表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
WHYとWHITE DRAGON !!!!  作者: 猫山
1 出会い
19/81

19 依頼をこなしに

「とりあえず昼飯を食おう。」

 ?さっき、つまんだのに?

「さっきお昼食べたじゃない?」

「あんなのはおやつだ。」


・・・・・


「飯を食ったら依頼の一つをやっつけにいくぞ。」


 すぐ側にあった食堂に入った。

 入っている人の数も少ない。


「あれ?獣人?」

 店の奥にいる料理人の頭に丸い耳が見える。

「そうだ。熊の獣人だ。」

 お互い小さい声だ。でも聞こえたみたい。耳がぴくぴく動いている。可愛い。

 思わずつぶやいたのも聞こえたのかな。ひょいと顔を出した。結構お年のその人は私達を見て、にやって笑った。


「レオ。久しぶりだな。」

「おう。」

「定食か?」

「ああ。2つ頼む。」

「可愛いのを連れているじゃないか?」

「まあな。」

 知り合いみたいだね。




 奥のテーブルに座ると、若い女の子が注文を聞きに来ようとしたけど、熊さんの一言でまた引っ込んだ。この子の頭にも丸い耳があるよ。

「けも耳って可愛いよね。・・・あれ?そういえば、レオのも可愛かったな。」

「俺のはいい。」

 何で嫌そうな顔をするのかな?

 豹の獣人だって言うけどさ・・黒猫みたいな耳がくっついていたと思うんだけどな。触りたいんだけどな。

 あれ?他の獣人は耳を見せても平気なのに、何でレオは他の人に見せないのかな?不思議。



・・・


「おまたせしました。」

 熊耳の女の子が定食を運んできた。

「わあ。」

 魚だ。魚を揚げたのに、とろりとしたソースがかかってる。甘酸っぱい臭いがしている。パンみたいなものと、スープとサラダみたいなのが他に付いてきてる。美味しそう。


「魚なんて久しぶり。」

「そうだな。」

「レオったら口数が極端に少なくなってるね。なんで?」

「聞かれるだろう。」

「あ・・・そっか。」



 そうこうしているうちにだんだんお客さんが増えてきた。お店の忙しい時間が一通り終わって一休みする人達みたいだ。ここで休んだらまた一働きだって言う声が聞こえた。



 少し賑やかになってきたので、私達の話に耳を傾ける人もいない?

 美味しくいただきながら、でも小声で、依頼の話を聞く。全部で3つの依頼があったそうだけど。一番簡単なのが、ベアベアを狩ることらしい。

 大変なんじゃないの?

「あれは、いるところを見つけるのが大変なだけで、俺にとっては簡単な得物だ。」

 あ・・・そう。ってことは、

「連れてってくれるんだね?」

「ああ。ついでにおまえの魔法の訓練も兼ねたい。」

「私、本当に使えるのかなあ?」

 唯一さんが使えるって保障はしてくれてるけど・・・


「カードに記されていただろう?使えるはずだ。」

 ちょいと不安だけど・・食べ終わった私達は1つめの依頼をこなすべく立ち上がった。



「多分、山の中で1泊だな。」


 あ。そう・・・宿屋は断らなくて良いの?

「荷物も置いていないからな。夕飯に行かなければ、泊まらねえって分かるだろ。」

 そんなアバウトで良いんだ?



 食料品屋でパンや干し肉などを買い込んでレオの袋に入れていく。凄くたくさん入るよね?

「魔力に比例してるんだ。」

 あ・・・そ。

「おまえにやったポーチにも結構入るだろう?」

「分かんない。」

「そうか?」


 袋やポーチ、鞄などいろいろな収納があるけれど、最初は皆同じ大きさなんだけど、持ち主の魔力に応じて収納能力は決まるんだそうだ。へえ?

このポーチも。私が持ち主だって登録してあるから、私の能力に合った収納力になったんだって?変なの。

 

 もし、このポーチが違う人が持ち主になったら、中身は自動的に前の持ち主のところに移行するらしい。前の持ち主の新しい入れ物に中身が飛ぶって事。だから盗んでも仕方ないんだそうだ。すごいな。あれ?亡くなっちゃったら?


『持ち主が死んだら全ては消滅するんだよ。』

 あ。唯一さん?

『そういう設定にしてあるんだよ。そうしないと、スリや泥棒が横行するだろう?』

・・・ そういう設定?唯一さん。それって変な言い方だよ。ゲームみたいに聞こえる。

『そういうつもりじゃないんだけどね。』

・・・

そういうつもり?

・・・

もうどっかに行っちゃったのかな?


・・・

なんて不思議。






 山へ続く道を行く。

「この前とは違う方向だね?」

「分かるか?」

 この前通った門と違うよ。さすがに分かる。

「まあね。」



・・・


「今回はあの山を目指している。」

 明日には帰ってくるって事だけど・・かなり向こうに見える山を指してるね。

「遠くない?」

「走る。」

「え?走れないよ。」

「大丈夫だ。」

 その言葉と共に私はまた抱き上げられた。


  は・・・速い!!走ってる!!



 凄いスピードだ。顔に風がびしばし当たって苦しい。

「顔は俺にくっつけておけ」

 しっかり胸にすがりついたよ。


 バイクに乗ってるってこんな感じ?滑るように走るレオ。普通走ると少しは上下動があるはずなのに、ほとんど感じられない。凄い。


「獣化するともっと速いんだが。」

「し・・・し・ても・・いいよ・・・」

 こっちは息も絶え絶えなのに。

「そうするとおまえは俺の背に捕まることになる。今のおまえの握力じゃ振り落とされてしまうだろうよ。」

 何でこんなスピードで走りながら会話できるの?


「心話を使っているんだが。分かるか?」

 分かんないわ!



・・・・・


 日暮れ前に山の麓に着いた。すごい。

「今夜は麓で野営だ。」

「レオ。疲れてないの?」

「まさか。」

 私をじろりと見て、レオはどんどんテントを建て、竈の石組みをしていく。

 その速さに見とれてしまっていた・・・

 竈って事は、薪がいるね。あわてて辺りの木の枝を拾う私。



 やがて竈に火が入り、鍋に水筒から水を入れながら、

「すくねえな・・・」

「そう?」

「途中飲んだからな。」

 え?走っていていつ飲んだ?気が付かなかった~~



「みこ。水を出してみろ」

「はい。」

 水筒を出したら、舌打ちされた。それから、

「魔法を使って出して見ろって言ってるんだ。」

って無茶なことを言われた。


・・・


「やったことないよ。」

「おまえはいつもそれだ。やったことがなくても出来るはずだ。」

「詠唱も知らないよ。」

「詠唱か・・・いや。多分・・オマエの半分は龍なんだろう?詠唱なんて龍がしているとは思えねえ。多分出すと思えば出せるんじゃねえか?」

・・・・・う・・ん・・確かに龍が詠唱してブレス吐くとかディ○○ーのシューでもなかったよね。


 なんとかなるかな?????

 心の中で・・・

「鍋いっぱいの水。」

 ざばあ・・・


・・・鍋から水があふれ出し、火がたちまち消えちゃった。


「わ。おまえ何をした?」

「え?鍋いっぱいの水が出るように・・・」

 何で多かったのかな?

「鍋いっぱいじゃなく。一杯にすれば良かっただろう?」

え?同じじゃないの?

「いっぱいは、あふれんばかり。一杯は文字通り1杯分だ。」

そう言いながら火魔法でまた火を付け直すレオ。ごめん。

「魔法使うときは具体的に思い浮かべなくちゃ駄目だ。」

 なるほど。確かにそうだよね。



 美味しいご飯も終わり、近くの茂みで・・・・

 なんとかならないのかなあ?乙女がおしり丸出しで用を足すのはなんとも・・・・



・・・・・



 ブチブチ言いながらテントに戻る。

 毛布が1枚敷かれていてその上にもう1枚の毛布。


 鍋を綺麗にしたレオが戻ってきて

「寝るぞ。」

と言って私を抱き込んだ。

「き・・・きゃあ!!!乙女に何するんだあ!!!」



「うるさい。ガキは静かに寝ろ。」


・・・そうだった。


「オヤスミナサイ。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ