25 出発
・・・・
いた・・・リュウじゃないよ。
大きな蛇の大きな目
・・・
蛇ににらまれた・・・カエル・・ってこんな気持ち?やだっ!!!
「あ」
「あ」
・・・
急に蛇が小さくなった。また?小さくしちゃったのかな・・
レオを見上げ・・・
・・・
レオがいない。うそ・・・どこ?泣きそうになる・・
「れ・・・レオ!!」
「馬鹿野郎」
声が下から聞こえる・・
「あ」
「動くな!!踏みつぶす気か?」
手を見る・・・白くて・・・太くて・・・後ろを振り向いた。
ざざっ
「ばかやろう!俺たちをなぎ倒す気か!!」
・・しまった・・・
また白龍になったようだ。しかもこの前より大きくなってるみたい・・・
「・・・・・」
小さい声が沢山聞こえる・・ にょろにょろか?
「三つ頭のにょろにょろを押さえろ。」
レオの怒鳴り声だ。でも・・・
レオったら・・どうすればよいのか教えてよ・・
「え。私に?どうやって?」
聞き返したら、
「速くしねえと逃げるぞ。しっぽを踏め!」
・・・あわてて
ドスン
しっぽをふ・・・逃げる・・・むかっ・・・えい・・どすん・・・まただ。えい・・・
「お・・おま・・・俺たちのことも考えろ!! 」
「・・・」
小さな沢山の声がとろいって言ってる・・むかつくわあ・・・
5回目のドスンでようやく蛇のしっぽを踏みつけた・・・あれ?蛇ってしっぽ残して逃げるんだっけ?
踏んだしっぽの先がない・・・あれ?きょろきょろしてたら
「終わったぞ。」
ってレオの声がした。
「うまく綺麗なままとれたからな。良い金になる。」
私は足を持ち上げてつぶれたしっぽを見せる。
「これは?」
「これは今日の昼飯だな。」
「・・・・・」
「それよかおまえ、元に戻れよ。」
「どうやってなったかも分からないのに?」
レオはしっぽをしまい込みながらこともなげに言う
「おまえがやったんだろ?じゃあ元に戻るように考えろよ。」
「いつも言うけど・・・」
仕方がないので元に戻った所をイメージしてみる・・・
ぶつぶつ言っているうちに体が縮んで行くのが分かる・・・
「あれえ?」
「なんだ?」
「服ってどうなるの?」
・・・・・
・・・・・
服は・・・着ていなかった・・・お約束・・・?
「わあああ!!」
「ぎ・・・ぎゃあ・・・・」
慌ててマントを掛けられた。
・・・・・
頭3つは思ったより高く売れた上に、胴体も料理屋にかなりの額で売れた。
「破れた分の服を補充しとくぞ。」
ごめんなさい・・・いらない物入りだよね・・
残った金で家を借りるって・・・服を買った後で、家を見に行こうとしていたら、赤い鳥がレオの頭にとまった。びっくりしてみてたらレオの耳元でこそこそ話をしているようなそぶりを見せた。レオが頷くと赤い小鳥は真っ白に・・・凄い。ぽかんと見ていたら、今度は、鳥にレオが何かをささやいた・・・見ていたら白い小鳥がピンクになった・・・どういうこと?
鳥はぱっと飛び立っていった。
「ねえ。今のは何?」
「・・・伝言鳥だ。伝えると白に。引き受けるとピンクに変わる。」
「引き受けなかったら?」
「白いままだ。」
なるほど・・色で判別すするんだね。
レオは
「家探しは後だ。いや・・もう探すことはないのかもしれん。」
ってちょっと顔が引きつってるみたい。
「これも運命だ。いくぞ。」
翌朝は、またあの傭兵団の宿舎に行った。
レオはあの傭兵さんが故郷に帰るお手伝いをするらしい。
傭兵さんがこの前の兎さんに連れられてやってきた。後ろから何人か荷物を持って着いてきている。
「副隊長。本当に行ってしまうんですか?」
「仕方あるまい。体のきかぬ傭兵なんぞ欲しがる奴はいねえ。」
「でも。隊長をかばって受けた傷なのに。」
「しっ。滅多なことは言うんじゃねえ。」
「俺たちも一緒に。」
「そう言ってくれる気持ちは嬉しいが・・」
「俺たちも手続きが済み次第すぐ追いかける。嫌だなんて言わないでくれ。」
なんか・・・何とも言えないね。
馬車が着いている。
バドバドもぇっっぇって言いながら運ばれてきた。5人かがり・・・重そうだね
馬車にまず荷物をのせ、快適そうな場所を作ってからバドバドと一緒に副隊長さんと兎耳の人を馬車に乗せた。バドバドが大きいので窮屈そうだよ。でも寄り添って凄く幸せそうにも見えるね。
「どうですか?」
「ああ。いいぞ、」
馬車が走りだした。
御者のおじさんはこの前の人と違って陽気なお兄さんだった。
「俺のことはアームって呼んでくれよ。」
そう言ってにかっと笑った。あれ?帽子をかぶってるけど・・・黒いしっぽが見える。まさか・・黒豹なの?
レオとお兄さんは仲良く話をしている。
副隊長さん(アルファさんだって)はバドバドをなでながら何かつぶやいてる。兎のおじさん(ラビさんだって)に時々話しかけながら・・窮屈じゃないのかな?
私?私も御者台にいるよ。レオと御者のアームさんの間に入って景色見てるの。
行きもそう思ったけど。馬車って揺れる。そして直接がたがたがおしりに響く・・・舌を噛みそうになっちゃう。
長い野営生活の始まりだって言って、1回目の野営をした。お天気がよいこの時期は、テントも張らずに済ませることが多いんだって。でも、レオは私のために小さなテントを建ててくれた。
「子どもはさっさと寝ろ。」
言われて渋々テントに入る。にょろにょろも一緒だよ。
・・・
「女の子を連れての旅か。」
「いやなら俺は手を引くぜ。」
たき火の回りで話してるのがテントまで聞こえる・・
「いや。」
・・・
「なあ。レオ。そのマントを取って顔を見せてくれないか?」
「いや。」
そんな声も聞こえた・・後は眠ってしまったから分からない。
中継ぎの町の方向とは逆の方向にゆるゆる進む。3日くらい経つと小さな町が見えてきた。
急にアームさんが馬車を止めた。
「どうした?」
アルファさんが聞く。
「町の方から何か沢山馬が近寄ってくる気配がするんだ。どうしよう?」
「邪魔にならんように脇によけているしかあるまい。」
馬車を道の外れの草原に乗り入れる。果たして沢山の馬・・・
「傭兵団ではないな。」
レオがつぶやいたら、
「あれは・・・帝国の騎士団だ。俺。前に見たことある。」
アームさんが言う。・・・100人ほどの集団は我々を気にすることもなくすれ違っていった。
「何をしに行くんだろうね?」
「さあ?」
アームさんは首をかしげている。
レオはいつまでも集団が去った方を見ていた。アルファさんも・・・何が気になるのだろう?
第1部はここで終わりです。明日から第2部に入ります。




