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1-4


それから森の中をまさに三日三晩歩き続けて、食べれそうなものを探し集めた。




美味しそうな木の実もあったが、小動物に毒味をさせると、痙攣して倒れてしまったものもあった。




全く油断できない世界だが、なんとか植物や木の実、川に泳ぐ魚のような生物を狩って空腹は満たせるようになってきた。




案外生命が多く宿るこの場所は、前世よりも恵まれた環境なのかもしれない。




4日目の朝、寝床としている洞窟から出て、日課としている朝の行水をしに川に向かう。








「あら、こんなところで何してるの?」


ようやく第一村人発見!


この世界には一応人間がいたのか。


もはやそれすら怪しいと思っていたので素直に嬉しい。


そして、何故か言葉も通じる。


さすがの神様もそこまでひどくなかったということか。


突然出会った女の子は、黒いハットに、黒い服。


年齢は10代だろうか。


髪はショートで栗色だ。


片山尚樹は会釈をしながら言葉を絞り出す。


「こんにちは。故郷を失い、旅をしている者です。最近は、このあたりで野宿を。あなたは?」


なるべく、怪しまれないように。


そして嘘をつかないよう気を付けながら質問をした。


言葉が通じるかどうかは頭になかった。






「私は、レン。魔王幹部討伐を終えて、故郷に帰る途中なの。あっ、ちょっと後ろ見て!」


魔王討伐ってどういうこと?理解できずに固まっていたがレンに促されて後ろを見ると、


緑色の気色の悪い人形の生物が集団で近づいてきていた。


ゴブリンだ。


はじめて見るがリアルだと怖い。


そして明らかにこちらに敵意を持って近づいてきている。



「ゴブリンね。私を追ってきたか。魔王幹部を倒したんだから、リーダー不在のはずなんだけど。めんどくさいわね、何匹いるのかしら。」


もう一度後ろを振り返り、愕然とした。


ゴブリンは金切声を上げながら仲間を呼び、次から次に増え続けている。




その数は数百匹はすでに越えた。


これは、ヤバイ。




足ががくがくと震え始めた。






「ヤバすぎだろこれ、逃げなきゃ!」


震える声で叫ぶ。






しかし、目の前の女は笑っている。






不敵な笑みとはこのことだ。





「ふふん、めんどうだから、いっぺんに片付けてやるわ!ちょっとあなた私をつかんでおきなさい!




星降る夜をあなたに!


破壊の呪文!




メテオストライク!!」




次の瞬間!


空が急に赤黒く光り、


大量の星が降ってきた!


そしてそれは、


こちらにむかっている!?


レンと名乗った黒服の魔法使いは、俺をつかんで飛び上がった。


瞬く間に、さっきまでいた場所から遠ざかり、ゴブリンたちだけが置き去りにされた。





キキィーーー!!!


ゴブリンたちの悲鳴が聞こえた次の瞬間、大量のゴブリンめがけて流星がふりそそぎ、






ドゴゴゴゴゴという、大きな音がした。






さっきまで、俺たちがいた森は跡形もなく消滅し、






クレーターのような大きな穴が大量にできている。






ゴブリンたちの姿も当然見えない。




「一丁上がりっ!」


輝くような笑顔で、レンは言った。






なんだこれ。






第一村人からチートすぎるだろ。




ゴブリンはいなくなったのに、俺の足は震えていた。



第一村人が登場です。

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