2 こんにちは
う~~ん・・・何とも言えない夢だなあ・・・
・・とりあえず歩くけど。 静かになんて歩けない。
めきめき・・・ばきばき・・・ずさっずさっ・・時々立ち止まって辺りの物音も確かめなくちゃね。
きゃきゃきゃ・・・サル?
ぐえっぐえっ・・・これはなんだ?鳥?の声かなあ・・・
めきめき・・・ばきばき・・・ずさっずさっ・・
この音で目が覚めそうな物だけど・・・
めきめき・・・ばきばき・・・ずさっずさっ・・
しばらく行ったら立ち止まってっと・・それを繰り返しながら進んでいる。何回目かに立ち止まったとき、今ままでの音と違う物音に気が付いた。
・・・なんてのかな。ガチャンとか・・・ガキッとか・・・そんな感じ?
金属音みたいだね。結構激しい音だ・・
・・・・誰かいるのかな?・・・・・好奇心がむくむくと・・・
・・・
できるだけそうっと物音のする方へ進んでいく・・・でも。べきべきって木が倒れちゃうし・・バキバキって足下で倒れた木を踏む音がしてるし・・もういいや。居直っちゃえ。
めきめき・・・ばきばき・・・ずさっずさっ・・
ちょっと行った先で人が争ってるみたいだった。いや・・・人と何か?なんだろ?
キン・・・金属のような音?
私はそっと木を左右に分けその先をのぞき込んだ。
男達?が剣を持って戦って?いる?。その前には見たこともないような獣・・熊のようで熊ではない。熊と虎が混ざっているような・・・あれは?翼?羽根が飛び散っている。もうぼろぼろだ。うわあ・・・痛そう・・
・・・あ。あの二人・・羽を攻撃してるんだ・・・飛べないようにかな?
で・・・人の方は・・・必死で剣を振るってる人2人・・・と・・その後ろで何かじっとしてる人・・へんなの。・・・皆で行かないんだ? 剣を使っている二人は胴の所に何か付けてるね。鎧?二人とも茶色の髪の毛で緑の混じった灰色っぽい服を着てる。動きやすそうだね。
もう一人はマント着てる。頭まですっぽりマントで覆ってるよ。動きづらくないのかしらね?
しかし・・どっちかに味方した方が良いのか?そっとしておいた方が良いのか?
しばし考えたけど。私はか弱い乙女・・・だよね。夢でもきっと剣なんか使えやしない・・・
・・・そっとしとこう。巻き込まれてこっちに攻撃しかけられたら夢とは言え困っちゃうから・・・うんうん・・
・・・そっと木を元のように起こして・・足早に別の方向に進・・ぼっ・・ん?何の音?
振り向いたら火だ!火が見える・・まさか火事?大変
慌てて戦ってる人達の方へもう一度向き直ったら
「×××××××××」
戦っていたうちの一人がわめいてる。何を言ってるんだろう?
「×××××××××@@@@×××。」
ってマントの人。
「×××××××××××!!!!」
もう一人も叫んでるよ。相当慌ててるような声だね。
火を付けたんだろうなって人は、さっき後ろで何もしてなかったように見えた人だ。仲間割れ?
二人が慌てて、熊みたいな生き物に布をばさばさ掛けて火を消そうとしてる。マントの人が私をはっきり見て
『おまえの力で消してくれないか?』
って言うんだ。・・・あれ?言うってか・・聞こえたってか・・・おまえ?私?
・・・一応聞こうかな・・・
『私?』
口から出たのはきゅうきゅうって音だけど・・・
・・あれ?通じる?
『おまえ。』
頷いてるけど・・・やっぱり頭に直接響いてるみたいな感じ。へんなの・・
消し方知らないし。でも消さないとまずそうだね・・・どうしたら?
『消すってどうやって?』
・・火を消すって,アルコールランプとか・・バースディケーキのろうそくくらいしか消しけしたことないよ。
・・・・・蓋がないからランプみたいには消せないよね・・・
『おまえなら一吹きだろ。』
頭に直接響く声・・
・・じゃあ・・ろうそく消すみたいにふう・・・って・・・よし・・・ふうう・・・息を掛けたら
『うわあ』
火は消えたけど。火を消そうとしていた二人が固まっちゃった。真っ白だよ。まさか・・・凍った?
火も消えてる。
『ははは。おまえ。すごいな。』
ってマント男。
『し・・・死んじゃったかな?』
きゅうきゅう・・・慌てて聞き返したら、
『・・・いや。じきに気が付くだろ。その前にここを離れよう。おまえも来いよ。』
って。あの・・
くいくいって近づいてくる。ちょっと。近づきすぎじゃない?
私じろじろ見ている気配がするよ。
「XXXXX@@@@」
え?
私の反応を見てよ!!通じてないっって・・
『おまえ龍だろ。まだ子どもってとこかな。親にはぐれたのか?』
頭の中に響く声・・
は?龍?私が?
・・・・目の前真っ白・・・あ?
で・・・何で私に乗ってるの?乙女の背中を何だと思ってるの?
『行くぞ。まっすぐ進めよ。そしたら開けたところに出るはずだ。そこから飛び立てば良い。』
開けた所って・・・さっき出てきたところのことだよね?飛び立てば良いってまさか私羽まであるの?
『私、翼があるの?』
きゅう?思わず聞いちゃった。
『何言ってるんだ?おまえ白龍の子どもだろ?龍で翼がないのは地龍だけだぞ。』
って。白龍?私?
『・・・・は・・・く・・・りゅ・・・う???』
『行くぞ。』
響く声・・私の質問は無視ですか?
仕方なしに歩き出す・・・
『あの二人はほっといて良いの?』
心の問いかけに
『ああ。ここまで案内して貰うだけのつもりだったからな。』
って?
『仲間じゃないの?』
背中がくすぐったいなあ・・・
『ない。たまたま会っただけで、魔法での援護を頼まれただけだ。』
魔法?ここって剣と魔法の世界?すごいな夢。王様とか騎士様もいるのかな。ワクワクしちゃうね。この辺りで目が覚めそうだね。面白い体験だったよ・・・・
・・・・・・・・・
・・あれ?目が覚めないや。