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WHYとWHITE DRAGON !!!!  作者: 猫山
2 出発
47/81

47 それは無理

 朝ご飯の後、レオと美虹は別れた。

「昼にまた会おう。」

「うん。」


 レオが何人かの兵士達と連れだって行ってしまうと、美虹は言われた部屋にそっと入っていった。

 昨日、呼ばれるまで、控え室で待機しているようにと指示されていたのだが、待っても待っても誰も来ないのだ。



・・・・・


 だんだん、どうして良いのか分からなくなり、美虹は途方に暮れてしまった。目から何だがにじんできているのが分かり、少し慌てたところに・・・


ばたん・・・扉が開き、レッグが入って来た。



「よう。」

 レッグは美虹を見て顔をしかめた。

「なんだ?泣いてるのか?」

 美虹は慌てた。こころぼそくなって・・。なんて言えない。

「ちょっと欠伸が出たんだ。」

 さりげなく目尻を拭いて、

「おはようございます。」

と挨拶する。ほう?と言う顔をしたレッグが

「おう・・おはよう。」

と答えた。

「よし。行くぞ。」



 広い廊下を行く。角をいくつか曲がり、階段を上り、また歩く・・・一人で戻れるかな・・・美虹は心配になった。

 着いたのは立派な扉の前だ。パンテェールが待っていた。


「来たな。」

「おう。連れてきたぜ。」

 後ろのラビーが呆れた顔をしている。

 

「まあ、入ろう。」

・・・・

 

 あれ?ここ?ライとリヒテが側にいるような気がする?あれ?


「ここは王の間だ。」

 どうだ?と言う顔で美虹を見る。美虹はせわしなく辺りを見回し、困った顔をしている。思い切り挙動不審になっているのにも気付いていない。


『やっぱり。あれ?もしかしたらライさんとリヒテがどこかから覗いてるのかな?』


「どこを見ている?おまえにやって貰いたいのはここの壁だ。ここをおまえの魔法で開いて欲しいのだ。」

示す場所はこの前ライ達が消えた場所だ。そんなことは知らないけれど、美虹には扉がはっきり見えている。


『いやいや・・・開いたらライさんとリヒテが見つかっちゃうよ。』


「工事の人を頼めばいい話では?」

「いや。無理だった。ハンマーも何もこの壁を壊せなかったんだ。」


『美虹ちゃん。ここ・・・龍の力がかなり働いてるよ。』

『王の力ではなくて?』

『うん。龍の力』



・・・・



「こいつの何とかスラッシュとか言う魔法なら切り裂けるぜ。」

『美虹ちゃん。もしやるなら、出力をかなりおさえないとだよ。ここ、王家の者と龍の加護のある者には無力になってる。』

『それ・・・龍の加護のある者って私のこと?』

『当たり前でしょ。僕と一緒なんだから。』

・・・・



 まずい。まずいことになってきた。

「早くしてみろ。」

「こ・・壊れたら困ります。」

「むしろ壊して欲しいんんだぜ。」

「ええ~?なんでですか?」



・・・


「亡霊を見たからだ。」

『え?亡霊?そんなの苦手だよ!!!』





・・・・黙っている美虹。美虹を見ておるパンテェール・・・・




『考えろ・・・考えるんだ!!私!!」


「どうした?」


「ぼ・・・僕・・・幽霊は苦手です。」


「震えてるじゃねえか?」

「本当に幽霊を見たんですか?」

「そうだな・・・見た・・・俺たちではないが・・・・・・甘い夢のようなものだ・・・」



「さあ。」



・・・・・



『唯一さん!!!唯一さん!!!』

 美虹は心の中で悲鳴を上げる。リュウが、落ち着いてと言っているが、軽いパニックになっている美虹には聞こえていない。


『美虹ちゃん』

『唯一さん!!』

『美虹ちゃん!!よく考えてごらん。やっちゃだめだよ。』

『どうやったらやめられるの?』

『落ち着いて。』


・・・・・

・・・・・リュウの言葉が徐々に美虹に染みこんでくる・・・


『あ・・私?・・・』

『大丈夫?』



『あ・・・ありがとう。ゴメン・・・。』



・・・・・


「どうした?さっきからずっと震えてるじゃねえか?」

「やってくれるな?」


・・・


 美虹は意を決した。やれない。やってはいけない・・・さあ。理由をつけなくては・・・

 ようやく顔を上げた美虹は、

「あの・・・この部屋には凄く強い魔法がかかっています。」

と言った。間髪入れず、レッグが

「あ?」

と聞き返した。

「だ・・・だから震えちゃうんです。部屋を出ても良いですか?」

 美虹は震える声で言って部屋から退出しようとすると、レッグとパンテェールは顔を見合わせて美虹を止めた。



「まちなさい。」

 パンテェールの車椅子をラビーが押して美虹に近づいて来た。レッグも。

「俺たちには魔力はねえから分からんが。前にやらせた魔法使いもびびっていたな。」

 近くに来てアームが言った。美虹はしめたと思いながらも、まだ怖そうに、

「は・・・はい。その方の尻込みも分かります。僕の魔法はおそらくことごとく弾かれ、自分に返ると思います。」

と言った。



・・・・・


「確かにその魔法使いもそう言っていた。」

 パンテェールが頷く・・・

「そ・・・そうなるといけないので。あ・・・と・・・その方と相談したいのですが。」


その言葉に3人が黙り込み・・・レッグは頭をポリポリかいた・・・


「あ・・そいつはもういねえ。」

 ようやくレッグが口を開いて答えたが、もういないという。

「え?やめちゃったんですか?」

 聞き返すと、とんでもないことを言い始めた。

「いや。まさしくおまえの言ったとおりになって・・・」

「なって?」

「今は常世の国だ。」


・・・・・

・・・・・



「ぼ、ぼくいやですよ!!!」

「だろうな。」

「やはりおまえでも無理か?」

「ええ。無理です。」

「どの程度の奴なら大丈夫なんだ?」

「龍の加護を持つ者か、王家の人なら。」



・・・・・・



 美虹の言葉に3人は黙り込んだ。




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