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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
三節 他種族との交流

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第180話 消えてしまったカリン

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 目的の本を買ったカリンさんは、エルフの国を観光中のミハエルさん達のことは任せろ……と言葉を残し、目の前からパッと消えてしまった。


「ありゃりゃ、行っちゃったね。」


「……ちなみにミカミさん一つ質問なんですけど、どんな本をお勧めしたんです?」


「あ、それはね〜。こっち来て。」


 ミカミさんに手招きされて、さっきまでいた料理本のコーナーとはまた違うコーナーへとやってきた。ここには、恋愛雑誌や恋愛の攻略本といったものがずらりと並んでいる。


「この中から、コレと〜コレをカリンちゃんに勧めたんだ。」


 ミカミさんが指差した2冊の本……題名は『異種恋愛』と『王道を行く、まっすぐな恋愛』というものだった。ここで1つ、俺はミカミさんに質問を投げかける。


「カリンさん、友達についての本を探してませんでした?」


「やだなぁ柊く〜ん、まずお友達から始めて〜、最終的には夫婦を目指すって事で、キミも同意したじゃないか。」


「…………。」


「ミカミさん的にはね、友達って過程はとっととすっ飛ばして、キミとカリンちゃんの甘酸っぱ〜い恋愛を見たい気持ちでいっぱいなんだよっ!!」


 鼻息を荒くしながらミカミさんは語る……。これ以上この場にとどまっていると危ない……と、俺の本能が呼びかけてきて、俺達は一度本屋を出ることにした。


 本屋を出てから、特に行く当てがあるわけでもなく、俺達は人の流れに身を任せて、そのままギルドへと足を運んだ。


「柊君、ギルドに足を運んで何か依頼でも探すつもりかい?」


「特にどこかに行くって目的もなかったので、一先ずここに来ちゃいました。」


 一先ず椅子に腰掛けて、一つ大きなため息を吐き出していると、こちらにパタパタとミースさんが駆け寄ってきた。


「みなさんこんにちは!!」


「ミースさん、こんにちは。」


「やぁミースちゃん。」


「今日はお菓子の営業はお休み……ですよね?」


「はい、2日続けて営業してもらったので、今日はお休みです。これからも2日間営業したら、1日休みって感じでお店は回してもらう予定です。」


 そんな会話をしていたとき、俺はふとあることが気になって、ミースさんに問いかけてみることにした。


「そういえば、ミースさんっていつもギルドにいるイメージがあるんですけど……休みとかちゃんとあるんですか?」


「私ですか?ふふっ、お気遣いありがとうございます。実は30日に1回くらいのペースで休んでるんですよ。」


「「えっ!?」」


 俺とミカミさんは思わず驚愕する。


「あはは、この話をするとみんな驚くんですけど……私、小さい頃から、このお仕事を夢見てきたので全然苦じゃないんですよ。」


「で、でもちゃんと休まないと、体壊したりとかしちゃわない?」


「大丈夫ですっ!!休みの日にマッサージに行ったりして、最大限に体のリフレッシュしてますから。」


「30日分の疲れって、たった1日のリフレッシュじゃ取れない気がするけどなぁ。」


 ミースさんの衝撃的なシフトに驚いていると、彼女はこちらに依頼書がまとめられたファイルを手渡して来る。


「まま、私のことはこのぐらいにしておいて……実はヒイラギさんにお願いしたい依頼があったんです。」


「俺に……ですか?」


「はいっ、ちょうどドーナさんが依頼で出かけていってしまった後に舞い込んできた依頼でして……こちらをご覧ください。」


 パラパラとファイルを捲り、ミースさんは件の依頼のページを開いて見せてくれた。


「実はヒイラギさんが倒してくれた、人食いマンドラゴラが現れた場所に、今度はオークの一団が住み着いちゃったみたいでして……。」


「あ、だから依頼の内容が、住み着いたオークの殲滅なんですね。」


「はい、あそこは貴重なマンドラゴラの生息地ですから、オークに踏み荒らされるわけにはいかないんです。」


「なるほど……。」


 依頼の内容に目を通してみると、今回の依頼の報酬金は、討伐したオーク1体につき、金貨1枚が支払われるみたいだ。オークエリートを討伐した場合、その倍額が報酬金としてもらえる……と。


「ちなみにオークって、良く肉屋さんとかで売ってるあの食材のオークですよね?」


「はい、そうですね。あのオークです。」


「ってことは報酬金的にも、個人的にも美味しい依頼になるかもな……。良しっ。」


 俺はその依頼書にすぐに名前を書いて、依頼を受けることにした。


「これで良いですよね?」


「はいっ、ありがとうございます。今回オークは群れでいるとの事ですので、くれぐれもお気を付けてくださいね。」


「わかりました。じゃあ早速行ってきますね。」


 依頼を受けた後、俺達はギルドを飛び出して関所へと向かい、マンドラゴラの生息地方面へと向かう場所を探し始めた。


 だが、そんな都合の良い馬車は無く、今回もグレイスに頼ることになってしまった。


「……そういうわけだから、安全運転で頼むぞグレイス。」


「了解っす!!もうヒイラギさんにピッタリな速度は身につけたんで、任せてほしいっすよ〜。」


「ホントかなぁ……。」


 そして町を出たところで、俺はグレイスに跨り、以前人食いマンドラゴラが出現した、マンドラゴラの生息地へと向かうのだった。


この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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