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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
二節 陰謀渦巻くオークション
115/305

第115話 闘志を燃やすドーナと目論むミカミ

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 朝食を食べ終えた後、俺とミカミさんはギルドへと足を運んだ。他のみんなは、出発準備を整えてもらっている。


 早速ギルドの中に入ると、昨日営業をした場所にミースさんが机と椅子を用意して、俺たちの到着を待っていた。


「おはようございますミースさん。」


「ミースちゃんおはよ〜!!」


「あ、ヒイラギさんにミカミさん。おはようございます!!」


「まだ受け取りに来た人はいないみたいですね。」


「受け取り時間を一応10時からにしてましたので、皆さんそのぐらいの時間に来ると思いますよ。」


「なるほどです。じゃあ、これをお願いします。」


 俺はマジックバッグから箱詰めしたケーキをどんどん取り出して、ミースさんに手渡していく。


「わっ……こ、こうして見るとすっごい量ですね。」


「68個だからね〜、ホント作るのは大変だったよ。」


「それなら従業員を雇ったらどうでしょうか?一応ギルドからも人員は派遣できますよ?」


「それは今考えてる最中なんだよね〜。万が一本当に人手が足りないって思ったら、ミースちゃんに声掛けるよ。」


「はいっ!!いつでもお声がけください。」


 そしてミースさんは予約注文のリストを確認しながら、ケーキの数を数えていき、すべて数え終わった後大きく頷いた。


「68個、確かに受け取りました。後はお任せくださいっ!!」


「よろしくお願いします。」


「お願いねミースちゃん。」


 ミースさんに後のことをお願いした後、キョロキョロと辺りを見渡してみるが、今日はドーナさんの姿がない。それが少し気になって、ミースさんに聞いてみることにした。


「今日はドーナさんは居ないんですか?」


「あ、ドーナさんなら先ほど討伐依頼を受けて、現地に向かいました。」


「そうなんですね。」


「ふふっ、ドーナさんは、どうしてもヒュマノファイトで優勝したいみたいですよ。ヒイラギさんも出場するんですよね?」


「あはは……ま、まぁそうですね。」


「決勝戦でドーナさんとヒイラギさんが戦うのを、私すっごく楽しみにしてますから、頑張ってくださいね!!」


「ね〜、今からヒュマノファイトの決勝戦が楽しみで仕方がないよぉ〜。」


 嬉々としながら話すミースさんに、ミカミさんは相槌を打った。


「なんでもドーナちゃんが惚れるのは、自分よりも強い男の人だけって言ってたからね〜。」


 ドーナさんと初めて出会った時に、彼女がミカミさんに向けていった言葉をずっと覚えていたらしく、ミカミさんはニヤリと笑う。


「ヒュマノファイトで柊君がドーナちゃんを打ち負かした時に、ドーナちゃんがどんな反応をするのか……そして、その後から柊君に対してどういう風に対応が変わるのか……今から楽しみで仕方がないよ。」


 どす黒い雰囲気を醸し出しているミカミさんを見て、思わずミースさんも軽く引いてしまっている。


「ま、まぁまぁ……とにかくヒュマノファイトまで頑張って実力をつけてきます。」


「は、はいっ、期待してますね!!」


「あ、それから次の予約注文は、7日後の朝で予約を締め切ってもらって、締め切った翌日にまた届けに来ますね。」


「わかりました。商品の受け渡しは8日後で締め切りは7日後の朝までですね。」


「はい、お願いします。」


 次の予約注文のこともミースさんにお願いしてから、俺とミカミさんはギルドを後にして、みんなと待ち合わせている町の関所へと足を運ぶ。


「ミカミさん、そろそろこれから何をするのか教えてもらっても良いですか?」


「ん〜、そうだね。あんまり勿体ぶってもあれだし……教えてあげようか。」


 ミカミさんは胸ポケットから飛び出して俺の肩に飛び乗ると、これから行う事について話してくれた。


「これから私達は、アサシンギルドの本部に殴り込みに行くんだ。」


「…………ルカがあんなに驚いていた理由がわかりましたよ。」


「あっはっは、あの顔は最高だったね。まさに度肝を抜かれたって感じの表情だった。」


「でも、何の為にアサシンギルドに殴り込みになんて……。」


「それはもちろん第一は私達のためさ。アサシンギルドっていう存在が、この世にあり続ける限り、私達を狙う者は後を絶たないだろう?ルカちゃんも面倒だろうから、この際存在ごと叩き潰してしまおうってわけさ。」


「そ、そんな簡単にできますかね?」


「大丈夫さ、私が思うにルカちゃんほど強い輩は、もうアサシンギルドには残ってない。唯一可能性があるとしても、アサシンギルドの長って人ぐらいじゃないかな?ま、そいつだってただの守銭奴に変わりはないよ。負ける要素なんて何一つ無いっ!!」


「ハッキリ言いますねホント……で、その後はどうするんです?」


「その後は、たんまりとお金を貯め込んでるアサシンギルドの重役達から、迷惑料を回収するのさ。」


「まぁ、ルカの話を聞いてる限り、めちゃくちゃお金を貯め込んではいそうですけど……そう簡単に回収できますかね。」


「するんだよ。どんな手段を使ってでもね……ふふふ。」


 この時のミカミさんの笑みには、文字通り悪魔が取り憑いていたように見えるほど、凶悪なものだった。


 

この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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