表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
三節 他種族との交流
184/305

第184話 開催迫るヒュマノファイト

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 エミルへと戻ってきた後、すぐにギルドに向かうと、ミースさんがギョッと驚きながら、こちらに駆け寄ってきた。


「お、お疲れ様でしたヒイラギさん。も、もう終わったんですか?」


「一応マンドラゴラの生息地にいたオークは、一匹残らず倒してきましたよ。」


「相変わらず、人並み外れた速度で依頼を終わらせてきちゃいますね……。結構数があると思いますから、こちらにどうぞ。」


 ミースさんに受付の裏に案内された。すると、そこには奥へと続く扉がある。


「この奥が実は解体場になってるんです。大量の魔物の買い取り依頼とかは、こちらで行ってるんですよ。」


「そうだったんですね。」


「あ、ちなみに……全部マジックバッグに入りました?もし現地に残ってたら、調査員を派遣したときに回収してもらうこともできますけど。」


「大丈夫です。全部この中に入ってます。」


「マジックバッグもすごい容量のものを使ってるんですね……凄いです。で、では、こちらへどうぞ。」


 解体場の中へと案内されると、そこは凄く無機質で広い空間で、解体に使う道具と思われる鋸やハンマーなどが壁に立てかけてあるだけだった。


「ここで出しちゃって良いですか?」


「はいっ、ここなら大きな龍種でも入りますので、思う存分出しちゃってください。」


「じゃあまずは普通のオークから……。」


 オークをイメージして、マジックバッグを逆さまにすると、まるで濁流のように既に解体済みのオークの肉が溢れ出して、すぐに大きな山を作ってしまう。


「あ、あれ?もう解体済み……なんですね?」


「普通のオークとオークエリートは解体済みです。」


 次にオークエリートをイメージしてマジックバッグを逆さまにすると、またしても解体されたオークエリートの肉が積み上がる。


「で、最後にオークキングですね。これは解体してないです。」


 大きな袋に入れていた真っ二つになってしまっているオークキングを取り出すと、それをすぐにミースさんが開けて確認した。

 中は相当グロいことになってそうだが、ミースさんは慣れているのか、そんなことは一切気にしていないようで、なかを覗いたあと1つ大きく頷いた。


「やっぱりオークキングも……。」


「やっぱりってことは、ミースちゃんは予見できてた感じ?」


「目撃情報こそなかったので、確信はなかったんですが……オークとオークエリートが軍団を作っているなら、更にそれを率いているオークキングがいても不思議じゃなかったんです。」


「な〜るほどね〜。」


「確実な情報をお渡しできなくてすみません……。」


「いやいや良いんだよ。こっちとしてはボーナスが出てくれたようなものだから……ねっ、柊君?」


「まぁ、間違いないですね。」


「ミースちゃん、このオークキングはオークエリートとかよりもお金になるんだよね?」


「もちろんですっ!!オークキングはお肉こそ硬くて筋っぽくて価値がないんですけど……この皮膚の下の脂にすっごく価値があるんです。」


「脂がですか?」


「はいっ、オークキングの脂は高級なアロマオイルに加工できるんです。」


「アロマオイル……この脂が。」


「加工にはすっごく時間は掛かるんですけど、出来上がると、甘くて上品な香りがする、超高級品になるんです。」


 少し興奮気味にミースさんは語る。


「あっと、すみません……。それじゃあ早速検品の方やっていきますね。全部買い取りで大丈夫ですか?」


「あ、オークエリートとオーク1体分の肉だけもらえれば……。」


「わかりました。それでは検品していきますので、酒場の方でお飲み物でも飲みながらお待ち下さい。」


 そして後のことはミースさんに任せて、俺達は酒場のテーブルを囲み、飲み物を注文した。するとそこへドーナさんがやってくる。


「よっ、調子はどうだい?」


「あ、ドーナさんこんにちは。」


「やっほードーナちゃん!!」


 軽いあいさつを済ませたあと、ドーナさんも俺たちと同じテーブルの椅子に座った。


「ヒュマノファイトの開催まで20日を切ったよ。そっちの方はレベリングとか順調かい?」


「今日の依頼でだいぶ上がりました。」


「何の依頼を受けたんだい?」


「オークの討伐依頼です。あのマンドラゴラの生息地に群れで居座ってたらしくて。」


「あぁ、あの依頼か。この後受けようと思ってたんだけど、先を越されちまったねぇ。」


 少し残念そうにドーナさんは頭を掻いた。


「まっ、そっちの方も順調みたいで良かったよ。あっさりヒイラギが負けるなんてことはないとは思うけど、出来れば決勝の舞台で戦いたいからねぇ。」


 そう言ってニヤリと笑いながら、ドーナさんはコチラに視線を送ってくる。その目は、凶暴な肉食動物のようにギラギラとしている。


「まっ、残り時間は短くはなってきたけど、アタシもできる限りスキルアップと、レベリングに時間を費やさせてもらうよ。」


 そしてドーナさんは立ち上がった。


「ありゃ、もう行っちゃうの?」


「今日はもう一件依頼を受けてんだ。そいつを片付けてくるよ。じゃ、またね。」


 ひらひらとこちらに手を振って、ドーナさんはまたギルドの外へと出ていってしまった。


この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ