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WHYとWHITE DRAGON !!!!  作者: 猫山
2 出発
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67 バドバドとにょろにょろ

 美虹はレオの前に座らされた。上空は寒いのではないかと思ったが、後ろからレオに抱き込まれているので温かい。前も、すっぽり防御の壁に覆われ、風も直接当たらない。

 レオの後ろにリヒテが乗っている。左右の籠に美虹が乗るのを、レオがいやがったため、片側だけ乗せるとバランスが良くないと言うことで後ろに乗ったのだが、


「おいおい。落ちねえだろうな?」

 リヒテのびびっている声がする。


「大丈夫だ。ちゃんと三人を包んでいる。」

 防御壁はちゃんと三人を包んでいるらしかった。


『もう少し行ったら見えなくなるように出来るか?』

『うん。リュウと力を合わせれば出来る気がするよ。』

『任せて。』



 リュウが美虹に溶け込んでいるのはライとリヒテにだけ話してある。秘密を抱えて過ごすのはなかなか苦しいモノがあるので、少し気楽になった美虹だが、唯一さんのことはまだ話せていない。そういえば、最近話しかけてこないなあ。と美虹が思っていると・・・

『やあ。』

と言う声が響いた。


『唯一さん?久しぶりだね。』

『ああ。注意だけしとこうと思ってね。』

『なあに?』

『見えるものだけ信じるのでなく見えないことに気を配れ。』

『は?何のこと?』

『・・後は自分で考えるんだよ・・』


『唯一さん?唯一さんったら!!!』



・・・・・



 それっきりまたどこかに行ったらしい。

『リュウ、どう言う意味だと思う?』

『僕には分からないや。美虹ちゃんは?どう思うの?』

『分からないから聞いているんじゃない。』

 やはり似た者同士だった。



・・・




 上空から見る風景はなかなか面白い。何もかもが小さく、何もかもが通りすぎていく。


「そろそろ見えなくしてくれ。」

「うん。」


 透明になるのではない。光を曲げて見えなくしているのだから、触ればばれてしまうのが難点だ。

「上空でさわってくる人もいないよね。」


・・


「おい。俺たちには見えるようにしろ。触っているだけでは心許ない。」

 たしかに。バドバドもレオも何も見えないので、心細い。

 リュウと色々話し合いながら、自分たちには見えるけれど、よそからは見えなくなるように調整する。

「でもね。よそから見て貰って確かめているわけじゃないから、完全かどうかは分からないんだ。」





 そろそろ暗くなる頃、山中におり、野営することにした。

 バドバドはやっぱりここらで返そうか、そんな話をしていたら、


「こいつ俺たちの仲間。」

「俺たちと同じニオイする。」

「連れてこう。」

「肉だ。肉をくれ。」

「俺にも早く肉をくれ。」

「俺たちくらいに小さくすれば、目立たないぞ。」

「俺たちと一緒に行きたがってるし。」


とにょろにょろが騒ぎ出した。


「俺たちと同じって?」

 美虹が聞くと、にょろにょろは自信たっぷりに答えてきた。


「多分。・・一緒だ。」

「美虹ちゃんと一緒に行きたがってる。」

「何か知ってるみたいだ。」

「肉だ。もっとくれ。」

「俺にももっと肉をくれ」

「おまえ達五月蠅い。」

「野菜を食え。」



 レオが

「ふうん。バドバドは魔物か?」

と言ったので、美虹は聞き返した。

「魔物?」


 レオが頷いて、

「にょろにょろも魔物だろう?」

と続けると、遮るようににょろにょろが主張してきた。


「俺たちにょろにょろ。」

「俺たち7すたあ。」

「魔物なんかじゃないぞ。」

「肉だ。肉をくれ。」

「もっともっとだ。」

「俺たちは御使いだ。」

「そう言われてるぞ。」

 レオは怪訝そうな顔をしてにょろにょろを見ていた。


「御使い?なんだそれ?」

 リヒテが突っ込んだ。


「知らん。」

「そう言われただけだ。」

「おまえ達こそ何か俺たちのことで知ってないか?」

「肉だ。肉をくれ。」

「俺にも肉をもっとくれ。」

「俺たち誰かに連れてこられた。」

「ここでなすことをなせって。」


「成す事を成せ?」

 リヒテが尋ね返したのを聞いて思わず、

「見えるものだけ信じるのでなく見えないことに気を配れ。ってのもあるし・・・どう言う意味なのかなあ」

 美虹はつぶやいた。



「あ?どう言う意味だ?」

「・・助言者が、教えてくれたんだよ。」

「ああ・・」

レオには分かったようだが、リヒテは首をかしげていた。


「だが、意味深だな?」

「そうだな。見えるものだけを信じるのでなく、見えない事に・・・何だろう。」


 たき火がはぜる。遠くで生き物の鳴く音がする。夜は静かに更けていく・・・



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