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WHYとWHITE DRAGON !!!!  作者: 猫山
2 出発
79/81

79 ワイバーン

・・・


 深夜のワイバーンの飼育場では・・・

 20頭ほどのワイバーン達が静かに一つの部屋に集まっていた。

 その真ん中に光と共に王太子が現れた。

 声なき声・・・


 ワイバーン達はバドバドに導かれるように王太子に頭をすりつけ、恭順を示した。


「これは?」

「くぇくぇくぇ・・・」

「おまえが何を言いたいのか分かれば良いのに・・・」


 王太子はバドバドを優しくなでた。バドバドも満足そうに頷いていた・・・・






・・・・・




 レオとリヒテは城内を歩いていた。

『おい。あっちから来るのは?』

『さあ?初めて見るな。』

 二人は壁にぴったいりくっついてやり過ごすことにした。


 歩いてきた男・・元帥は、二人のいる辺りで立ち止まり、辺りをきょろきょろ見回した。これには二人ともぎょっとした。隠れ方はリュウの力で完璧なはず。


・・・呼吸さえ止めたような息詰まる時間の後、首をかしげながら去って行く男に、二人は戦慄した・・


『何だったんだ?』

『と言うか、誰だったんだ?』

『追うか?』

『いや。見つかるような危険はおかせない・・』



アームの部屋はどこなのか。実は分かっていない二人は困って美虹に連絡してきた。

『アームの部屋ってどこだ?』


『・・・・・分かるわけないでしょ。』

『やっぱりな。そうだとは思ったっんだが。』

 じゃあ聞くなよ・・と思う美虹だった。

 リュウが

『バドバドが知ってるんじゃない?』

と言ったので、バドバドに

「バドバド。レオ達を助けてくれる?」

と美虹が言うが早いか、バドバドか消えたのには驚いた。



・・・・朝ご飯が並ぶ頃、二人が帰ってきた。



「帰ってきたぞ。」

「何か持っているな。」

「良い物かな?」

「肉だ。肉をくれ。」

「俺にも肉をくれ。」

「なんだろうな。」

「肉じゃなさそうだぞ。」




 テーブルの上の王の食べ物にしては質素だが、美味しそうな食べ物を前に、よだれを垂らしていたにょろにょろが騒ぎ出した。


 やがて姿を現した二人は、沢山の球根と瓶に入った薬を持っていた。


 




ーーーーーー



 同じ日の午後。





「球根と解毒の薬が大量に手に入ったそうだ。」


 扉をノックするのももどかしそうにライが入って来た。


「王よ。それは良い話だ。」

 二人はほっとした表情をした。


「もうじきリヒテが球根を持って到着するそうだ。」

 おや。と二人は顔を見合わせた。

  

「解毒剤は?」

 その問いに、ライが

「何でもアルテミアにいる兵に使いたいとのことだった。」

と答えると、二人は

「アルテミアの兵に?」

と不思議そうに聞き返してきた。


「そうだ。」

 ライは嬉しそうに頷きながら、

「あちらにいる沢山の同胞達のためだと言っていたな。」

と二人に答えた。


 そうこうしているうちに、廊下が騒がしくなってきた。


「おい。」

 バタンと扉が開き、リヒテが大きな袋を抱えて入って来た。


 ひったくるように袋を取り上げる二人・・・

「おおこれこれ。」

「かなり良い状態だな。」

「うまく干してとっておいたと言う感じだ。」

「これなら150人分より沢山出来そうだ。」


「出来上がるのにどのくらいかかるか?」


 ライが聞くと、二人の答えは

「そうだな。作るのに3日という所か。」

だった。


 するとリヒテが

「それじゃ駄目だ。明日には連中出発するぞ。」

と教えてきた。


「明日?ここに到着するには1週間はかかるぞ・・」

 ライが言うと、リヒテはああ。と手を打った。

「あ。そうか。俺は半日で着いたからその気になっていた。」



ーーーーー



 二人は宿屋シュバルツァーに来ていた。


「こいつは豪勢だな。」

 リヒテは遅い朝食を摂っていた。バドバドも小さくなって食卓にいる。


 不意にバドバドが顔を上げた・・・さっと飛び立ち・・・きらめきを残して消えた・・・



「あ。」

「置いて行かれた!!しまった!!」



ーーーーーーーーーーー



同じ午後・・・



 ワイバーンとそれを操る者達が集合していた。元帥が王太子、セナ、将軍と共に立っている。

 操る者達の目は一様にどんよりと濁り、何かを求めるようなそぶりをしていた。

 セナは叫んだ。

「ワイバーンよ。我に従え。」

 ワイバーンは動かない。焦るセナ。

 元帥はにやりと笑い、将軍に

「セナの代わりにおまえが操るが良い。」

と言った。

 将軍が頷くより前に、王太子が進み出た。

「ここは王が出来ない今は王太子たる私が動かすべきと思う。」

 元帥がいぶかしげに王太子を見た。今まで愚鈍だからと放っておいた王太子だ。それが今さあどうだというのだ?


「ワイバーンよ。操る者達よ。我に従え。」


 その瞬間、操る者達の目が変わった。ワイバーンが一斉に吠え、ワイバーン奏者達と共に空へ舞い上がった。


「ワイバーンダンスだ。この国の王は私だ。」


 王太子の宣言と共にいつの間にか控えていた兵の何人かが元帥と将軍を確保した。


「ふ・・・うわはっはっは・・・・」

 元帥が狂ったように笑い出した・・・・・・

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