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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
第一章 新たな生と異なる世界~ヒュマノ編~ 一節 職業魔物ハンター
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第103話 シアの成長

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 宿に帰ったあと、キッチンをフルに活用して、せっせと明日の営業の仕込みを進めていると、今日の分の勉強を終えたらしいシアが踏み台に登って作業を隣で眺めにやって来た。


「うぅ〜ケーキ美味しそう……。」


「今日の分の勉強は終わった?」


「うん!!ミカミお姉ちゃんの問題にも全部答えれたよ!!」


 嬉しそうに言ったシアの頭の上に、飛んできたミカミさんが座ると、誇らしげに口を開いた。


「いや〜、子供ってやっぱりすごいよ柊君。教えたことはす〜ぐモノにしちゃう。算数も掛け算と割り算が出来るようになったもんねシアちゃん?」


「うん!!」


「え、もう掛け算とか教えてるんですか?めちゃくちゃ進んでますね。」


「そりゃあ、私の教え方が良いからねっ。ふふ〜ん。それに、1回出来るようになった物を何回も何回も復習させてたら、つまんないでしょ?だから、原理とか理屈とかを、シアちゃんがきっちり理解したと思ったら、次に進んでるのさ。」


「なるほど……。」


「その証拠に〜……シアちゃん、18+5は?」


「23!!」


「正解〜、じゃあ100−75は?」


「25!!」


 ミカミさんから出された問題に、シアは特に何か紙に書いて計算するわけでもなく、暗算でポンポンと即答していく。


「今度は掛け算っ、23×25は?」


「え、ミカミさんそれは……。」


 流石に二桁どうしの掛け算は流石に難しいんじゃないかと思っていたが、そんな俺の心配を他所に、シアはポンッとまたしても暗算で完璧な答えを導き出した。


「575っ!!」


「すご……これ、合ってますよね?」


「うん、バッチリ正解。ねっ?シアちゃんすごいでしょ?」


 シアの頭をわっしゃわっしゃと撫でながら、誇らしげにミカミさんは俺に視線を向けてきた、


「めちゃくちゃすごいですよ。大人の俺でも、二桁どうしの掛け算をポンッて出題されたら、一瞬戸惑いますもん。」


「あっはっは、それはきっと忘れてるだけだよ。良かったら柊君も一緒に勉強する?」


「けっこう前向きに考えておきます。」


 そう話しながら、俺はまた5つケーキを作り終えた後、形が崩れないように丁寧に箱にしまってマジックバッグの中に入れていった。


「ふぅ、これでひとまず30個……。」


 続きは今焼いてるスポンジが焼き上がってからだ。


「さてと……1回休憩にしましょっか。」


 チラリと時計を見ると時間は3時。ちょうどおやつ時だ。


「よし、みんなおやつにしよう。」


 そう声をかけると、みんな一斉にテーブルを囲んで座り込んだ。1つずつ、みんなの前にお皿を並べた後、テーブルの中心に型に入った1つのケーキを置いた。


「今日のおやつはコレだ。」


「ケーキっ!!あれ……これ、ケーキ?」


「昨日食べたケーキと違うっすね。」


 昨日試食したケーキとはまた違った見た目に、シア達は首を傾げていた。まぁ、それもそのはずで、今日のおやつに作ったケーキは、フルーツケーキじゃない。今回はレアチーズケーキを作ったんだ。


 特に凝った盛り付けをするわけてもなく、ただシンプルなレアチーズケーキにしたから、見た目がちょっと殺風景だけど……その殺風景さは、これから変えられる。


「このケーキは、レアチーズケーキっていう名前のケーキなんだ。昨日食べたケーキは、ふわっとしたスポンジと甘い生クリーム……そしてフルーツの甘酸っぱさが美味しいケーキだったけど、今日のは濃厚でモッチリとした味わいが特徴のケーキだな。」


 そう説明しながら、俺はレアチーズケーキを型から外す。すると、ミカミさんがあることに気が付いた。


「あ、そのレアチーズケーキの下のクッキー生地のところ……もしかして昨日買ってきたクッキーを使ってる?」


「正解です。自分でクッキーを焼いてもよかったんですけど、ちょっと今日はオーブンに余裕がなかったので……。」


「まぁまぁ、仕込みの関係上仕方ないよね。でも、あのクッキーも美味しいクッキーには違いはないからね。」


「もちろんです。クッキーに使われていたジャムも、レアチーズケーキの良いアクセントになってくれると思います。」


 昨日のような争奪戦が起きないように、今日は慎重にレアチーズケーキを5等分に切り分けた。


「あとは、好みでこのベリリって果物で作ったジャムをかけて食べましょう。」


 ベリリっていうこの果物は、バーバラさんから購入したエルフの国の果物で、イチゴがまるでブドウのように房になって実っている。

 味は木苺のように爽やかに酸っぱいながらも、しっかりと甘さを感じられる。バーバラさん曰く、ジャムにすると絶品と言っていたので、先ほど片手間で作っておいたのだ。


「柊君、私にはそれをたっぷり頼むよ〜。」


 ミカミさんが自分のレアチーズケーキの乗ったお皿を持って、こちらに飛んできた。


「ストップって言ってくださいね。」


 スプーンでべリリのジャムをミカミさんのレアチーズケーキにかけていくと、純白のレアチーズケーキが真っ赤なジャムで彩られていく……。


 それを見ていたシア達は、キラキラと目を輝かせている。


「はいストップ。十分だよ〜。」


「さ、次欲しい人は?」


「シアもジャムいっぱい欲しい!!」


「自分もお願いしたいっす〜!!」


「ご主人様、私の分もお願いします。」


「はいはいっ。」


 みんなのレアチーズケーキにもたっぷりとべリリジャムをかけたあと、俺も自分のレアチーズケーキにジャムをかけて、手を合わせた。


「それじゃいただきます。」


「「「いただきま〜す!!」」」


 レアチーズケーキは好き嫌いが分かれやすいお菓子だから、これが苦手な人もいるかも知れないと少し不安だったが、そんな不安は数秒後みんなのお皿からレアチーズケーキが消えている光景を見て、払拭された。



この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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