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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
三節 他種族との交流
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第152話 マシュリオンへ

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 翌朝、みんなでギルドに赴くと、一つのテーブルでミースさんとドーナさんが何かを話し合っている姿が見えた。


 邪魔しちゃ悪いかなと思って、少しその辺をうろついていようかなと思っていると、こちらに気付いたミースさんが手を振りながら満点の笑顔で挨拶をしてくれた。


「あっ!!みなさん、おはようございます!!」


「んっ、ヒイラギ達か。おはよう。」


「おはようございますミースさん、ドーナさん。お邪魔しちゃいましたか?」


「いんや、別にそんなことは無いよ。ただ、近くのマシュリオンって町で、そろそろウォークマッシュが湧き始める時期だって話をしてたのさ。」


「あっ、でたでたウォークマッシュ。実は私達も今からそこに向かおうと思ってたんだよね~。」


「なんだい、そんなに強くもない魔物だけど、何か目的でもあんのかい?」


「いやぁ~、聞いた話じゃさ、どうにもそのウォークマッシュって美味しいらしいんだよ。だから、レベル上げがてら狩りに行こうって話になってたんだ。」


「へぇ、そういう事だったのかい。」


 ニヤリとドーナさんは笑うと、チラリとミースさんの方を向いた。


「ミース、アタシも行ってくるよ。」


「え!?ドーナさんも行っちゃうんですか?」


「どうせ急の依頼もないしねぇ。溜まってた依頼も全部終わらせちまったし、暇だったんだよ。」


 そう言ったドーナさんへと、にやにやと笑いながらミカミさんが近づいていく。


「な~に~?ドーナちゃん、柊君とデートしたいなら、そう素直に言ってくれればいいのに~。」


「そういうわけじゃないっての。勘違いもほどほどにしときなよミカミ。あんまり度が過ぎると握り潰しちまうよ?」


「わぉ、それは勘弁願いたいなぁ~。私には柊君を導くっていう重大な役目があるんだ。」


 いつもながらのミカミさんとドーナさんのからかい合いの後、俺はミースさんにミハエルさん達のことをお願いすることにした。


「ミースさん、今日もミハエルさん達に地下の施設を使わせてあげたいんですけど、良いですか?」


「もちろんもちろんっ!!全然遠慮なく使っちゃってくださいっ!!」


「ありがとうございます。じゃあミハエルさん、フレイアさん、リタ。今日もケーキ作りを頑張ってください。目標は一人一人が全ての工程をできるようになることです。」


「わかりましたヒイラギさん。」


「きっとご期待に沿ってみせます。」


「わ、わたくしも頑張りますわっ!!」


 中でも一番気合の入っているリタの肩に手を置いて、あることをお願いした。


「リタ、一応ルカのことを護衛にはつけるけど、もしルカでも手が足りないような事態が起こった時は、自分の両親を守ってあげてくれ。」


「もちろんですわ。任せてくださいまし。」


 意気込むリタに、淡々とルカが告げる。


「万が一にもそんな事態は起こりえない。だからお前はご主人様の言いつけ通り、一刻も早く一人でケーキを作れるようになることに専念するんだな。……ちなみに、私は味見役も任されている。私の舌を満足させられたら、販売してもいいことになっているからな。」


 今回ルカに護衛役をやってもらうにあたって、彼女にケーキの味見もお願いしていた。ルカは何回も俺の作ったケーキを食べているし、味見役には適役だ。


「じゃあルカ。みんなのことは任せたからな?」


「はい、お任せください。」


「よし、じゃあ早速マシュリオンに向かおうじゃないか。早いとこ行かないと、先に討伐に行ってる奴らに全部狩られちまうからねぇ。」


 そしてミハエルさん達のことをルカに任せて、俺達はドーナさんと一緒に町の関所へと向かう。その途中で、何を思い出したのか、ドーナさんがマジックバッグに手を入れて一枚の書類を取り出した。


「あ、そうだ。これ渡しとくよ。」


「これは?」


「ヒイラギが保護してるシアって獣人の子の入国許可証だよ。」


「え!?ど、どうやってこれを?」


「まっ、ちょっとしたコネがあるんだよ。そいつがあれば、その子がどこの町に入るにも使えるだろ?」


「助かりますドーナさん。ありがとうございます。」


「良いんだよ。不法入国扱いになって強制送還って流れはあまりにも酷だからねぇ。」


「感謝するよドーナちゃん。ほら、シアちゃんもドーナお姉ちゃんに、ありがとーしよ?」


「うん!!ドーナお姉ちゃんありがとう!!」


 シアの満面の笑みを見て、ドーナさんも少し嬉しそうだ。


 そんなやり取りをしつつ、関所に着き、マシュリオン行きの馬車を探していると、シアに抱かれているグレイスが声を上げた。


「馬車なんて使わずに、自分を使ってほしいっす!!ヒイラギさん!!」


「……そういえば、グレイス用の装備なんかも揃えなきゃいけなかったな。」


 何かしらグレイスに乗った時に体を固定するものとか、そういうのが無いと、本当に命懸けの空中飛行が始まってしまうからな。


 まぁでも、この前王都から帰ってくる時には、割と安全運転で空を飛んでくれたし……今回も大丈夫かな?


「わかった。それじゃあドーナさん、一旦マジックバッグの中に入ってもらえますか?」


「馬車は良いのかい?」


「今回はグレイスに空を飛んで送ってもらいます。その方が多分早く着くと思いますよ。」


「わかった。じゃ、アタシはマジックバッグの中に入っとくよ。」


 素直に聞き入れてくれたドーナさんは、俺のマジックバッグの中にスルッと入っていく。


「シアも入っててくれるか?」


「うん、わかった!!」


 それに続いて、シアもピョンと飛び込むように、マジックバッグの中に入っていった。


「さて……じゃあグレイス、安全運転で頼むぞ?」


「任せてほしいっす!!それじゃあ、えっと〜……か、()()()()()()()()()()()()()()()っす!!」


「……それ、ミカミさんに教わったのか?」


「ミカミちゃんが、今の言葉が空を飛ぶ前の決まり文句って言ってたっす。」


「あながち間違いじゃないけど、できればその文言は本当に安全な空の旅の時に聞きたかったよ。」


 チラリと俺の肩に座るミカミさんの方に視線を向けると、こちらにニッコリと満面の笑みを返してくれた。


 その後、エミルの関所を出たところで、グレイスに跨りマシュリオンへと向かって飛び立ったのだった。



この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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