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WHYとWHITE DRAGON !!!!  作者: 猫山
2 出発
33/81

33 レオの家族

「まだ夜明けじゃないのかな・・暗いね。」

 リュウが話しかける。

「うん。洞窟の中で1日経ったのかな?」

 それにしても眠くはないよね。

「同じ夜かな?」

 ミニリュウと話しながら、にょろにょろがこっちだと示す方へ歩いて行く。

「あんまり夜は歩かない方が良いんだけどね。」

 私の目は洞窟の中で暗くてもよく見えるようになっている。

「眠くないし。見えるから。」


 だんだん辺りが明るくなってきた。夜明けだ。



「おい。あっちから煙の臭いがするぜ。」

「何か美味そうなにおいだ。」

「レオの臭いもするぜ。」

「肉だ。肉をくれ。」

「俺にもくれ。

「肉のにおいも・・・」

「血の臭いも・・・」



 血の臭いとレオの臭い、食べ物の臭いがするって事。


 


「家だ。」

「家だね。」



 林の中をずっと行くと少し開けた所にでた。

「畑がある・・」

「結界もあるよ。」


 畑の向こうに家。畑と一緒に張り巡らされている結界。私達は歩を止めた。


「どうする?」

「結界に触れると多分何か発動するよね。」


 










・・・レオ・・・



「久しぶりだな。」

「ああ。」

「こいつは?」

「転がしといていいよ。」

「ひ・・・ひでえ!!!」

 足下でリヒテがうめく。

 ほどいたらまた攻撃してくるだろうが?


「ほどけよ。」

 リヒテの声を聞きながら俺たちは4年ぶりに対峙する。

「元気だったか?」

 ライ・・・同じ黒豹人の男。

「ああ。おまえは?」

「おまえが出て行ってから、リヒテと二人ぼちぼち暮らしているさ。」

 カタッ杖をついてライが立ち上がった。


「なにもないけど朝飯を食べるか?」

「いや。その前に、洞窟を掘り起こすのを手伝ってくれ。」

「洞窟を?どうしたんだ?あ。いや。二人で戦って壊したのか?」

「リヒテが攻撃を仕掛けてきたからなつい・・・」


「壊すなよ。」

「悪い。だが急いでいるんだ。連れが洞窟の向こうにいる。心配しているはずだ。」

 ライは意外そうに俺を見た。

「連れ?もしかしたら、今こっちに近づいて来ている気配の者かな?」


・・・


「誰か・・近づいているぞ。」

 リヒテが転がったまま言う。

「ああ。俺も今分かった。」


 あいつ達だ。しようがねえな。来ちまったか・・目を瞑って気配を探る。間違いない。


「大丈夫だ。俺の連れだ。」

 

「おまえの?」

 俺は頷いた。

「ああ。俺のだ。」

 そのひとことでライは、にやりと笑った。

「一人にしていて大丈夫なのか?」

「ああ。一人じゃねえからな。」





・・・美虹・・・




「ねえ。結界が消えたよ。」

 何となく感じる。


「ってか、俺たちに入れって言ってるぜ。」

「大丈夫なのか?」

「誘い込むつもりか?」

「肉だ。肉をくれ。」

「肉の臭いだ。」

「血の臭いもするぞ。」

「はいろうぜ。」


 リュウも、

「危険はなさそうだからあの家に行ってみようか。」

って。ちょっと怖いけれど進むことになる。

「僕中に入ってるよ。にょろにょろも袋に入って。何かあったら出て行くよ。」

「いや。一人じゃ怖いんですけど。」

「大丈夫だ。僕すぐでれるから。」

 いや。そう言う問題じゃないんだけど・・・





・・・


 ドアをノックしようとしたら

 バタン・・戸が開いた。

「やあ。いらっしゃい。」

 黒豹獣人?


「あの。」

 私が声を出すのにかぶせて、

「おい。待ってろって言っただろう?」

 と押しのけるようにレオが顔を出した。

「レオ。怪我は?」

 聞く私にかまわず、レオは私を自分の方に引き寄せる。


「怪我なんてしてねえ。」

「でも・・・血の臭いが・・」

 レオは舌打ちをした。



「紹介はしてくれないのかい?」

 レオの後ろから何か声がする。さっき見た黒豹の人だよね。でも私はレオを見るのに忙しくて話を聞いていても聞こえてなかった。・・あ・・そういえば、レオがマントを着ていない。


「レオ・・本当に怪我してないんだね?」

 見上げたレオの顔に擦り傷が着いているのに気が付く。

「擦り傷がついてるよ。」

 手を伸ばして傷に触れようとしたところを

「紹介してくれないのか?」

 ともう一度言う声で我に返る。

「あ、」


 レオは後ろを振り向き、

「見せても良いが。俺のだと言うことは忘れんな。」

って???どういう意味?


「こんにちは。僕はライ。レオの叔父だよ。」

 杖を突いている黒豹人は、レオの叔父さんだったんだ。

「こんにちは。叔父さんですか。始めまして。レオのは色々お世話になっています。美虹って言います。」



・・・叔父さん?まさか?


「あ。あっちに何か動いてるけど。あれは?」

 テーブルの向こうで動く物が見える。


「ああ。リヒテって言いますよ。レオの兄弟弟子になります。」

 ライさんが教えてくれた。へえ。


「なんで縛られているんですか?おまけに怪我してるみたいですよ。」

 血の臭いはこのヒトだよね。


「あれ?リヒテさんは黒豹じゃない?」

 縄をほどきながらライさんが

「熊獣人ですよ。」

 って教えてくれた。耳が可愛いよね。






・・・・・





 あれから1ヶ月過ぎた・・私達はずっとここでお世話になってる。

 にょろにょろも本来の大きさに戻し、畑に近づいてくる魔獣を威嚇したりやっつけたり大活躍だった。

 夜には叔父さんというライさんからいろんな話を聞いた。この前聞いた話と似ているようで違う当事者達の話。

 やっぱりレオは王子様だったんだ?



「レオ。お城に帰るの?」

「いや。」

・・・


 ある日、レオがにょろにょろと一緒に魔物狩りに行ったすきにライさんと話が出来た。


「・・パンテェールさんはそうは思ってないでしょう?

パンテェールさんと一緒にいるあの傭兵さん達も。」


 ライさんは困ったように笑った。

「僕は誤解されているようだね。皆の幸せを願っただけなのに。」

 ため息と一緒にお茶を飲む。

「宰相と騎士団長の暴走がきっかけだったって言うの?」

「そうとばかりは言えないね。僕も悪かったんだろうから。」

「よかれと思ってしていたことが騎士団長さんには不敬と写ったって事?」

「だからレオを預けたんだ。魔力を磨き、武力を磨きいつか国を率いる力となるように。」


「それを皆にはっきり言わなかったから、騎士団長に狙われたって事?」

 聞いたら寂しそうにわらって

「彼は兄と・・・王と幼馴染みだったんだよ。だから僕に権力が行くことをよしとしなかったんだ。パンテェールは当時の副団長だったな。」


・・・


「もしかしたら。騎士団が実権を握って幼い王を操りたかったのかな?」

「騎士団長はリヒテの親父だ。」

 レオの声がした。

 わあ・・いきなり視線が高くなってびっくり・・


 抱き上げられたんだ。ライさんが笑ってる。何で私が抱き上げられるといつも笑うのかな?


「レオ。収穫は?」

 背中をぽんぽんとたたいて下ろしてアピールをする。


「トマが一かご。兎鳥が3匹。魔物は出なかった。」

「兎鳥ってこの前の?」

 台所から

「こけっちょって鳴く鳥の仲間だ。」

って。リヒテさんの声がする。縛られてたリヒテさんはあの後攻撃しないことを約束させられてから縄をほどかれてご飯の仕度に回されてるんだ。

「しめてあるのか?」

「ああ。今そっちにもってくから。」

 私を抱き上げたまま台所に移動して袋から兎鳥を3匹出した。


「ああ。」

 兎に似てるけど

「羽が生えてるんだよね?」

「鳥だからな。」

「兎みたい。」

 私の言葉にライさんとリヒテさんが反応した。

「兎とは何だ?」

 しまった。つい。


「こいつは遠いところから来たんだ。ここらの物を見たら珍しいんだろうよ。」


 ごまかしきれるのかな?本当のことを言った方が良いのかな?レオは白龍のことhないしょにしとけって言うんだけど・・



 夕飯は兎鶏の唐揚げだった。今では自分の意志で小さくなったり元の大きさになったり出来るようになったにょろにょろが喜ぶことといったら。思わず笑ってしまう。


 食後のお茶を飲みながら

「おまえ達。これからどうするんだ?」

ってリヒテさんが聞いてきた。どうするんだろうね?

「城に行くなら付いて行くぜ。」

「だから。俺にはその気持ちはねえ。ライも言ってただろう?俺たちはもうコマにはなりたくねえんだ。」


「だがな。おまえ達が行かないと大変なことになるぜ。」

「どういう意味だ?」


「国が・・いや。世界がなくなる。」

・・リヒテさんがつぶやいた。



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