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WHYとWHITE DRAGON !!!!  作者: 猫山
2 出発
71/81

71 なんちゅうこった?

・・・

『おい。まずいぞ。』


 リヒテの言葉にレオは

『美虹俺たちをまた小さくしてくれ。』

 と急いで頼んだ。


 自分の意志で大きく戻れても、一旦、戻ったら小さくなれない不親切仕様。透明には、自分たちでなれるようにしてくれたのにな・・・とレオは密かに思った。


『うん。』

 我に返った美虹は、二人を素早く小さくし、自分の髪の毛の中に隠した。


「大丈夫ですか?」

「お方様?ご無事ですか?」

 廊下で声が聞こえる。


・・


『おかたさま・・・ってだれ?』

『この場合宰相夫人の事だろう。』

レオが悠々とい答えた。

『それよりレオ、突っ走りすぎだぞ。』

リヒテが怒っていた。だがいつも突っ走りすぎるのはリヒテなのだが。レオはおとなしく謝った。

『すまん。』



 部屋の中を疑わしそうに見るアームと兵士達。


 ぼんやりしている美虹にかまわず、5~6人が入って来てあちこち空中を殴りだしたのには美虹も驚いた。


「あのぉ。どうしたんですか?」

「たれかこなかたか?」

 アームが聞いてきた。

「え?」

 

 アームの言葉に美虹は驚いた。


・・・


「誰か来なかったか?」

 アームが言い直した。

「誰も・・」

 アームは美虹の顔を見て、盛大に顔をしかめた。

・・・


「お方様もお戯れが過ぎる・・・」

「あのぉ・・何のことですか?」

「顔を洗うと良いな。」

 言われて

「すみません。洗う所はどこですか?」

と返すと、

「そこに水差しがあろう?」

と言われ、そのまま美虹は放置された。


・・


 アームは、宰相夫人を助け起こして部屋に連れてきた部下に

「そこに座らせて。」

 指示を出したり、水を漏ってこさせたり忙しそうだった。


・・


 美虹は言われたように、水差しの水を使って手と顔を洗った。

 さっぱりして顔を拭くと赤いモノが付いてきたのに美虹は驚いた。


「え?血?」

 赤くなった手ぬぐい見て、青ざめていたら、

「紅だ。」

 アームが女を世話をしながら教えてくれた。


・・


「べに?べにって?」


「口紅さ。」


 ・・・美虹はさらに真っ青になった。


『いっやぁぁぁぁ』

『後で消毒してやる。』

 消毒とは物騒な話だ。ますます青くなった美虹に、

『美虹ちゃん。大丈夫だよ。隷属もされてないようだし。あの女、ただの好き者でしょ。』

 好き者とはなんなのだ?美虹は思ったが、賢明にもその場では聞かなかった。


・・


『いや。この前の、黒い霧みたいなモノをまとわりつかせていた女とは・・別人のようだな。』

『本当だね。』


 女はやがて目を開けた。




・・しかし・・目を開けた女はさっきとがらりと違う雰囲気をまとっていた。気のせいか空気まで冷たくなったようだ。



「お方様?」

アームが聞いた。

「そうだ。」

女が答えたので、さらにアームは野質問が続いた。

「母上は?」

「眠っている。」



・・・・


 小さい声で交わされた会話は、美虹達にもはっきり聞こえた。

『お方様と母上って』

 美虹が言うと、リヒテも同じ事を考えたのだろう。

『違うのか?』

と聞いた。レオはこともなげに、

『同じ人間の体を2人が使ってるって事じゃねえか?』

美虹が驚いて

『そんなことが出来るんだ?』

とつぶやいたらレオが美虹にだけ聞こえるように

『おまえとリュウもだろう?』

と言ったので納得した。



・・・



「この魔法使い。私が貰おう。」

「はい。しかし・・」

「なにか?」

「この魔法使いが入って来てから、侵入者が出たようなのです。ですので・・・」

「面白い。」

 女はにやりと笑った。


 女は美虹に向かって

「おまえは我に害をなす事を考えているのか?」

 美虹はぶんぶんと首を振った。

『やばそうだよ・・・怖いよ・・・』

『我慢しろ。俺たちが付いている。』


・・・・・



「こっちを向け。我の目を見ろ。」


・・・これ聞いちゃやばいやつ・・・


 美虹はどうしようかとパニックになりそうになった。


『大丈夫。僕が付いてる。』

『リュウ。』

 リュウは素早く辺りをうかがい、廊下に立っている兵の気持ちを借りてきた。


「ああ・・・早く終わらないかな・・・早く終わって焼き肉と・・・そうだな今日はほろほろ鳥のスープが飲みたい。」


 至って平和な男の気持ちがにじんできた。女は笑い出した。


「よし。こいつは我が貰った。厨房に行って鳥のスープと肉を用意させろ。」


 女は美虹に

「付いてこい。」

と言って歩き出した。

「まってください。」

「アームよ。心配ならおまえも来るが良い。」


 女の後を、美虹とレオ・リヒテ。その後をアームが・・にょろにょろ達を連れているとも知らないで付いていった・・



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