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WHYとWHITE DRAGON !!!!  作者: 猫山
1 出会い
6/81

6 見つけた↗・・・龍?→・・・・龍人だ?↗・・・ガキか・・・↘

・・・・・この夢はなかなか壮大で醒めない・・・と思おう。

夢じゃなさそうか・・・って思ってもいるけど。





 山道を2日掛けて下っていく間にレオは時々狩りをした。兎みたいな動物。ベアベアも1回出て、私はひょいと乗せられた木の枝の上で見物することになった。


「おまえも龍になって戦ってみるか?」

 思わず首をぶんぶん振っちゃったよ。


 マントをぱっと私の方に放り投げると同時に剣を抜いて走って行く・・火球が飛ぶ・・・ベアベアは回避するまもなく火球を受け・・・スゴイ・剣で真っ二つ・・。血が飛び散る・・おえ・・


「なんかあのとき一緒にいた二人より強いんじゃないの?」

「あったりめえだろ。奴等は人間。俺は獣人だ。」

下処理を手伝えと言われておそるおそる手伝っている・・・レオは、くるくると皮を剥ぎ、血の滴ってるのを腰の辺りにひょいと入れる・・あれ?


「腰の辺りに何つけてるの?」

「この前見せただろうが。袋だ。」

確かに見たけどさ・・・何でその袋に入れるの?


「割と何でも入るんだ。魔力に準じて大きさは違うけどな。俺のはでかいぜ。」


あ・・そ・・・


しばらくつるしておいた肉は部位ごとに塊に切りしまい込んでいく。骨も。


 で、私は、残った血と細かい肉切れを塩を入れて練りまぜ、腸に詰める仕事をやらされてる・・・腸の中身を出して洗うのもやらされたよ・・・う・・・

「おまえの腸にも詰まってるだろ。」

乙女に言う言葉ですか?


それから鍋に水を入れ、縛った腸をゆでていく・・・ソーセージだね?

「燻すともっとうまいんだが。まあこのままでもいける。」

心臓と肝臓は売ると良いお金になるとかで、そのまましまい込んでいた。食べ物や服と生肉を一緒に入れるの?


「あ?心配すんな。中で部屋は分かれてるからな。」




 ゆでたてのソーセージは夕飯になった。塩でしか味付けしてないソーセージは素朴な味だった・・ご飯欲しい・・・


「ベアベアはうまいんだ。」

なるほど・・・


「おまえは龍だから、人のことや作法は分かんねえだろうから。」

って色々教えてくれる。意外と面倒見が良いらしい。


「言葉も教えてくれると嬉しいな。」

たき火のところでそう言ったら、

「あ?おまえ人型になったときから普通にしゃべってるぞ。」

って言われてびっくりした。そう言われてみれば、口に出してた・・???

「しゃべってるって・・もしかしたら文字も分かるのかなあ。」

私の独り言に

「分からなかったら教えてやる。」

って。やっぱり結構親切だね。



 次の日には山から下りて街道に出た。時折馬車や人とすれ違う・・・頭からすっぽり包まれた灰色のマント姿の背の高い男抱っこされた小さい私の組み合わせは目を引くみたいで。一様にぎょっとした表情をされちゃう。


・・・何台目かの馬車が止まって手助けすることはないかと聞かれた後で、ため息をつきながらレオが言う・・・


「町に行ったら靴を手に入れてやる。」

「ありがとう。」

ずっと抱っこで移動では疲れるよね。まあ。最初は私が背中に乗せてたから・・お互い様かもだけど・・・


「おまえみたいに軽いガキ一人抱えたくらいで疲れるわけねえだろう。ま・・・龍の姿にもどったら、さすがに無理だけどな。


・・それにしても・・なんで行き交う奴が皆、足を止めて助けはいらねえかときくんだ?」


・・・そりゃあ・・・マントをすっぽりかぶってるから・・・怪しい奴とか・・・誘拐犯だとか思われているのでは?


 街道は割と歩きやすいみたい。細かい木くずが敷き詰められている。

「歩きやすそうだね。」

って言ったら、

「マギーで一番大きい町に向かう道だからな。」


へえ。


「お城とかあるの?」

「しろ?なんだそれ?」

「え?王様とかいるんじゃないの?」

「この国にはいねえな。」

・・・

 ここにはお城も王様も・・・王子様もいないのか・・・がっかりしちゃう。

 

「じゃあ騎士もいないんだよね。」

「この国では聞いたことがねえな。」

はあ・・・

おかしいな。剣と騎士と魔法の世界じゃないんだ・・・

「あれ?この国ではってことは、他の国ならいるの?」

「ああ。いる所もあるだろうさ。」

なるほど。でもここにはいないっと・・・


「なにをがっかりしてるんだ?もうじき中継ぎの町に着くぞ。」




遠くに何か建物が見えてくる・・・喧噪も聞こえる・・・


「あ。しまったな・・・おまえの手形がねえわ。」

「手形って何?」

「通行許可証だ。どうするかな。」


私は少し考える・・・人型にもなれたんだから手形とやらも出せるかもだよね。


「あんたのを見せてくれる?作ってみるから。」


首に下がっていた紐を引っ張ってそっと私に見せてくれる。金色の板に文字。


「女用のはこれより少し小型だぞ。」

材質は何かな?

「俺のは魔法使い用だ。おまえのも同じで良いだろう。」

う~~~~ん。少し考えて同じ物を想像してみる・・・手の中が光る。

・・え?できたの?・・・手の平をそっと開いたら金色の板。

自分でもびっくりだよ。


「どう?」

「おまえ。なかなか凄いな。」

自分でも驚いてるよ・・・


「俺のと全く同じように見えるが・・・この文字は男だと言うことを現しているんだ。女はこう・・・」

なるほど・・・


何回か試行錯誤して・・


「これなら大丈夫だ。魔法属性は・・・氷・・・字はこうだ。」

え?そんなのも書かなきゃだのの?


「俺は炎だ。真逆だな。」

何で嬉しそうなの?



やがて町の入り口が近づいてきたようだ・・・

「行列だね。」

「ああ。何かあるのか・・やけにいつもより人が多いみたいだな。」


「大きな街なんだねえ。」

「ああ。この辺りじゃ一番大きな町だな。あとは一番大きな町までは村ばかりだ。」

「ん?街だよね?」

「ああ。町だ。」

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