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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
二節 陰謀渦巻くオークション
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第129話 ボロネーゼとペスカトーレ

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 出来上がった2種類のパスタを手に、みんなが待っているテーブルの方へと向かうと、待ちきれなかったのかシアとグレイスの2人がこちらに駆け寄ってきた。


「ごは~ん!!お魚さん!?」


「あぁ、要望通りお魚で料理を作ったよ。」


「やったーーーっ!!」


 両手を上に挙げて、テーブルの方へと駆けていったシアを眺めていると、グレイスがおずおずと問いかけてきた。


「お、お肉はあるっすか?」


「もちろん肉を使った料理も用意したぞ。みんなそれぞれ要望に合った料理を食べられるように、今日は作ったんだ。」


「流石ヒイラギさんっ、最高っす!!」


「せっかくみんなに要望を聞いたからな。それに応えるのは当然だ。」


 そしてみんなで囲んでいるテーブルの上に出来上がったボロネーゼとペスカトーレを並べると、リタがパスタと俺の顔を交互に見ながらある質問を投げかけてきた。


「また見たことのない料理ですわ……こ、コレは何という名前の料理なんですの?」


「お肉の要望があった人のやつはボロネーゼ。魚の方はペスカトーレっていうパスタを使った料理だな。」


「パスタ……というのはこの平たい紐みたいな形状のやつですわね?」


「その通り、普段の主食はパンだっただろうから、けっこう新鮮な感覚を味わえると思うぞ。」


 そして配膳を終えた後、席について手を合わせるとそれに合わせてみんなも手を合わせた。


「いただきます。」


「「「いただきま〜す!!」」」


「い、いただきます……。」


 いつものルーティーンと化している食前の挨拶をリタも真似て、食べようとするが……パスタの食べ方を知らない面々は、俺とミカミさんの出方を伺っていた。


「柊く〜ん、食べさせてちょ〜だい?」


「わかりました。」


 ペスカトーレに使った、モノホーンフィッシュとミスリルシュリンプをフォークで刺して、パスタをフォークでくるくると絡めてミカミさんに差し出した。


「はいどうぞ。」


「ありがと〜。あ〜…………むっ!!」


 大きく口を開けて、フォークに巻き付いていたパスタを全部口の中に頬張ったミカミさんは、何度も頷きながらゆっくりと味わいながら咀嚼し、飲み込んだ。


「ふはぁ〜……魚介の旨味にマトマが合うね〜。パスタも生パスタだからもっちもちだし、食べ応えも抜群。」


「ありがとうございます。」


 さっき俺がやっていた、パスタをフォークでくるくると絡め取るやり方を見て覚えたらしく、みんな少し慣れない手つきながらも、各々のパスタを頬張り始めた。


「お魚さんもエビさんもイカさんも、ぜ〜んぶ美味しいっ!!」


「お、美味しい以外の言葉が見つかりませんわ……。」


「ご主人様、今度は肉の方のおかわりを所望いたします。」


 シアとルカだけじゃなく、他の人よりも多少舌が肥えている自信のあるリタも、夢中になってパスタを頬張っていた。

 みんな夢中になっているせいで、口元がマトマのソースで汚れてることに気づいてないな……。大人達は自分で拭けるだろうから、シアの口周りは俺が拭いてあげよう。


 そうして、マトマソースで口の周りを汚してしまっているシアの口周りを拭きながら、ミカミさんにパスタを食べさせていると、グレイスがこちらにお皿を持って飛んできた。


「ヒイラギさん、自分上手くこのフォーク使えないっす。だからミカミちゃんみたいに食べさせてほしいっす!!」


「すまない、配慮が足りなかったな。」


 手が足りないので、触手召喚スキルで触手を召喚する。生えてきた触手でフォークをくるりと掴み、それでパスタを巻いてグレイスの口元に近づけた。


「ほい、食べて良いぞ。」


「か、感謝するっす!!」


 ミカミさんにパスタを食べさせる作業と、シアの口元を拭く作業……そしてグレイスに食べさせる作業の3つを触手によって行うことで、ようやく俺も自分のパスタを食べられる。


「んっ、粗挽きの肉だからしっかりと肉の味を感じるな。長時間煮込んだわけじゃないのに、肉も柔らかく仕上がってる。」


 この粗挽き肉とマトマのソースに平打ちのパスタが良く絡む……。味わって食べていると、猛スピードで食べ終えてしまったルカとリタの2人がおかわりをお願いしてきた。


「ご主人様、おかわりを所望します。」


「ん、ルカは別な方をおかわりでいいんだよな?」


 その質問にルカは何度も頷いた。


「リタはどうする?」


「わ、わたくしも違う方を食べてみたいですわ。」


「わかった。ちょっと待っててくれ。」


 早速おかわりの準備に入ろうとすると、ミカミさんが苦笑いしながら口を開いた。


「手だけじゃなくて、体ももう一つ欲しいね柊君。」


「あはは、間違い無いですね。」


 触手召喚のスキルで手は増やせるようなものだから、もしかすると体をもう一つ作り出す……みたいなスキルや魔法があってもおかしくはないよな。


 想像魔法を使えばできないことはないだろうけど、でもなんか自分が2人になるって、ちょっと複雑な気持ちになりそうだから、試すようなことはしないでおこう。


 今の日常みたいに、少し忙しいのも嫌いじゃないしな。


 

この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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