表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
第一章 新たな生と異なる世界~ヒュマノ編~ 一節 職業魔物ハンター
108/307

第108話 ミルタとの取引

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 片付けを終わらせ、予約注文の処理をミースさんに引き継いだ後、俺とミカミさんはドーナさんとミルタさんと1つのテーブルを囲んだ。


「先ほどは忙しそうでしたので、改めて自己紹介を……。」


 ミルタさんはまた自己紹介を始めるとと同時に、俺とミカミさんに名刺のようなものを手渡してきた。


「御二方にはこちらをお渡ししておきますぞ。」


「これは……名刺?」


「私がお客様とお認めした方にお渡ししている名刺です。どこかに保管して頂ければと。」


「ありがとうございます。」


 名刺はひとまずマジックバッグの中に入れておいた。


「さて、では早速……商談のお話ですが、御二方は獣人族の国の食材を探しているというお話でお間違いはないですかな?」


「はい、間違いないです。」


 その問いかけに頷くと、ミルタさんも深く頷いて、こちらに色々な文字が書かれた紙を手渡してきた。


「その情報を元に、私の商会で現在保管しているものをリストアップしておきました。どうぞご確認ください。」


「ありがとうございます。」


 ミカミさんと一緒にそのリストに目を通していくと、お米と思わしき物の名前を発見した。


「ホワイトライス……コレがお米で間違いないね柊君。」


「ですね。ミルタさん、このホワイトライスの在庫って後どのぐらいあります?」


「ホワイトライスの在庫は……現在保管している量は約100kgですな。」


「ちなみにキロ単価いくらなの〜?」


「ホワイトライスは、やはり我々人間にとっては馴染みのない食材で、なかなか買い手もつかなく、当商会も困り果てていたところでした。ですので……在庫一掃価格ということで、1kg銀貨3枚で如何でしょうか?」


「1kg銀貨3枚……か。ねぇねぇ、ミルタくん。1つ提案があるんだけど。」


「何でしょう?」


「その100kgのホワイトライス全部買うから、もうちょっと安くできない?」


 ミカミさんの提案を聞いたミルタさんは、まるで予想していたかのようにニコリと笑うと、俺達が目を通していたリストのホワイトライスの横に、サラサラとまたペンで何かを書き込んでいく。


「その提案はこちらとしても願ったり叶ったりでございますので、本来100kgで金貨3枚のところ……金貨2枚でどうでしょうか?」


「えっ、そんなに安くしてもらって良いんですか?」


「はい、買い手のつかないものをいつまでも保管しておくほうが、費用がかかってしまいますから。」


 そう言いながら、ミルタさんは新たに書類を作っていく。


「はい、では今回の取引に応じていただけるのでしたら、こちらにサインをお願いします。」


「良いよね?柊君?」


「はい、買いましょうミカミさん。」


 そして俺は、ミルタさんが作ってくれたその書類にサインをして、マジックバッグから金貨を2枚取り出して彼に手渡した。


「金貨2枚、確かに頂きました。お買い上げありがとうございます。」


「こちらこそ、ありがとうございます。」


「こちらの商品は、後ほどギルドにお届けすればよろしいですかな?」


「そうですね、お願いします。」


「かしこまりました。では……早速社員に用意させましょう。」


 ミルタさんは、ガラケーのような機械を操作してすぐにパタンと閉じる。すると、俺がそれを見つめていることに気が付き、それが何なのか教えてくれた。


「こちらは遠距離との通信を可能にする魔道具です。と言っても会話などができるわけではなく、特定の情報を送れるだけですが……。私の商会では愛用しているのですよ。」


「なるほど、そんなものもあるんですね。」


「多少値は張りますが、王都の魔道具屋で購入できますよ。」


「ヒイラギ、ミルタの言う多少は多少じゃないから、あんま信用しないほうがいいよ。」


「ははは、これはなかなか辛辣ですなぁドーナさん。」


「事実だろ?」


 苦笑いしたミルタさんは、またこちらに目を向けると、他にも欲しいものはないかと問いかけてきた。


「何か他にも欲しいものなどはありますかな?」


「う〜ん、またちょっと目を通してみますね。」


 ミカミさんと一緒に、ミルタさんがリストアップしてくれた商品を吟味していく。


 商品名だけを見てもどんなものなのか分からなかったから、それはミカミさんが例の分厚い辞書のようなものを取り出して説明してくれた。


「ミカミさん、これは?」


「え〜っとそれは……砂糖芋?甘くて美味しいお芋みたいだね。」


「さつまいもみたいな感じですかね。」


「そういう認識で間違いないと思うよ。調べてみたところ、それを原料にしたお酒もあるみたい。」


「それはそれで気になりますね。」


 ミカミさんとそう話していると、ミルタさんが少し残念そうな表情で口を開いた。


「実はそのお酒も、獣人族の国内部での次期国王争いが無ければ、今頃入荷があったはずなのですが……。」


「そうなんですか……。」


 ということはそのお酒を手に入れるには、獣人族の国に行くしかない……ってことか。そのためにはヒュマノファイトで頑張って勝たないとだな。


 その後、ミルタさんから砂糖芋もお試しで1kg購入し、今回はひとまず取引を終えたのだった。



この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ