第130話 オークションの資金集め
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お昼ご飯を食べた後、これからシアは日課のお勉強の時間だ。と言っても、ミカミさん曰くもう小学生で勉強するようなことは全部教えたらしいし、人間の言葉の読み書きも何の問題もないらしい。だから今日は今までのことの軽い復習として、ミカミさんが作った問題を解くだけにしたようだ。
「それじゃあ、ルカ、グレイス。シアのことをちゃんと見ててくれ。」
「かしこまりました。」
「了解っす~!!」
「シアもその問題全部解き終わったら、ここにドーナツとプリンを置いておくから、おやつに食べていいからな?」
「うんっ!!お勉強頑張っておやつも食べるの!!」
「自分も食べていいっすか?」
「グレイスとルカの分はちゃんと別で用意してあるよ。おやつの時間にみんなで食べてくれ。さてと、それじゃあ俺達はまたちょっと出かけてくるからな。」
「行ってらっしゃ~い!!」
シア達に見送られて、俺とミカミさんそしてリタの3人でまた外へと駆り出した。目的はもちろん他のカジノへと行って、オークションの資金を増やすためだ。
「いやぁ~、ヘールメース君……まさか白金貨を入れてた袋にこんなものまで入れてるとはね。」
ミカミさんがマジックバッグから取り出したのは、昨日言ったカジノとは別のカジノで使えるVIP優待券。
「どうしてここまで良くしてくれるんですかね?」
「あっはっは、そんなの決まってるだろう柊君。同系列のお店ならヘールメース君の運営するカジノ以外は競合店。いわば、客足を分散させてしまう邪魔者ってわけさ。」
「……それってもしかして、遠回しに他の店を潰してくれって言われてるってことですか?」
「ま、そういう事だろうねぇ~。きっと柊君の豪運ならできるって、ヘールメース君は思ったんだと思うよ。」
「そんなに運が良い自覚はないんですけど……。」
「ステータス画面をみてみれば一目瞭然だと思うよ。」
ミカミさんに言われた通り、久しぶりにステータスを開いてみると、運のステータスがMAXになっていることに気がついた。
「え?これ、最初からMAXって書いてありましたっけ?」
「最初ステータスを開いた時は、混乱してたってのもあるだろうし、主にスキルの方を重点的に説明したからね〜。覚えてないのも無理ないな〜い。」
「……でも、これだけ何でMAXなんですかね?」
「それは付属加護の欄を見れば分かると思うよ〜。」
付属加護のところを見てみると、そこには女神イリスの加護と書いてある。それを見て、俺はこの世界に転生する直前の出来事を思い出した。
「あ、これがイリスさんの……。」
「その通り。詳しい内容は書いてないけど〜、柊君の運のステータスが明らかに異常なのは、恐らくそれの影響だと思うよ。」
「なるほど……。」
「私の予想だと、多分効果はそれだけじゃないと思うけどね。」
ミカミさんがそう呟いたと同時に、俺達はこの王都の中にあるもう一つのカジノの目の前へとやってきていた。
「さ、ここだね。」
「ここは別に合言葉とか、そういうのを確認するのは無いんですね。」
このカジノは地下にあるわけでもなく、堂々と地上に聳え立っていて、一般の客も普通に出入りしているようだった。
「さて、じゃあ早速入ってみようか。」
「はい、ミカミさん。」
「きょ、今日も絶対お金を増やしてみせますわっ!!」
そう意気込んだリタと共にカジノの中に入ると、まず見えたのは、大量に設置されたスロットの台。
「おぉ〜、なるほどね。このカジノはスロットがメインコンテンツなのかな。」
「向こうに一応ルーレットとかの台はありますけど、そんなに多くはないですね。」
「ま、物は試し……せっかく売りにしてるなら、スロットで遊んでみるかい?」
「そうですね。」
「わたくしは、ルーレットをやってきますわ。」
「ほどほどにな。」
そしてリタと別れ、俺は空いていたスロットの台に座る。
「えっと……ここに金貨を入れればいいのかな?」
金貨を1枚入れると、3つ並んだスロットの絵柄が回り始めた。
「後は1番倍率が高い大当たりの☆の絵柄を3つ1列に揃えるだけだね。」
「目押しで良いんですかね?」
「多分それで大丈夫だと思うよ。」
良く絵柄を見ながらボタンを押すと、1列目の絵柄はピタリと☆の絵柄で止まった。それと同時に、俺はある異変に気がついた。
「あれ、2列目と3列目の絵柄が回る速度が速くなってる。」
そう、1列目のボタンを押した途端に、露骨に他の列の絵柄が回る速度が上がったのだ。
「なるほどね。こうやって、なかなか絵柄が揃わないようにしてるんだ。」
「こ、これ……けっこう難しいですよミカミさん。」
またまた良〜く見て、回る絵柄を見極めて☆の絵柄が中央に来たところでボタンを押した。
「おっ、2個目も揃ったね。」
「さ、最後の列の絵柄がもう見えない位の速度で回ってるんですけど……。こんなの目押しは無理ですよ。」
「こういう時にこそ、運をフルに発揮するときだよ柊君。大丈夫、結果はキミの望むとおりになってくれるさ。」
ミカミさんの言葉を信じて、最後のボタンを押すと、まるで絵柄が滑ったように☆の絵柄が横一列に揃い、排出口から大量の金貨がジャラジャラと排出されてきた。
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