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WHYとWHITE DRAGON !!!!  作者: 猫山
2 出発
27/81

27 新たな客人

話し声がする・・・・・・だれ?にょろにょろ?


「あれ?」

 たき火の側で寝たと思ったのに。テントの中だ。レオ。私が寝てから運んでくれたのかな。


 不意に美味しそうな匂いが鼻をくすぐる。

「ごはん?」


 私はううんと伸びをした。それからゆっくり起き上がる。


 あれ?


 レオの他に3人の男が座っている。その側にはパンテェールさんとラビさん。

「お嬢ちゃん。目が覚めたかい?」

 3人の男のうち、明らかに黒い耳のついている男が聞いてきた。後の二人はかぶり物をしているので分からない。

「はあ・・・どちら様?」


「すみません。私の部下です。」

 パンテェールさんが言う。

「副隊長。その話し方は?」

「おまえ達もきちんと話をするんだ。」

「・・・まさか?」

「かもしれん。」



・・・・・



 どうでも良いけどお腹空いたね。

 レオが黙って椀を渡してきた。良く見ると、全員お椀とパンを持っている。朝食中だったんだ。でも?いつきたの?

「ありがと。でも私まだ口もゆすいでないし顔も洗ってないし・・・用足しもしてないよ。」

「早く行ってこい。」

 お椀とパンを引っ込めて馬車の後ろを示す。


 水は出せるようになってるから簡単。でも、用足しがねえ・・・




 ややあって戻ってきたときは、もう皆ご飯を食べ終わっていた。私も慌ててさっきの椀とパンを持って食べ始める。


「で?なんでここに?」

 レオは不機嫌そうだった。

「朝早く追いついてきたんだ。」

 あれ?そう言われれば、この人達見覚えがあるかも・・・



・・・



「俺はレッグだ。」

「俺は バギー。」

「俺はスルー」

「あ。私は美虹です。」




「なんで追いかけてきたんですか?」

尋ねたら、

「色々ありましてね。」

って。いろいろって何だろう?


「アルテミアの騎士団と途中すれ違ったので、出てきて正解でしたよ。」

「まだぐずぐずしていた奴等がどうなったか少し心配だけどな。」

ということは、まだ他にも追いかけてきそうって事?


 立ち上がって食事の後を片付けたり、たき火の後を消したりしながら3人が答える。何かあったのかな?分かんないけど


「副隊長と同じ所へ送ってください。」

「おい。もう副隊長はやめろ・・・」

「ああ。パンテェールさん。」


 片付け終わってまたパンテェールさんを馬車に乗せる。3人は馬だ。私とレオと御者のアームさんはいつものように御者台に上がった。


「そう言えば、どこに向かっているの?」

 不意に行く先が気になってきた。







「・・・もとのシュバルツァー王国のあったところだ。」

「遠いの?」

「あと一月近く・・かかるだろうな。」


・・・どのくらい遠いのか分からないけど・・・一ヶ月かあ・・・唯一さんに聞いてみようか・・・

『やあ。久しぶり。』

『早いね。唯一さん。』

 頭の中の会話だから、誰にも聞こえない。


『シュバルツァー王国って?』

『僕からは詳しくは言えないけど、今は、アルテミナの一部だ。』

『ああ。レオが育ったとこ?』

『も。含む。』


『あれ?レオってシュバルツァーの人?』

『そうともいえる。』

『まさかの?』

『その辺りはレオに聞くように。』


『唯一さん?』

 もういない。肝心なとこが分かんないよ。





 馬車は正直おしりが痛くなる。がたがた道だし。舗装道路って偉大だったよね。



 のんびり馬車は進む。騎馬の3人は時々早駆けをしては戻ったり、後ろに走っていっては戻ったりしながらついてくる。


「なんであんなことしてるのかな?」


 私の独り言に御者のアームさんが

「多分危険がないか見ているんでしょう。」

って教えてくれた。この人も耳があるから。

「もしかしたら、アームさんもパンテェールさんの仲間?」

って聞いたら、

「といいますか・・・パンテェールさんにお世話になったことがあるんです。どうせ天涯孤独だから、今回の話を聞いて、パンテェールさんに付いて行くことにしたんです。」

 ふうん・・アームさんも関係者だったんだ。

 その言葉で、レオはますます苦い顔になったけどね。


 アームさんはお世話になったパンティールさんのことを沢山話してくれた。馬車の中から、時々パンテェールさんが、そんなことはないぞ。とか、ラビーさんが私もそう思いますとか相づちを打ってくる。いい人なんだね。


 レオは終始無言だよ。どうしちゃったのかな?


 野営の時間になると、騎馬の3人がとってきたって言う獲物を出してくれる。それをレオが器用にさばく。ラビーさんや、騎馬の3人が薪を集め、火を熾す。馬車馬と3人の馬の手入れを終えた御者のアームさんが戻ってきてから、みんなで肉を串に刺してたき火の回りで焼き始めた。


 私?私はその間パンテェールサンの話し相手だ。

 でも、全く役に立たないかって言うと、鍋に水を満たしたり(皆が薪拾いをしている間にね)捌いた後の血などを洗い流したり。水を使うことはほぼ出来るようになっている。


だんだん焼けて美味しそうな匂いが漂ってくると、袋がうじゃうじゃとうねる。

「肉だ肉だ・・・」

 耳を澄ませば、小さい声が聞こえてくる。待ち遠しいんだよね。でも、にょろにょろ達こんな狭いところに入っていていいのかな?逃げたいって思わないのかな?後で聞いてみよう。


 焼けた肉は片っ端からおじさん達が食べちゃう。にょろにょろの分の確保は難しい・・・こっそり焼けたのを1本・・・また1本と入れていくけど・・・全員分になるのかな?かなり袋が蠢いてるよ・・・



 その夜から3組に分かれて見張りをすることになったって

 レッグさんとスルーさん。バギーさんとラビーさん。そして御者のアームさんとレオ。

「おまえは寝ていて良い。」

「だめだよぉちゃんと一緒に番をするよ。」



 私達は明け方の見張りだって。絶対レオったら私を起こす気ないよね。私はにょろにょろ達に起こしてくれるように頼むのを忘れなかった。




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