20 にょろにょろ
朝。どんより曇っている。
「こういう天気の時は出やすいんだ。」
ベアベアがね?
山道をやっぱり抱っこで登っている。
「龍人は丈夫だとは聞いてはいるが・・・おまえは正確には龍人じゃねえんだよな?」
「う~ん。私本人は龍じゃないからねえ。」
「おまえに溶け込んでいる龍が龍人なのか?」
どうなのかなあ?
「分からないよ。」
「いずれにせよおまえは人間って事でいいな。」
断定されちゃった。確かに私は人間。でも、隠してあるけど、カードには龍人とも書かれている。
山道は木々の中をぬって続いてる。
「あれ?今って春?夏?秋?冬?」
「なんだそれは?」
この世界には四季という概念はないらしい・・・
「じゃあ?1年って?」
そろそろ道が狭くなり、獣道のようになってきた。目の前には木々が、私達が通るのを邪魔するかのように手のような枝を伸ばしている。その枝を時々手で払いのけながら、レオは
「雨季と乾季それが2回ずつで1年だな。」
雨季と乾季?
「今は?」
「乾期だな。」
確かに雨って振ってないよね。どんよりしてるけどさ。
「いた・・・」
木の向こうでがさがさ音がする・・・
がさがさどたどた・・・
あれ?
「ベアベアだけじゃねえな。」
ばたん・・
「わっ」
突然しっぽが飛んできた・・蛇?
「ちっ」
え?舌打ちした?
ひゅん!!
レオが飛んだ。凄い飛翔だ。大きな木のてっぺん近くの枝に立ち、下を見下ろしてる。
あのぉ・・・怖いんですけどぉ・・・
しがみつく私の頭をぽんぽんと軽くたたいて、
「ここにいろ」
「無理無理無理~~~~~~~~ 。」
ここに取り残されてなるものか。渾身の力でしがみつく。
・・・
「・・・離すな!」
諦めたのかそのまま飛ぶ・・・わわわわわ・・ばんじー?
鋭い悲鳴が聞こえる。
「ちっ」
そっと顔を上げてみると
「にょろがたくさん?」
「違う。にょろにょろだ。」
・・・・・
「にょろにょろ?この前聞いたような気がする。」
「言ったような気がするな。」
のんきに話をしてて良いのか?
頭がこっち向いてるよ。
「こんな所にいるはずがないんだ・・奴等は砂漠か草原にいるはず。なぜだ?」
・・・・
そうなんだ?
「奴にはにょろと違って、頭が・・・」
「6つ?」
ひいふう・・・数えていた私が聞いたら、
「ちが~~~う。」
「おれたちにょろにょろ」
「俺たち7すたあ(せぶんすたあ)」
「肉だ。肉だ。」
「べあべあだあああああ」
「横取りするんじゃねえ!!」
「なにものだあ!!」
うそ・・・
「ねえ。しゃべってるよ。」
・・・
「にょろにょろってしゃべるの?」
・・・
レオったらどうしたのかな?無言なんだけど??
・・・
「ちっ」
急に私を後ろに置いて剣を抜いたよ。剣が真っ赤になっていく・・・すご・・・
「とうりゃ!!!」
叫び声と共にレオが飛んだ。すごい。
がし~~~ん。
首の一つに剣が当たった。
「われ!!なにするんじゃ!!」
血がどばって・・うわあああああ・・ぐろい
首は取れてない。でもかなり痛そうにのたうち回ってる。レオがさらに2撃目をくわえようとしたとき、傷ついていない頭が一斉にこっちを向いて・・・怖い・・・口・・・何かはき出した。じゅうじゅう音をさせてるそれが木にかかったとたん木がじゅうって・・・融けた・・・
もう一度何かが吐き出される。それはレオの向かって・・
「レオ!!危ない!!」
私は思わず怒鳴って・・
「バリヤ~~~~」
ぐ・・・じいちゃんのくちぐせが出ちゃった・・・古い・・・
え?
何か透き通ったのようなものがにょろにょろとレオの間に出来たらしい
でも。にょろにょろがちいさければ無害になるんじゃないの? そうだよね?
・・・・
「あれ?」
急ににょろにょろが消えた。
「なんだ?どこに行った?」
残っているのは倒されたベアベア?
レオは警戒しながらもベアベアの側に寄っていく
・・・
「いねえ?」
私も近づいて・・・あれ?
「ねえ、レオ。下に小さい蛇が・・・」
と言ったとたん、賑やかな声がし始めた・・
「重い!!!」
「おまえも重い!!」
「どけ!!」
「肉だ肉だ!!」
「俺の頭をどうにかしろや!!」
・・・・
レオがベアベアをおしてどかす・・・と・・そこに・・
私の手の平くらいで頭が7つの蛇・・・
「あんたたち・・まさか・・にょろにょろ?」
レオはベアベアを点検してる。
「こいつらが倒したんだからこいつらのものだな。」
でも・・
「小さくなっちゃったから。どうにもなんないんじゃないの?」
色々訳ありに見えるにょろにょろと、彼ら(?)が倒したベアベア。
「小さくなったのっておまえが犯人だろう?」
「え?」
まさか・・私犯罪者?




