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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
四節 ヒュマノファイトに向けて
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第194話 転がる岩の正体

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 来た道を引き返していると、ちょうど入り口のところでさっき転がってきた岩がピタリと静止していた。よくよく見てみると、宝石なのかそれとも鉱石なのか、岩肌には綺麗な石がたくさんくっついている。


「ミカミさん、あれ宝石ですかね?」


「どうだろ?鑑定してみたら?」


「あ、その手があるんですね。すっかり忘れてました。」


 その岩へと向かって鑑定スキルを使うと、とんでもないことが判明する。




~鑑定結果~


名称 ロックイーター


備考


・鉱石や宝石を主食とするトカゲ型の魔物。食べた鉱石によって体表に現れる鉱石が変わる。

・基本的に温厚な性格だが、一部のロックイーターは縄張り意識が強く凶暴で、縄張りに入った侵入者を倒すまで追跡することがある。

・宝石のみを食し続けたロックイーターは別名ジュエルイーターとも呼ばれ、市場では高額で取引されている。

・硬い表皮に反して内側の肉は柔らかく、非常に美味。ただし全ての内臓には猛毒があるため、食べる際は臓器を摘出すること。




 鑑定の結果を見て、俺はこの岩の正体が魔物であることをミカミさんに伝えた。


「み、ミカミさん。アレ……魔物みたいです。」


「え、そうなの?」


「ロックイーターって呼ばれる魔物で、鉱石を食べる魔物みたいですね。興味深いことに、味も美味しいみたいです。」


「おっ、それはぜひとも食べてみたいね柊君。」


「はい、ミカミさん。」


 そう話している最中、突然ロックイーターの体表が盛り上がり、トゲトゲのハリネズミのようになった。そしてその尖った針がこちらへと向かって飛んでくる。


「と、飛び道具を使えるのか!?」


 咄嗟にレヴァを振るい、俺は飛んできた針を全て撃ち落とすことに成功した。


「ふぅ……今度はこっちの番だぞ。」


 レヴァを手に、ロックイーターへの距離をぐん……と一気に詰める。すると、こちらが攻撃してくることを察知し、ロックイーターはゴツゴツした体表を変化させ、丸い鉄球のような形に変化した。


 この感じ……普通の刃物なら刃物のほうが壊れてしまうほどに硬そうだ。でも、レヴァなら……。


「ふんッ!!」


 丸まっているロックイーターの首の位置を正確に見極めて、そこにレヴァを突き刺した。すると、丸まっていたロックイーターの全身がガバッと開いて硬直し、その後ピクリとも動かなくなった。


 倒したことを確信して、1つ息を吐き出していると、ミカミさんが満足気に頷きながら口を開いた。


「うんうん、だいぶ戦闘にも慣れてきたね柊君。」


「まぁ結構な数をこなしてますし……それに、あのオークの群れと戦ってから、なんか魔物への恐怖心が薄れてきたんです。」


 自分でも驚くほどに、さっきのゴーレムといい、今倒したロックイーターといい、以前感じていたような恐怖心を感じなかったのだ。


「う〜ん、それは多分奪ったスキルのせいかな。剣術に体術、このスキルがあるおかげで気持ちにある程度余裕ができてるのかも?」


「そうなんですかね……。」


 単に魔物を倒すことに慣れてきてしまっているのかもしれないけど、多分これは良い傾向だと思う。


「あ、このロックイーターは食べたいのでこの場でちゃちゃっと下処理しちゃいますね。グレイス、グロいからシアの目を塞いどいて。」


「了解っす〜。」


 小さいままの体で、グレイスは翼を大きく広げると、シアの両目にアイマスクのように覆い被さった。それを確認してから、俺はロックイーターの下処理を始める。


「え〜っと、まずは血抜きをして…………。内臓は毒があるらしいから取り除いて……。」


 淡々と下処理を進めていると、ミカミさんが不思議そうな表情で質問を投げかけてきた。


「柊君、トカゲって捌いたことあるの?ずいぶん手慣れてるように見えるんだけど……。」


「無いですよ。でも、動物の内臓の位置ってだいたいこの辺かな〜とかそういうのは感覚でわかるんです。」


「なるほどね。やっぱり。料理人って凄い人達だよ。」


「あはは、ありがとうございます。」


 そして下処理を終えたところで、俺達はエミルへと戻るのだった。




 エミルへと戻ってきた後、早速鍛冶屋へと赴くと、店主の女性はギョッとしながら戻ってきた俺達の方に視線を向けてきた。


「えっ!?も、もう戻ってきたの?流石、魔物ハンターの()()()()2()……。」


「ナンバー2?」


「ミースさんが言ってたよ。『ヒイラギさんはドーナさんと同じぐらい強いですから、心配しなくても大丈夫ですよっ!!』って。」


「そういうことだったんですね……。」


 思わず苦笑いしていると、彼女は早速ゴーレムを見つけられたか聞いてきた。


「んでんで、ゴーレムは倒せた?」


「倒せたには倒せたんですけど、だいぶ粉々にしちゃって……。」


「あ、それなら大丈夫。鉱石はそれぞれ融解温度が違うから、溶かす過程で分別できるからさ。」


「じゃあここで出しても大丈夫ですかね?」


「うん、どーんと出しちゃって〜。」


 マジックバッグを逆さまにして、ゴーレムの破片を思い浮かべると、切り刻まれたゴーレムの破片がガラガラと音を立ててカウンターの上に山を作っていく。


「これで全部です。」


「わ〜ぉ……これ結構大きいゴーレムだったんだね。見ただけでわかるよ。」


「この中に目的の鉱石はありますか?」


「うん、見た感じ〜、これとこれと〜……あ、あとはこれと〜…………。うんうん、十分すぎるぐらいの量があるね。」


「安心しました。」


「よっし、それじゃあ早速製作に取り掛かるね。多分明日の朝には出来てると思うから、時間がある時に取りに来てちょうだい。」


「わかりました。それじゃあお願いします。」


「うんうん、任せて任せて。この()()()()が必ず期待に添えるものを作るって約束するよ。」


「よろしくお願いします。ミランダさん。」


 ミランダさんに製作をお願いしたあと、俺達はギルドへと赴き、ついでに倒したロックイーターのことを調べてもらいに向かうのだった。



この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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