68 疑いだしたら切りがない・・!
バドバドは小さくして、少し色を変えてみた。
「綺麗な鳥になったな。」
「目立って狙われるんじゃねえ?」
「それも困るかな。」
くぇくぇくぇ・・・
「鳴き声が変わらねえな。」
「このコ、もしかしたらしゃべれるのかな?」
「かもな。にょろにょろの仲間って事はそう言う事だろ。」
「しゃべれたら、龍石の事とかいろいろ聞けそうだよね。」
「そいつ、何かが足りなくて、足りていて、しゃべれねえんだ。」
「俺たち聞いた。」
「アームが持ってるって。」
「肉だ。肉をくれ。」
「俺も肉がたりねえ。」
「アームがあいつの世話をしてたと言ってた。」
「アームの事何か言いたいみたいだ。」
にょろにょろの話だと、何か大事な事を知ってるみたい。話が出来るようになるためのモノ。なんだろう?
「足りていて足りていないって?訳わかんねえことばっかりだな。見えているものといないものとか、成す事を成せとか。」
色々分かっていない事が分かっただけでも良いのかも。美虹は思ったが、黙っていた。
・・・
「おい。ライから。」
しばらく黙っていたレオが、二人に言った。
「なんだって?」
リヒテがすぐ反応した。
「ライにパンテェールが接触を図ろうとしているらしい。王の間に言っては呼んでいるって事だ。自分一人の所に来るのは嫌だから接触しないようにしているけれど、しつこいらしい。」
そこで美虹ははっとした。
「それって見えるものだよね。見えてないのは・・」
「パンテェールの思惑だな。」
朝の風が心地よい。
皆で火の後始末をしながら・・会話は続く。
「そう言えば、気になったんだけど、パンテェールさんってアルテミアの傭兵だったって言っていいんだよね?」
「あ?」
「中央の街って実質アルテミアの支配下にあるって言ってたでしょ?」
「あ・・」
「と言うことは、もしかしたら。」
「今更だけど・・・」
美虹の言葉に・・・
まさか?
三人は黙った。
「ライにも聞いて貰おう。四人で話すぞ。」
・・・・・
『ねえ。隷属の印ってどんな物なの?』
『見たことねえな。』
『俺もだ。』
『ライは?』
『ないな・・・
美虹ちゃんが言いたいのは、もしかしたらパンテェール達にも隷属の印が付いているんじゃないかって事なんだよね?
う~~ん。思いたくないけど・・・疑う事は悪くないな。自衛のためだ。
・・・隷属の印については、今日こっそり傷病棟に忍び込んで、奴隷達を見てくるよ。見える所に付いていると良いんだが・・・
その後でパンテェールにそれが付いているか・・・う~~~ん。今まで見ていて気が付かなかったからなあ・・・付いていないのか、見えない所に付いているのか・・・確かめるとしたら風呂か。』
・・・・・
『とりあえず、ライ、十分気をつけろよ。元王が隷属なんていうことに・・・』
『気をつけるさ。』
・・・・・
伝言鳥が飛んできた。
「え?私?」
・・・忍び込んだ獣人を見つけて捕まえろ。
「は?」
「なんだったんだ?」
「忍び込んだ獣人を見つけて捕まえろって。」
「これはまた・・・」
「どうしたらいいの?」
「・・・・引き受けろ。」
「え?」
「リヒテに捕まって貰おう。」
「!!!また俺が貧乏くじかよ!!!」
「しかたがないだろう?」
確かに捕らえて、連れて行けば、何らかの事が分かるかも知れない・・・
「隷属の印が付けられねえようにできるか?」
「ええ?そんな事・・・スゴイ魔法使いがやってるなら、ばれちゃうよ。」
「そのスゴイ魔法使いに会いたいんだ。俺を小さくできねえか?リヒテの頭の毛の中に隠れて行く。」
「えええ?そんなの無茶だよ。」
・・・・・・・・・
「おまえは?」
「はい。伝言鳥の依頼で山を探し、獣人を一人捕まえてきました。」
「ほう?」
「ご依頼は人数を指定していませんでしたので、一人ですが。よろしかったでしょうか?」
「おまえはどこの奴だ?札を見せろ。」
「こちらです。」
番所の男3人に囲まれてかなりびびっている美虹だが、出来るだけ堂々としていろと言われているので、頑張っていた。
「魔法使いか。ふうん。」
「おい。上に連絡してこい。」
「少しここで待て。」
「あ。僕・・・」
話している時に、リヒテが誰かに殴られているのが見えた。
「あ。何するんですか。その人とても穏やかでしたよ。殴っちゃ駄目でしょう?」
「ふん。こんなの獣だ。殴ってあたりまえだ。」
美虹はかなり怒っていた。話をしているうちに、また殴ったのだ。
『美虹、押さえろ。』
『だって。』
『美虹ちゃん。気にしないでいいぞ。痛くないから。』
拷問にも耐えられるよういろいろ付加を付けてはあるのだが・・・
『リヒテ痛そうな演技をしろ。そうでないとますます殴られるぞ。』
『へいへいっと・・・』
扉が開いた。
『え?アームさん?』
そこにいたのはアームだった。
アームはあの気弱そうな雰囲気から一変して、厳しい顔で美虹を見た。




