幕間2 エドルスを捕まえる方法
前回からの続きです。文字数が少ないです。申し訳ない。
リザは話を切り替えることにした。
「――転生魔術の件は一度おいておきましょう。まずはエドルスを捕まえることが先決よ」
オルトも頷く。
「その通り。対象の居場所を探る『追跡』魔術。騎士団の魔術師部隊がこれを使ってエドルスの居場所を探していますが、エドルスの『痕跡隠蔽』魔術によって、追跡魔術が遮られている状況です」
「……『痕跡隠蔽』魔術ね。いまいちピンとこないんだけど」
「そうですね……。一本の糸をイメージしてください。『追跡魔術』はこの糸が対象まで延びて、対象の居場所を割り出します。『痕跡隠蔽』魔術はその糸の道を塞ごうとする壁です。
この壁の存在を認識さえできれば、後は時間の問題です。この壁に向かって、『魔術消失』魔術をかければ良い。『魔術消失』魔術は対象の魔術の効果を打ち消すものです」
「なるほど。でも、もう三ヶ月経つけど」
「最強の魔術師が仕掛けた魔術ですから。王国の魔術師達も頑張ってくれていますが、消失させるにはどうしても時間がかかります」
「――具体的にはあとどれくらい?」
リザは真剣な目でオルトを見つめる。
オルトは静かに答えた。
「あと一ヶ月でしょう。『痕跡隠蔽』魔術を消せば、追跡が可能になる」
「そう。では一ヶ月で準備を整えないとね。相手は最強の魔術師だ」
リザの目には闘志が揺らいでいた。
入ってきた時の気だるげな様子はもうない。
「私はこれから騎士団の技術部にかけあってくる」
「技術部に?」
「自動兵器をあるだけ貸してもらう。絡め手が得意な魔術師は物量で押しつぶすに限る」
エドルスは魔術師として、他者を操る術に長けている。
ゆえに魂と感情を持たない自動兵器を使う作戦だ。
「作戦も詰めましょう。こちら側が『攻め』なら負けはしない」
人も、物資も、手数も何もかも王国側が勝っている。
エドルスの居場所が露見した際、直ぐに勝負はつくだろう。
オルトも決着を確信していた。
故に一つの疑問も浮かんだ。
「エドルスの処遇はどうなりますかね?」
リザは簡潔に答えた。
「抵抗しなければ生け捕り。抵抗したら、その場で処刑よ」
シンプルな答えだった。
リザは椅子から立ち上がり部屋から出ようとする。
「そうだ。最優先事項はエドルスだが、彼に協力した二名の犯罪者も捕まえなければならない。奴らにかかった『痕跡隠蔽』魔術も――」
「同じく一ヶ月で消せます」
リザは頷いて部屋を後にした。
一ヶ月後。
王国はエドルス達の居場所を突き止め、攻め込んでくる。
スローライフの終わりが近づいていた。
次回から本編に戻ります。




