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WHYとWHITE DRAGON !!!!  作者: 猫山
2 出発
45/81

45 面接試験 

朝・・・少し緊張して目覚め、朝ご飯をお腹に詰める・・・食欲わかない。レオはいつも通り健啖だ。

「もっと食え。腹が減るぞ。」

「うん。」

 美虹にも分かっているのだが。



 弁当を受け取り、道を行く。


 出かけるとき、抱っこしようとしたので,美虹は全力で拒否をした。レオもすぐに気が付いてやめたが、同じように兵士募集の試験に行くらしき何人もの屈強そうな男達に変な目で見られていた。


「そう言う趣味か?」

と聞いてきた者にはレオが問答無用の目で睨み付けていた。その中で、

「兄弟か?」

と聞いてきたのは兎の耳を付けた獣人だった。

「・・ああ。」

 レオがそう答えると、

「なんというかな。そっちの趣味持ちに見えると、門前払いを食らわせられるぞ。」

 兎耳はそう言ってさっさと先に行った。


 レオはしばし無言だった。そっちの趣味持ちとはなんだ?



 しばらく無言で歩いていたが、回りに人が少なくなったとき、

「おまえ。言葉遣いに気をつけろよ。」

 美虹の耳に口を付けるようにささやいてきた。くすぐったい・・・

「言葉?」

「女の言葉遣いにならないようにな。」

 そう言うとすっと離れた。

「そうだったね。」

 気を張らなくちゃ。




 王城の門前。宿屋シュバルツァーが近くに見える。女将さんが道に水をまいている。




 すでに行列になっている。何か記入しては城門に吸い込まれていく男達。中には入れないで騒いでいる者もいるようだ。

「入れる基準ってあるのかな?」



 ・・・美虹は夕べ気が付いた。

 なんでパンテェールの所に直接行かないのかと。

 彼はレオに好意を持っていたように見えた。彼がレオを王子だと思って喜んでいたのは間違いないと思ったからだが。レオもライもリヒテも彼を頭から疑っているみたいに振る舞ってる。そこが分からないのだ。


・・・・・・



 美虹は、自分たちの番を待ちながら、自分の知らない何かがあるのかも知れない。と考えて自分を納得させた。












「次。」

 いよいよレオ達の番だ。

「レイン。虎だ。こいつはミクティ。人だ。」

 書類になにやら書き付けてから、顔を上げて二人を見たのはバギーだった。


「ほう?使えるのはなんだ?」

「俺は長剣。こいつは魔法だ。」

 レオは長剣を見せた。いつも使っている方の何の変哲もない剣だ。それを見て頷いたバギーが美虹に向かって、

「杖は?」

と聞いた。美虹が答える前にレオが答えた。


「こいつの杖は特殊だ。おい。腕をめくって見せてやれ。」

 美虹は左腕をめくり上げた。肘の上に銀色の腕輪がはまっている。

「なんだ?」

「試作品だとかで押しつけられたんだ。安かったしな。」

 バギーは面倒くさそうに頷いた。

「あの魔道具屋か。奴なら言いそうだ。」

 知られているらしい。主に変人としてか?



「腕前は中で見せることになる。」

 そう言うとバギーは

「次。」

と言った。隣に座っていた見覚えのある獣人が、札を二人に手渡し、跳ね橋を渡って中に入るようにと付け加えた。








 中に入るとそのまま中庭のような所に誘導された。

 中には何人もの腕自慢が腕を組んで壁により掛かっていたり、噴水だったのか、少し壊れた池のような縁に座って話をしたりしているのが目に入った。


「ざっと3~40人という所か。少ないな。」

「多いんじゃないの?」

「言葉。」

「・・・・」

「おまえあんまりしゃべるな。」

「分かった。」






 何か言ってる人がいる・・・

「俺は行くぞ。終わったらここに戻ってくるからな。おまえもそうしろ。」

 そう言い残してレオが去って行った。

 美虹は一人で途方にくれていた。



・・

 

「お。いたいた。」

 バギーが美虹を探しに来たのだ。美虹は城の裏に連れて来られた。

「あの・・」

「ここで君の適性を見たい。と言われた。」

誰に?


「スルー。こっちだ。」

スルー?私だって分からないよね・・バギーにも分からなかったんだから・・美虹はどきどきし始めた。


「おまえが魔法を使えるという少年か。」

『そうだ。私は今少年だった。スルーとあったときは10才の女の子。分かるわけがない。』

「はい。」

『必要最低限しかしゃべらないこと。これがばれない秘訣・・・』

「属性は?」

「・・氷です。」

「氷か。炎の方が良いのだが・・まあ。的を出すから的を倒すか貫通させるかしてみろ。」



 かなり向こうにバギーが的をたてているのが見えた。人型の的だ。美虹には荷が重そうだ。




「よし。やってみろ。」

 バギーがこちらに戻ってきたタイミングでスルーが言った。ままよ・・・






 心の中でかっこつけの言葉を探す・・・あれ・・・なんでもいいや。

「レインボーフラッシュ」

 言いながら指先を的に向ける・・(レインボーって・・・なんだそれ。)自分で突っ込む美虹・・・

ぶしゅっ


・・・・・

・・・・・


「妙な詠唱だな?」

「・・・・///////・・・・」


「すごい。スルー。貫通しているぞ。」

 走って行って的を確認していたバギーが言う。


(え?貫通?)内心驚いていても、当たり前のように平然として、

「そうですか。」

と返す美虹。そんな美虹を見ながらスルーが、

「もう一度、してみろ。」

(え?また?出来るかな・・)

 バギーが新しい的をたて、どいたのを見てからもう一度叫ぶ

「レインボースラッシュ」

(あれ?さっきの言ったことと違うこと言ったような気がする)


 ばしゅっ


 あ・・・的がすっぱり2つに切れた・・



『フラッシュはまるで閃光みたいに一瞬で貫通する。スラッシュは切りつけたみたいになるんだね。』

心のつぶやきに、

『そうみたいだね。僕も初めて知った。』

とリュウが答えた。

『僕の力なのか美虹ちゃんの力なのかは分かんないけどすごいかも。』

『かもなの?』

『まだ良く分からないからね。』




 バギーが2つに切られた的を持ってきた。的はけっこう分厚い。


「おまえ。凄いな。まだまだ使えるのか?」

「そうかもしれません。でも、」

 さらに見せろと言われたら困る・・美虹は慌てて付け加える

「まだ使ったことあるのがその2つだけなんで。」

「ほう。伸びしろが多そうだな。よし。合格だ。」

 


 一緒にさっきの中庭に連れられていく。そこから城内に入る扉に案内された。

「あの。連れがいるんですけれど。」

「連れ?」

「ええ。豹人のレインって言います。」

「そういやおまえの名前は?」

「名前?」

 しまった。レオはなんて言ってた?・・

「ミ・・ミクティと言います。」

「ほう。おい。レインという奴がどうなったか分かるか?」

 バギーがすぐどこかへ走って行った。

「すぐ分かる。とりあえず、雇用条件を話し合おう。」

「レインが来てからで良いですか?」

「何故だ?」

「あの・・僕の後見人です。」

「ほう?」

 そこにバギーが走ってきた。

「すでに合格して控え室に待たせてあると言っていたぞ。」

「そうか。だが、レインというのは兵士か?」

「そうらしいな。かなり優秀な使い手らしいぞ。」

「ふうん・・・まあいいだろう。そいつも呼んでこい」


 美虹は、先に部屋に行くように促された。仕方がない。腹をくくってついていく。



 部屋に入ったらパンテェールとレッグがいた。後ろにラビーもいる。

 ちょっと困ってもじもじしていると、

「まあ座りなさい。」

と言われ、腰を下ろすことになった。


「君は魔法使いだそうだが。後見人がいると言ったね?」

「はい。」

「離ればなれになるかもしれぬが、・・・独立は大切だ。」

「でも、困ります。」

「なぜだね?」

「それは。」


 そこにノックの音と一緒にバギーが入っていきた。

「連れてきたぜ。」

「ノックしたらまず入室して良いか聞け。」

「めんどくせえ」

「おまえ達は・・・まったく・・ノックの意味がないだろう?」

「まあ・・・」

「連れてきたのか?」

「ああ。」

「入れろ。」



レオが入って来た。美虹を見ても表情を動かさない。






「おまえがミクティの後見人か?」

 レオがぎょろっと私を見た。

「こいつがそう言ったのか?」

「ああ。おまえは、レインだな?」

 パンテェールが確認する。

「そうだ。」

「後見人とは?」

 さらにパンテェールが聞く。

「こいつには身内がいないからな。俺が兄弟代わりだ。」

「なるほど。こいつに魔法の才があると気付いていたのか?」

「当たり前だろう。一緒に育ったんだからな。」



・・



 しばらくパンテェールはレオを見ていた。

「いいだろう。二人とも採用だ。」

「そうか。」

 レオが平然と頷く。

 すると、レッグが言った。

「おい。おまえ、レイン、言葉には気をつけろよ。」

 レオはレッグを見た。

「おまえも敬語なんて使っていないだろ。」

「そ・・」

 目を白黒させたレッグを見て、パンテェールは笑い出した。

「確かにおまえも敬語なんて使ってないな。」


・・・・・


「まあいい。部屋は同じ方が良いのか?」

 パンテェールの言葉にレオはしめたと思ったが、表面上は平然と、

「どちらでも良いんだが。」

と答えた。またパンテェールは笑った。

「弟のことは心配しなくても大丈夫そうだがな。まあいいだろう。レッグ。二人部屋にしといてやれ。」


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