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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
三節 他種族との交流
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第183話 オークキング登場

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 レーダーで表示されていた赤い点の方へと走っていくと、不思議なことにその赤い点が俺からどんどん離れていく。


「逃げてる?」


「うん、柊君の接近に気付いてるみたいだね。それに、逃げてるってことは危機管理能力があるってこと……つまり知性はある程度高いかな。」


「知性の高いオークっていったら、オークキングしかいないっすよ。あいつめちゃくちゃ強いっす。」


「ちなみにグレイスちゃんなら勝てるの?」


「う〜ん、場所にもよるっす。空から一方的にブレス撃てば勝てるっすけど……それができない場所で正面からってなったらキツイっすね。」


「へぇ、なかなか歯ごたえのありそうな相手じゃないか、ねぇ柊君?」


「個人的には弱くあってほしかったんですけど……。」


 そうポツリと言ったとき、逃げていた赤い点が急にピタリと止まった。そして必然的に俺がその赤い点に追いつくと、目の前には老齢の1体のオークが仁王立ちしていた。老齢ながらもオークエリートの体格よりも遥かに筋骨隆々としている。


「アレがオークキング?」


「間違いないっす。無駄に頭がいいっすから、卑怯なこととかしてくるっすよ。」


「わかった。」


 一歩前に踏み出そうとしたとき、俺のスキル危険察知がピン……と足元に何か危険があることを知らせた。


「ん?」


 ふと足元に目をやると、そこには細い蔓が張ってあった。


「ブービートラップかぁ、グレイスちゃんの言った通り、卑怯くさいことやるじゃん。」


 そのブービートラップを踏み越えて、更に先に進むと、オークキングは不意に近くにあった木を蹴り倒した。すると、また危険察知が発動する。


「上っ!!」


 今度は上から大量の丸太が降り注いでくる。それをレヴァで細切れにして何とか防いだ直後、オークキングの鈍色の大剣が風を切りながら迫っていた。


「ふんっ!!」


 その大剣に対して、レヴァを叩きつけるように振り下ろすと、熱したナイフでバターを切った時のように、大剣はあっさりと真っ二つに両断された。


 するとその時、頭の中で次はこう動け……と指示されたような不思議な感覚を感じた。その通りに俺は振り下ろしたレヴァを切り返して、オークキングに逆袈裟斬りをお見舞いする。


「今の……。」


「柊君、今のが剣術のスキルだよ。理想的な攻撃パターンを頭で勝手に考えてくれるんだ。攻撃するかしないかはキミ次第だけどね。」


「なるほど。」


 チラリとオークキングの方に目を向けると、傷口は思ったよりも浅く、致命にはならなかったようで、今度は武器を捨てて拳で殴りかかってきた。


 するとまたさっきと同じ感覚を感じ、それに従った俺は、オークキングから放たれた拳を蹴り上げ、軌道を逸らした後、今度こそレヴァでオークキングを真っ二つに両断した。


「お、おぉ……。」


「オークとオークエリートから奪ったスキルの使い心地はどうだい?」


「なんか今までと違って、自分の意思で攻撃してるので、達成感はありました。」


「うん、結構結構。」


 そんな会話をしているうちに、レベルアップの通知が来た。


『レベルアップに必要な経験値を満たしたためレベルが上昇し、レベル62になりました。レベルアップしたためステータス情報が更新されます。』


「うん、一体倒しただけでレベルが2上がってる。今日だけでそこそこ上がったね。」


 ミカミさんがそう言った直後、また今度はスキルを奪ったという通知がやってきた。


『武器のスキルが発動します。討伐したオークキングが所持していたスキル……カリスマlv6を奪い取りました。』


「……カリスマもスキルなんですね。」


「一応そうみたいだね。」


「なんか変わりましたかね?俺……。」


「私目線パッと見た感じは何も変わってないけど、いつか実感できる日が来るかもね。」


「ですね。あって困るものじゃないと思いますから。」


 スキル獲得とレベルアップの通知を見終えたところで、俺はオークキングの死体に歩み寄って鑑定を使った。


「このオークキングは食べれるかな?」


 俺のワクワク感に対して、鑑定スキルが出した鑑定結果は、()()()()()()とのことだった。理由は肉が硬すぎる上に、何よりオークキングは老齢で強いオークがなる種族のため、肉そのものが臭く美味しくないとのことだった。


 仕方ないから、これはミースさんに素材として引き取ってもらおう。


 そしてせっせとオークキングを大きな袋に入れて、マジックバッグにしまっていると、ふと胸ポケットにいたはずの、ミカミさんとグレイスの姿がないことに気が付いた。


「あれ?」


「グ、グレイスちゃん、ほんとに力入れてる!?」


「んぎぎぎっ、入れてるっす〜!!でも全然抜けないっすよコレっ!!」


 何をしているのかと思えば、2人は近くに生えていたマンドラゴラを引き抜こうとしていた。


「ミカミさん、マンドラゴラは持って帰れないですよ。」


「ダメ?」


「お金にはなるかもしれないですけど、犯罪になっちゃうので、やめときましょう。」


「わかったよ〜。」


 少し諦めきれていない様子の、ミカミさんの背中をつまんで胸ポケットに戻した後、俺達はエミルへと戻るのだった。


この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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