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愛と毒が殺す世界  作者: 仲島 たねや
第6章 光に呑まれる物語
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光に呑まれる物語②

 アウルはうなだれる。


 やっぱりいなかった。いないのかなあと思いつつも、ラアナたちのいる場所に心当たりがあるとすれば、彼らがいることをちゃんと自分の目で確認した川辺だったので、アウルはこそこそと人目を避けながら川辺へと舞い戻ってきた。


 結果は見ての通り。


 誰もいない。


 ラアナの声を聞けない以上、彼らを探すことはとても困難だ。どうしたら彼らを見つけることができるのだろう。考えてみる。彼らはこの街に来たのは今回が初めてのはずで、そういった者たちが行きやすい傾向にある場所といえば、今までに自分たちが経験したことのない、そのようなものがある場所ではないだろうか。なにせここは観光客が多く訪れる観光の街「リーフネル」なのだ。見目新しいものは数多く点在しているはずだし、そもそも他の街とは住まう人々の熱気が違う。アウルも陰に潜みながら街の様子を窺っていたのだが、色々と新鮮なものを多く見かけたように思う。というよりも、加護持ちの街なんて入ったこともないのだから当たり前のことだろう。毒の子と加護持ちでは文化に多少の差があるようだ。だからこそ、毒の子であるアウルの視点からでは、彼らにとっての今までにない経験というものがわからない。


 なにかヒントはないだろうか。


 彼らは街の至るところを見回っていた。となると、街の名所などはほとんど網羅したはずだ。それならば、「リーフネル」の一番の見所を考えればいい。


 と、ここまで考えてアウルは「待てよ」と思う。


 わざわざそんなわかりやすい場所にラアナは移動するだろうか。アウルに声が届く前提でラアナが動いているのであれば、アダンとクロックには簡単にたどり着けない、そのような場所に移動している可能性が高い。


「はあ」


 脳が疲れた。


 とりあえずここで立ち止まるよりも、足を動かしたほうがいい。そうしないと見つかるものも見つからない。草木の生えている斜面を上り、住宅街の中へと足を踏み入れる。思い出せ。考えろ。ラアナがこの街に来てなにを話していたのかを、ラアナであれば一体どこへ向かおうとするのかを。


 早く、早く、彼女のもとへ——。


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