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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
四節 ヒュマノファイトに向けて
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第189話 ヴェイルファースト家への宿題

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 ミカミさん達に試食してもらった後、ミハエルさん達にもジェラートの試食をしてもらうと、こちらからも良い反応を確認した。そしてジェラートの作り方を説明している途中で、申し訳なさそうにミハエルさんが手を挙げた。


「すみませんヒイラギさん、お恥ずかしながら私……いえヴェイルファースト家一同は、誰も魔法の心得が無く……。」


「大丈夫ですよミハエルさん。このジェラートの調理に関しては、バーバラさんとニーアさんお2人に任せたいと思ってたんです。ミハエルさん達は今まで通りケーキ作りに集中してもらえれば大丈夫です。」


「そ、そうなんですか。」


 少しホッとした表情を浮かべているミハエルさん達の中で、唯一リタだけが少し不服そうな表情を浮かべていた。


「し、新人に新作を任せるんですのね?」


「こらリタ……口を慎みなさい。」


「…………。」


 ミハエルさんに諭されて押し黙ったリタに、俺は指を一本立てながら語り掛けた。


「リタ、確かに俺はさっきケーキ作りに集中してほしいって言った。でも、それは今日までやってきたこと、を何も変えずににずっと続けてほしいってことじゃない。」


「どういうことですの?」


「リタ達には、ケーキのことに関して一つ宿題を出す予定だったんだ。」


「へ?しゅ、宿題ですの?」


「あぁ、これはヴェイルファースト家のみんなで考えてほしい宿題だ。それはずばり、新作のケーキのアイデアの立案。」


「そ、それってつまり、わたくし達が新作のケーキを考えるってことですの?」


「その通り。材料はどんなものを使ったって構わないけど、できれば通年手に入るようなもので、売るってなった時になるべく良心的な価格で出せるものがいい。期限は……そうだな、ヒュマノファイトが終わるまでにしよう。……どうだ?できるか?」


「もちろんできますわっ!!お父様、お母様、頑張りましょうっ!!」


「ふふっ、やる気を出してくれて何よりだわリタ。」


「ヒイラギさん、その宿題……ヴェイルファースト家の誇りにかけて必ず遂行して見せます。」


「期待してますね。あ、試作とか作った時に俺が近くにいなかったら、護衛についてるルカに食べさせてあげてください。彼女は最近舌が肥えてきてますから、味見役には適任です。」


 そしてヴェイルファースト家の人達には新たなケーキを考えてもらうことにして、俺はバーバラさんとニーアさんの方を向いた。


「バーバラさんとニーアさんは、明後日の休みを挟んだ翌日にはこれを作れるようになってもらいたいです。」


「ふっふ~ん、おっまかせ~。社長の期待通りにやってみせるよ。」


「わ、私も頑張りますっ!!」


 気合が入っている2人を満足げに眺めていると、こちらの会話の間にひょっこりとカリンさんが顔を出した。


「そなたらが作った甘味の味見役はワシが引き受けようぞ。ヒイラギ殿、それでよろしいかの?」


「はい、大丈夫ですよ。」


「うむ、感謝するのじゃ。そういうわけだからの、ほれほれすぐに作り始めるのじゃ。ワシはまだまだ甘味を食い足りんぞ。」


「か、カリンさん、まだケーキの営業も終わってないので、それは営業終わりにお願いしますね。」


「む、そうじゃったな。ではそれまではヒイラギ殿が作ったものを味わい、舌に味を覚えさせておこうかの。」


 そう言ってカリンさんは、ミカミさん達が座るテーブルの方へと戻っていく。


「2人とも、もし営業終わりに時間があったら、俺と一緒に作ってみますか?」


「え、社長が付き合ってくれるの?」


「一回やって見せただけじゃ、細かいところの説明もできてないので……。あ、もちろんその時間分はお給料も出しますけど、どうですか?」


「逆にそこまでしてもらっていいの?ウチらって、一応ここで働かせてもらってる立場なんだけど……。」


「それは逆ですよ。経営者的には働いてもらっているって認識なので……オーナーとしてはできることなら何でもやってあげたいんです。」


「……やっぱり社長って変わってるね。じゃっ、社長もこう言ってくれてることだし、ニーアも一緒にお願いしよっか。」


「はいっ、よ、よろしくお願いします。」


「それじゃあ、もう少しで営業も終わりが見えてきてそうなので、皆さん頑張ってくださいね。」


 もうそろそろ本日分のケーキの材料が無くなりそうだ。ありがたいことに大盛況なおかげで、今日の分って用意している材料もすぐに無くなってしまう。ミハエルさん達もだいぶ慣れてきているみたいだし、そろそろ量を多くしてもいいのかな。その辺は営業終わりにミハエルさん達と話し合って決めようかな。


「注文入りましたっ。ケーキを2つお願いします~。」


「「「はーい!!」」」


 注文を受けてくれたミースさんの声に、みんなが反応して声を上げる。そういえばミースさんに試食をお願いしていなかったな。今ちょうど上に戻っていったし、差し入れにジェラートを持っていこう。


 ミカミさん達がお願いしてきたジェラートのおかわりを皿に盛り付けて、俺はミースさんのところへとまだキンキンに冷えているジェラートを持って行った。


この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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