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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
二節 陰謀渦巻くオークション
122/303

第122話 王都到着

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 王都の近くに着いたところで、マジックバッグに入っているシア達にも出てきてもらい、みんなで関所の長い列の最後尾に並んだ。


「いやはや、流石は王都って感じ。関所での身分確認も厳重…………あ、待って。ちょっと不味いかも?」


「どうしました?」


「シアちゃんってさ、入国許可証持ってないよね?今までの町は、警備が割とガバガバだったからシアちゃんも入れてたけど……ここはちょっと不味いかも。」


 うむむむ……とミカミさんが唸りながらどうするか考えていると、ハッと何かを思いつき、どこからともなくあの分厚い辞書のようなものを取り出して、パラパラとページを捲っていく。


「えっと、入国許可証……あった!!柊君、魔法でコレを複製してくれないかな?」


「なるほど……そういう事ですか。」


「複製する時、シアちゃんの名前とかそういうのもしっかりイメージしてね。」


「わかりました。やってみます。」


 ミカミさんが見せてくれた入国許可証の見本を頼りに、想像魔法で入国許可証を複製していく。そして出来上がったものをミカミさんに手渡した。


「こんな感じで良いですかね?」


「どれどれ〜?」


 魔法で作り上げた入国許可証を、見本のものと見比べたミカミさんは大きく頷いた。


「うん、大丈夫だと思うよ。判子の形もバッチリだしね。」


 それから10分ほど待って、俺達の番が回ってきた時、先程作ったばかりのシアの入国許可証を差し出してみると……。


「……よし、通って良いぞ。」


「ありがとうございます。」


 驚くことに、一切疑われることなく通ることができた。ちなみにグレイスも首輪を見せることで、王都に入る許可を得ることができた。


 関所から少し歩いたところで、俺の方を見てミカミさんがニコリと笑みを浮かべた。


「大丈夫だったね柊君。」


「けっこうドキドキしましたよ。」


「バレたらちょっと不味かったもんね。さてさて、何とか無事に入れたことだし、ちょっとオークション会場の視察でも行こっか。」


「それも行きたいところですけど、どこか宿を取りたいですね。これだけ人が多いと……夜になったら部屋が埋まっちゃいそうで。」


「確かに、じゃあ先に宿から見つけよう。」


 王都の人混みに揉まれながら宿を探し始めるが、少し安い宿は大半が満室で泊まることができなかった。


 仕方なく、外観から高級感の漂うホテルのような宿に足を運ぶと、幸いなことにまだ空きがあったらしく、3部屋確保することができた。値段は1泊金貨5枚とかなりお高めだが、その分設備や施設も充実していて、一部屋一部屋に今回は浴槽がついているので、お風呂にどっぷりと浸かることができる。


 一先ず借りた部屋に入って内装を確認していると、俺と手を繋いでいたシアが大きなあくびをした。

 

「今日はけっこう歩いたから、疲れちゃったか?」


「うん……。」


「じゃあシアちゃんのことは、ルカちゃんとグレイスちゃんに任せて、私達はオークション会場の下見に行ってこようか。」


「ですね。グレイス、シアのことをたのんだぞ?」


「了解っす!!」


 体が沈み込むような、ふっかふかの大きなベッドでシアを寝かしつけた後、俺とミカミさんは外に出た。すると、ちょうど部屋から出てきたルカとリタと出くわした。


「ルカ、シアが寝ちゃったから、面倒を見てやってくれ。」


「かしこまりました。」


「リタちゃんは、私達とオークション会場を下見に行こ?」


「わかりましたわ。」


 そして俺とミカミさん、リタの3人でオークションが開かれるという場所の下見へと向かった。


「うひゃ~、この王都に来たときから思ってはいたけど、とんでもない人の数だね。」


「まるで東京みたいです。」


()()()()()?どこかの地名ですの?」


「東の方に昔あった都市の名前さ〜、そこもすごく人の往来が激しい場所だったんだ。」


「そうなんですのね……あ、そ、そういえばお礼を言うのを忘れていましたわ。私の宿までとってくれて感謝いたしますわ。」


「良いってことさ〜。これも初期投資ってやつだよ。」


 そんな会話をしながら、地図を手にオークション会場を目指していると、どんどん人気のない路地の方へと歩いていくことになる。

 地図に記されていたオークション会場の場所にたどり着くと、そこには地下へと続く階段がポツンと設置されていた。


「この下がオークション会場なんですかね?」


「恐らくね。えっと〜、合言葉は()()()()()()()()()()()()()()。だったよね?」


「ですね。」


 階段を下っていくと、その先には扉が一つだけあった。その扉をノックすると、扉に設置された覗き窓が開き、奥に2つの目が見えた。


「…………合言葉。」


「ゴミの中にも光るものありけり〜。」


 ミカミさんが合言葉を口にすると、覗き窓からこちらを見ていた人物によって、その扉が開かれる。


「入っていい。問題は起こさないように。」


「はいは〜い、ありがと〜。」


 扉の中に入ると、まず目の前に飛び込んできたのは、人々の歓喜の声と悲痛な声で賑わう巨大なカジノだった。



この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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