43 変身・・・お約束・・!きゃあ・・・
朝ご飯を食べてから、いったんライ達の家に帰ることを聞いた。
「僕と美虹ちゃんだけ帰るよ。」
ええ?でも龍の力がいるんだよね?
「龍の力はどうするの?一緒に行っちゃ駄目なの?」
レオがほれみろって言う顔をした。なんだろう?
「一緒に行くか?」
「うん。」
「美虹ちゃん。行き先が分かっている?パンテェールの所だよ。」
「いいよ・・・でも子どもの姿じゃだめだよね?どうしよう。」
レオがまた私を抱っこした。ちょっと・・・
私は好きで10才の姿になってるわけじゃない。リュウに引きずられているだけなんだ。抱っこはどうもね・・・身をよじってレオから離れる・・・
レオが寂しそうに私を見てるけど・・それどころじゃないんだよ。
どうすればいいのかな?
『僕が君で君が僕なら、僕が引きずられたっていいんじゃないのかな?』
リュウの声がする。あ。そう言う考え方も出来るよね。
・・・・心の中で私に・・・私に・・・・・・
急に黙り込んだ私にレオがまた近づこうとしてるみたい・・・
でも
「おい。美虹が光ってるぞ・・」
遠くで声が聞こえる。気のせいかな体がぎしぎしいってるような・・・
不意に体が軽くなる・・・
「ば・・・馬鹿野郎!!!」
レオの叫び声と一緒にマントがかぶせられた。あれ。既視感・・・
・・・
「何か着る物はないのか?」
リヒテの慌てる声がする。目を開けて周りを見る・・・マントを払ったら、レオが怒った。
「隠せ!!」
・・
「あれ?私・・裸?・・・き・・・きゃあ・・・・」
・・・・・
あわててしゃがみ込む。再びマントがかけられた・・・だからマントだったんだ・・
私はちゃんと私になっていた。15才の女のコの体だ。
「みこ・・それがおまえの本当の姿か?」
私は目の端にある自分の髪をみた。銀色だ。
「違うみたい。私黒い髪の毛だもん。」
「今は銀だな。」
・・・・・
「女の子じゃ困るよね?」
「そうだな。」
ライが頷く。
・・・私がリュウでリュウが私・・・なら。男の子にもなれるってことだよね?
リュウが私の中で笑うのが分かった。そうだね。男の子だ。
「お・・・また光ってるぞ。」
結論から言うと、ちゃんと15の男の子になれた。でも。ひょろい。
「やせてるな。」
「筋肉がねえ。」
「パンテェールに雇われるかどうか・・・・怪しいな。」
・・・そんなこと言ったってさ・・・
このところずっと運動していない上に、移動も抱っこが多かったため、私の体力筋力は15の女の子にしても最低レベルなんじゃないかな?
「魔法使いとして出仕することにしよう。」
そう言われても。魔法ねえ・・
『リュウの力、私使えるかな?』
『大丈夫だよ。今も使ったから男の子になってるんだからさ。』
リュウとこそこそ話す。
『僕が離れると多分女の子になっちゃうと思うんだ。』
『私もそう思う。』
『とりあえず。一緒だから大丈夫。』
ちょっと心配だけどさ・・・
『リュウの力って氷と水だよね?』
『うん。でも、美虹ちゃんの力はそれだけじゃないみたいなんだよね。』
『どういうこと?』
『多岐多種だったっけ?』
ああ。カード。ちょっと違ったような気がするけど・・・似たようなものだよね・・うん・・
「おい。何一人でぶつぶつ言ってるんだ?」
リヒテが声をかけてきた。
「これを着ろよ。」
あ。私まだ裸にマントだった。まるで怪しい人じゃん・・・
リヒテから服を借りてきてみる。大きい・・・・
「とりあえず、ここを出るまでは、怪しまれないように元の大きさに戻れますか?」
ライが聞く。
「それはそうだよね。急に小さい男の子が姿を見せなくなったら変に思われちゃう。」
・・・しばらく考える。出来そうだろうか?
「やってみる・・・」
「男の子で良いぞ。」
「そうか。そうだね。元々男の子に変装してたんだもんね。」
しばらく自分に
「私は男の子・・・・・」
とぶつぶつ言い聞かせている。知らない人から見たら、かなり怪しく見えるような気がする。
・・・・・
「よし。とりあえず、ここを出て、服屋に行く。美虹の服を買わなくちゃなんねえからな。」
服を無事買い、また山のライ達の家に向かう。
でも本当に帰るんじゃなくて、途中で姿を変え、また町に戻る・・・
「門番に怪しまれないかな?」
「大丈夫だ。奴等金さえもらえれば何も言わん。」
リヒテが言う。
「それって・・かなり問題なんじゃないの?」
それもアルテミアの落とし物らしい。
「僕が王であった頃は厳しくさせていたんだがね。」
そういえば、ライっていくつなの?
聞いたら、王であった頃は20才だったんだって。若い。で、あれから15年だから、まだ35くらいなんだね。
ライはどうするのかな?
「ねえ。ライは?」
「う~ん。皆が行ってるのに一人だけ家にいるのもね・・・」
「でもさ。何かあったら助けに来る人も必要だよね?」
・・・
「そうだね。」
「どこにいる?」
「いっそのこと儀式の間に潜んでいようかと。」
「ええ?あんなとこに?一人じゃ怖いでしょ?」
「ははは・・・」
「そうか。儀式の間に潜むってのは良い手かも知れないぜ。」
「問題は誰が潜むかだぜ?」
「私嫌だ。怖いよ。」
「おまえは俺と一緒だ。」
「ええええ?じゃあ俺がライと一緒にあそこにいるのか?」
リヒテの嫌そうな顔。
「俺もパンテェールの所に潜入した方がいい。そっちの方が面白そうだ。」
「ごねるな。」
「まあ。あそこなら町に抜けやすいですしね。」
と言うことで、二手に分かれて動くことになった。
「どうやって連絡を付ける?まさか伝言鳥というわけにはいくまい・・・」
心話ってどのくらいの距離届くのかな?




