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WHYとWHITE DRAGON !!!!  作者: 猫山
2 出発
29/81

29 増えた人達

・・・


  次の町に入ってまず真っ先にしたのは服を整えることだった。何しろ戦いで皆ぼろぼろなんだ。私がなんとか出来るかもってレオにこっそり言ったら、

「やめておけ。説明が面倒だ。」

って。確かに急に綺麗な服に戻ったら変だよね。




「でも、先立つものが・・」

 とレッグさんがつぶやいたら、

「金なら私があります。」

 そう言ってパンテェールさんは気前よくみんなにお金を渡していた。




・・



「ここでいつまでもうろうろしてるとまた追っ手がかかるぞ。」

 レオがいらいらしたようにつぶやいてるから、こそっと

「大丈夫だよ。向こうを出るとき残ってた人達に私達の行く方向じゃない方をすり込んでおいたからさ。」

って私が言ったら驚いてた。


「一本道だぞ。」

「うん。そうだったね。」

「それをどうして?」

「反対に来たから魔物に襲われたって思い込ませたよ。」

 みんな唯一さんが考えてやり方も教えてくれたんだけどね。


「減った仲間も元々一緒にいなかったって事にしといたし。」

 はあ・・・レオのため息に驚く

「おまえの魔法・・・なんちゅうことまで出来るんだ?」

 いや。唯一さんに言っとくれ・・・



 私とレオも三人が戻ってから服と食料を買いに町に行った。

「私までどさくさに紛れて服を買って貰って良いのかな?」

 そう言ったら、パンティールさんは

「気にしないでください。行く所は中央の街より寒いのです。合った服装も必要ですよ、」

って。そう言えば三人は前より厚着のような気がするね。




「ねえ・・・」

 今は御者台の上にレオと二人だけだ。アームさんは少し用を足しに離れている。


 目の前にリュウがでてきた。慌てだきこむ。

「苦しいよ」

「見つかっちゃったらどうするの?」

「そうだぞ。」

 レオも若干慌て気味。きょろきょろ周りを見回す。

「大丈夫だよ。ちょっと結界張ったからさ。」

「なんで出てきたの?」

「たまには伸びたいんだけどね。美虹ちゃんと一緒の方が大きくなって良いんだけど。今の状態じゃ駄目でしょ。」

 レオが嫌な顔してるね。


「当たり前だ。何か訳が分からんうちに人数も増えたしな。」

 袋からにょろにょろも顔を出す・・・

「このままパンテェールさんの国に行ってもいいの?」

 リュウが聞く。それは私もそう思ってた。

「送るのが仕事だったとは言え、もう他の人達がパンテェールさんと一緒に行動しようとしているよ。私達はいらないのでは?」

そう言ったら、レオは

「分かっている。だが・・・気になる。」

「パンテェールさんの話?」

 リュウが聞く。

「自分がその王子じゃないかと?」


・・・


「俺は一人じゃなかった。」

「え?」

「俺は一人で魔法使いに育てられたんじゃなかったんだ。」

「だから違うと?」


しっ・・・

にょろにょろが騒ぎ始めた。


「誰かくるぜ。」

「大勢だ。」

「10人は・・いるな」

「肉だ。肉をくれ。」

「俺にもだ。」

「確かににおう。」

「肉の匂いだ。」


 

 リュウは静かに防音と姿隠しの結界を外す・・・

 変に思われてはいけない。リュウはするりと私の中に戻った・・




「敵か?」

・・・


 馬に乗ったレッグさんが近づいて来た。

「多分味方だ。」

「味方?」

「傭兵団を抜けるのに手間取っていた奴等だと思う。」

 そう言って馬首を返し近づいてくる集団の方へ向かっていく。アームさんも戻ってきた。

「大丈夫そうなの?」

「レッグさんが大丈夫というなら多分。」





 12~3人ほどの集団。全員馬に乗り、普通にその辺にいる人のように灰色や薄い青などの色とりどりの上着に紺や茶色黒などのズボンを合わせている。でも、良く見れば、上着の下に何か身につけているのが分かる。何かな?

 一旦馬を止め、レッグさんと話している。それからレッグさんが戻ってきて馬車のパンテェールさんに話しかけた。

「パンテェールさん。第1黒豹隊全員無事追いつきました。」

 黒豹隊?全員黒豹って事?私はレオを見上げた。フードの下の表情は読めないけれど、多分嫌そうな顔をしているに違いないね。




「ねえ。あの人達が服の下に着てるのはなあに?」


 レオはちらっと男達を見て、

「ああ。あれは短甲だな。剣なんかから胴を守るのさ。上に着ていると、傭兵や兵だと思われるからわざと下に着ているんだ。俺も着ているぜ。」

って教えてくれた。

 レオも着てたんだ。全然気が付かなかった。いつもマントだしね。

「俺のは火蜥蜴の皮で出来ている。なめしも完璧だから柔らかいんだ。」

 なるほど・・・




 ・・・出発した。先頭にレッグさんその後に三人ずつ並んで2列。馬車の後にも三人ずつ並んで後ろにバギーさんとスルーさん・・・・



 前より進み方が速い。馬車の車輪ががらがら五月蠅い。夜になっても決して町には入らなくなったし・・・

 何で宿屋に泊まらないかというと、もしもの時に宿屋の人達に迷惑がかかってしまうかららしい。なるほどね。で、森の中で野営するらしい。


・・・ お風呂に入りたいよ・・・




 夜、皆が獲ってきた獲物を焼きながら

「だいぶ護衛も増えてきたし、俺たちはこの辺で引き返そうと思うんだが。」

 レオが切り出したら皆しーんと静まった。




「いや。貴殿には是非一緒に来て欲しい」

 だんだんパンテェールさんの言葉が変になってくよねえ・・・

「私からもお願いします。」

 アームさん。なんでレオと一緒に行きたがるの?やっぱり疑ってるの?レオの敵?味方?



・・・いやいや・・・敵とか味方とか言うのは可笑しいね。なんて言ったら良いのかな。変な言い方だけど、レオのためになるの?ならないの?ってとこかな?



・・・


「なんでレオにこだわるの?」

 私が聞く分には良いかな?

「フードをとってくださいませんか?」

 レッグさんが聞く・・私の言うことには無視ですか?


  レオは黙っていた・・・と・・・・隣にいたラビーさんがいきなりマントの頭の部分を払いあげた・・・レオの顔がむき出しになる・・・耳は・・・人の耳だ。うん。イケメン。レオはとっさに顔を隠した?

 




「迷惑だ。俺は魔法使いだ。顔は極力見せたくない。」

またフードを深くかぶる。


「あなたは王によく似ている。」

「王?」

 パンテェールさんの声に私が反応しちゃった。

「迷惑だ。俺は人だ。」

 レオはきっぱり言う。

 パンテェールさんは言いつのる。

「人?本当に?」

「しつこい。俺は年寄りの魔法使いに育てられた人間だ。後は知らん。」



「とりあえず、どうしても一緒に護衛していって欲しいのです。」

 パンテェールさんの言葉にかぶせるように、レッグさんが

「護衛の仕事をほっぽっといて帰ると、次は伝言鳥の仕事が減るぞ。」

って。レオはしばらく黙っていたけど、ため息をついた。


「いいだろう。だが、俺に変な役回りを押しつけようとするのはやめろ。」

「変な役回りではないかもしれませぬよ。」

 そう言ったパンテェールさんはレオと対照的にさわやかに笑っていた。






 いやいやだけど、依頼を全うすべく私達は馬車の上だ。


 


「目立ちすぎじゃないの?」

 私の声に馬車の中からパンテェールさんが

「目立つようにしています。」

って。

「襲撃とかされない?」

「いいえ・・・おそらくその心配より、」


 言葉を濁してる・・・そう言えば


「ねえねえ。パンテェールさんが持ってるものってなあに?」

 私がそう言ったとたん、レオに口を塞がれた。

 苦しい!!!

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