調査レポート2:主犯エドルスの略歴、及び人物像について
よろしくお願いします。
⚫️エドリス ファリカ
魔法の名門貴族のファリカ家の四男として産まれる。
※公的な記録にはないが彼はファリカ家の正式な子供ではない。当時のファリカ家当主と、当主の妻の姉の子供である。周囲には公然の秘密だったようだ。
⚫️ファリカ家内での地位は低く、幼少期はファリカが作成したホムンクルス達に世話をされている。
※ファリカ製のホムンクルスには基本的な感情は搭載されておらず、自動人形とほぼ変わらない。まともな情操教育が行われていたかは疑問である。
⚫️8歳の頃に家族と過ごすようになる。兄や父に暴力を振るわれていたと、使用人の証言が幾つもある。
幼少期から魔法の才能は際立っており、既に当主の技量すら凌駕していたそうだ。
同時に魔法実験の強行、ホムンクルスの改造、自傷行為など、倫理から逸脱した行動が見られるようになる。
⚫️14歳の頃から実地訓練に参加。そのまま魔物掃討などの戦闘にも加わる。
⚫️15歳の時、王国特殊部隊『黒衣の団』に所属。
黒衣の団の記録はほとんど残っていない。が、私はツテを使って昔の資料を集めることができた。残された情報で以下のことが分かった。
・構成員の多くは罪人だった。
・危険な任務が多く、常に死と隣り合わせだった。
・捕虜の尋問、要人の暗殺任務など、王国騎士団ではできない、汚れ仕事も請け負っていた。
エドルスは20歳の頃に王宮の宮廷魔術師に就任することになる。それまでは黒衣の団に所属していたものと思われる。
この部隊での経験が、彼の思想を形作ったのではないか、と予測される。
⚫️エドルスが20歳の頃に彼の父が死亡。事件性はなし。また兄は隠居し、次男が家督を継ぐ。
⚫️22歳までは宮廷魔術師として過ごす。
魔術学校で教鞭を取ることもあったようだ。
⚫️23歳のころ。王国が管理するホムンクルス100体を破壊する。理由は不明。
これが原因で宮廷魔術師を解雇。
⚫️そして暫くの間、王都にて『イディラ教』を否定する演説を行う姿が目撃されている。
⚫️24歳の時に王宮襲撃。仲間と共に英雄アルカをはじめとして多くの人間を殺害するに至る。
⚫️現在は行方不明。エドルスを探すには、エドルスが彼自身と彼の仲間達にかけた『痕跡隠蔽』魔術を解く必要がある。
時間はかかるが、必ず解除できるだろう。
次回は6話の続きからです。