75 そもそもの?
明けましておめでとうございます。
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美虹達は、城の塔のてっぺんで一息ついていた。間一髪助けられたにょろにょろはさすがにおとなしい。
『俺とリヒテで城の中を探ってくるぞ。』
レオが言うと、
『おまえとかよ。』
かなり嫌そうな返事であった・・
『何を嫌そうにしているんだ?』
『おまえこそさっきのを反省しろよ。』
『・・・・・』
二人は美虹に、くれぐれも動くな、と言い残して塔伝いに下を目指して行ってしまった。
・・・・・
『二人ともさすがだよねこんな垂直な所。私には無理だわ。』
『垂直って何?』
『う~~んとね、切り立ってる所?』
『?』
リュウには良く理解出来ないらしい。困ったな・・・そう思っていると、
『おい。この下に誰かいる。』
『呼んでるみたいだ。』
『悪い奴じゃなさそうだぞ。』
「肉だ。肉をくれ。』
『俺にも肉をくれ。』
『さっき食ったばかりだろう?』
『もう腹一杯だぞ。』
『くぇくぇくぇ・・・・』
行ってみようと誘われてしまった。
『でもここを動くなって・・・』
美虹が渋ると、リュウはこともなげに
『戻ってくれば良いでしょ。行ってみようよ。』
と言った。それもそうかと、リュウの言葉に美虹は下に行くことにした。
『足場悪いよ・・・』
『大丈夫浮けば良い。』
『なるほど・・・』
程なく二人と2匹はバルコニーに立ち、部屋の中をのぞき込んでいた。
『なんか誰か住んでいるみたいだよ。』
テーブルの上に茶器が乗っていた。お菓子のようなものも見える・・・
・・・部屋を覗いている美虹立ちに話しかけてきた者がいた。
「やあ。お客さんとは珍しい・・」
お爺さんだ。
「あの」
「よいよい。わたしをどうこうしようと思ってきたわけではないのは分かっている。」
お爺さんは、にこにこしている。
「すみません。私、美虹って言います。あのう・・・あなたは・・・どなたですか?」
「私か?私はこの国の元王様って奴だよ。」
「えええ?」
「今はここに幽閉されているがな。」
「なんで?」
「まあ座りなさい。」
テーブルを示されたので座る。
「お茶でも煎れようかね。最近腕を上げたんだ。飲んでいってくれ。」
明らかに不審者であろう美虹達にお茶を煎れようとする元王に、何を言って突っ込めば良いのか、美虹には分からなかった。
「あのう・・・なんで・・」
「ああ。お菓子もあったな。」
丸い缶を出してきて中のクッキーを皿に出してくれた・・
にょろにょろは一つ一つの頭・・いや。口からよだれを垂らしていた・・・
美虹は顔を引きつらせ、クッキーを
「すみません。このコ達にいただきます。」
と言って7つの頭の前に1つずつ置いた。とたんに4番と5番がかじりつく。
『『『『『いただきます』』』』』
の頃の5つの頭はお行儀良く挨拶をいて食べ始めた。
バドバドも貰った1枚をつついている。
「君は食べないのかね?」
「あなたが座るのを待っています。」
元王だというおじいちゃんは笑いながら席に着いた。
「さあ。遠慮なく食べたまえ。」
お茶に手を伸ばそうとしてはっと気が付いた。
「あの失礼ですが、」
「ああ。言いたいことは何となく分かる。私は20年前にここに閉じ込められたのさ。」
「今の王様は?」
「さあな。私の1番上の息子が王になったとは聞いているが。時々ここに世話をしに来てくれる者達から話を聞くに、どうも傀儡の王になっているようだな。」
「くぐつって?」
「傀儡だ。」
「かいらいって?」
「これは困ったね。どう言ったら良いのかな。
・・・操り人形。これで分かるかな?」
・・・・
「あの。私達。お方様と呼ばれている不思議な女の人を追ってきているんです。」
「お方様?」
「はい。シュバルツァーの宰相夫人になっていた人です。」
「ああ・レディか・・・」
「レディって?」
「25年前に急に現れた女だ。いや。女と言って良いのだろうか?」
「どういうことですか?」
「私がここに閉じ込められることになった元凶だよ。」
話が今度のことに繋がっているようなので、他の皆にも聞かせたい。美虹は通信回路を開けた。
『ねえ。この国の元王様とお話ししているの。』
『おまえ、また何で勝手な行動を!!』
『怒らないで。これからお話を聞くんだから。』
『俺たちも行くぞ。』
『待て、レオ。今ようやく王の部屋にたどり着いたんだ。ここを探ってからだ。』
『レオもリヒテもまず自分たちのしなければいけないことをしなさい。美虹ちゃん。いいよ。』
ライが間に入ってくれた。
・・・




