5話 天才児との出会い -吉沢智史視点-
続きです!
私、吉沢智史は塾講師をしている。
一年前まで有名な都立の小学校で四年程教師をしていて、そんな中私はこの塾にスカウトを
受けた。
塾講師は忙しくて大変だが、教え子達が受験に合格したりするのはとてもやり甲斐を感じる。
それに給料も倍以上になった。
そして今日はかの有名な如月財閥の御曹司、如月蓮様との顔合わせがある。
ちなみにこの塾は如月財閥に融資を受けてできたものなので、この顔合わせはとても重要である。
失礼のないように朝から入念に準備をしたり、掃除をしたりしているとそろそろ来るという時間になり、
私は、エレベーターの前で出迎える。
そして、少し時間が経つと、エレベーターの扉が開かれる。
するとそこに立っていたのは少し大人っぽい佇まいの男の子だった。
顔立ちはまさに黄金比。
髪は黒曜石のような漆黒で、瞳はルビのような綺麗な赤色だった。
神が本気で作った人間といっても過言ではないだろう。
少し見惚れてしまった私は直ぐ様頭を下げて挨拶をする。
そして挨拶も早々に、塾の中へと案内する。
案内している間も蓮様は静かで他の同年代の子とは比べものにならないぐらい落ち着いている。
この塾に通う人はお金持ちが通うだけあり、設備も凄い。
これも如月財閥の融資のおかげだ。
そして少し設備について説明してからソファーへ座るように促す。
そして少し深呼吸をして紅茶を一口飲み喉を潤すと学習状況について尋ねる。
学習状況を尋ね始めていると、蓮様が私に話しかける。
その声はとても綺麗で繊細であり、聞き入ってしまう声だった。
そして蓮様は手に持っていたファイルを手渡してくる。
どうやら今までの勉強の成果が入っているそうだ。
しかも家族は誰も知らないというのだからとても驚いた。
そして中身を見てまたびっくりした。
小学校六年生までの範囲が全て終わっていたのだから。
まさしく蓮様は天才なのだと思った。
小学校の範囲まで終わっているとなるともはや教える意味が分からなくなってくるが、
とりあえず次の授業きちんと小学校の問題ができるかテストをするといった感じで落ち着いた。
私はこれから蓮様が将来どのような事を成し遂げるのか期待しながら、
手を繋いでいる仲睦まじい二人の親子を微笑みながらで見送った。
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