確認させて頂きます。」


 すぐにヘールメースさんが白金貨の枚数を確認し、それがきっちりと1000枚あることを確認すると、1つ大きく頷いた。


「確かに白金貨1000枚頂きました。それではこちらをどうぞ。」


「おぉ〜、これを見られる日を300年は待ち望んだのじゃ。」


 スリスリと愛おしそうにカリンさんは、キングスゴールドに頬擦りすると、一瞬のうちにジュエルイーターを何処かへとしまってしまった。


「さて、ワシはこれから魔法の研究に没頭する故、失礼するのじゃ〜。またのヒイラギ殿っ♪」


 その後カリンさんはバーバラさんとニーアさんの2人を連れて、パーピリオンへと帰って行ったのだった。



この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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