表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/34

第12話 旅行しよう

本編です。

場面展開に◇いれてみました。

いいね、ブックマークありがとうございました。


 

 秋が過ぎ肌寒くなってきた季節。

 俺とレノンは馬車に揺られていた。

 レノンは物珍しそうに窓からの景色を眺めている。


「いやー。天気も良いですし、格好のお出かけ日和ですね。マスター」


「そうだなー」


 俺はというと馬車に揺られていたせいか眠くなっていた。開けた窓から差し込む風と陽の光や、馬車の揺れや、木や土の匂いのせいだ。

 どうしても気が緩む。

 

「おっと。見えてきましたよ」


 レノンの言葉につられて、俺も窓から顔を出す。

 目的の街が見えてきた。

 新興都市フリューネ。

 

 俺達は旅行に来ていた。


 ◇


 新興都市フリューネ。

 10年以上前は、モンスターが大量に跋扈し、更にモンスターによって発生する毒ガスのせいで人が住めた場所ではなかった。

 しかし王国騎士団の懸命な活動によりモンスターを一掃。

 土地の浄化も完了。

 更には豊富な資源もわいてきた。

 ついでに温泉も出た。

 街が出てみるみる内に発展していった。

 更には最近『ダンジョン』まで誕生して、冒険者達が街に集い、金を落とす。

今、これ以上ないくらいノリに乗っている街である。


 そんな街に俺達はやってきた。

 街を散策し、レジャー施設で汗を流し、名物料理を味わう。

 夜は旅館に泊まった。最近来た別世界の転生者が創った、『ニホンフウ』の宿屋というやつだ。

 木で造った建物で、全体的に……なんというか……落ち着く感じだった。

 温泉に入った後、俺達は部屋で休むことにした。『ユカタ』という寝間着に身を包む。悪くない着心地だった。

 同じくユカタに着替えたレノンは、床にぐでーっと寝そべっている。


「いや~。ゆっくり出来ましたね~。温泉とか最高でしたね」


「本当それな。あんな良いものがあったとは。街も10年前とは比べられないほど発展していたし」


「ん。マスターは前にも来たことがあるんですか?」


「あるぞ。王国の任務でな」


 俺は以前、王国の特殊部隊〈黒衣の団〉に所属していた。ほとんどが罪人で構成され、贖罪として危険な任務に携わる部隊。


「俺達も頑張ってモンスター退治に勤しんだもんだ」


「なるほど。じゃあ、昔を懐かしむために、今回の旅行を?」


「それもあるけどな。他にも理由が……つーか説明していなかったな」


 旅行に行く理由をレノンに説明していなかった。「旅行行こうぜ」と誘ったら「オーケーです」と即答だったからだ。


 俺は鞄から一枚の手紙を取り出す。


「昔の仲間に招待されたんだ。見せたいものがある、と」


「そのお仲間さんはどんな人で?」


「一緒に王国に乗り込んでくれた仲間」


「つまりはマスターの犯罪友達ですか」


 身も蓋もない言い方だが、その通りだ。

 差出人の名前はドーリス。

 一緒に王国を襲って、王国騎士団を殺した仲間の内の一人。

 仲間で生き延びたのは俺とドーリス、そして後一人だけ。

 俺は『痕跡隠蔽』魔術を俺達3人にしかけ、捕まるまでの猶予をつくった。

 そして俺達はバラバラに別れた。今まで連絡も取っていなかった。

 ただ『痕跡隠蔽』魔術には例外も仕掛けておいた。俺たち3人の中だけ例外として、お互いの居場所を『追跡』魔術で簡単に知ることができるようにした。

 ドーリスも『追跡』魔術を使って、俺たちの居場所を探して手紙を出したのだろう。


「残された時間はもう少ないだろうからな。やりたいことはやっておきたい」


 俺が施した『痕跡隠蔽』魔術もあと少しで解かれるだろう。

 王国が総力を挙げて俺を捕まえに来たら、おそらく勝てはしない。

 

 残された時間を悔いのないように使いたい。

 ……と思ったがやりたいことは特になかった。

 そんな時にドーリスからの手紙が来た。しかも指定された場所はフリューネ。〈黒衣の団〉、かつての仲間と共に戦い、かつての仲間が死んでいった場所でもある。

 思い出に浸ってみるのも、悪くないと思ったのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ