11 ゲームの世界?いいえここは異世界です。
・・私達は崖の下にいる。
「ここで待ってろ。」
レオは私を下ろしてくれたんだけど。
「どこに行くの?」
レオはにやりと笑って私を見た。
「あそこだ。」
ほぼ垂直の壁・・・その岩肌の隙間に可憐な白い花が見える。
「まさか?」
「あの花を根っこごと掘るんだ。」
・・・
「どうやっていくの?」
袋から出した黒い手袋をおもむろに手にはめだしたね?
その手袋にはでこぼこがついてる。
「まさかそれでよじ登るの?」
「そうだ。」
無理でしょ?
「見てな。」
レオはさらに何かを袋から出した・・・鍵付きロープ?まさか引っかけて登るの?
まさかだった・・・くるくると鍵の着いたロープを回して崖の上に見える木に引っかけた・・・
「じゃあ行ってくるぜ。」
するするとロープを登っていく・・・凄い。
花のところでとまって何かしてる。それから花を持ってするすると降りてきた。
「ほら。」
見せてくれた白い花。百合みたい。匂いがきつい。
「ちょっと凄い匂いだね。」
「この匂いが良いのさ。球根も採れたしな。良い値段で引き取ってもらえそうだ。」
目的を果たしたとかで戻るって。
「1つでいいの?」
「ああ。」
上を見るとまだいくつか咲いている。
「全部採っちまったら次の奴が困るだろう。」
へえ?
「じゃあ球根採っちゃだめじゃない?」
「全部は採ってねえ。半分残してある。」
失礼しました。
・・・ゆるゆると歩き出す。来るときよりゆっくり目なのは私に合わせてくれているんだろう。
「ねえ。この国にはギルドみたいなのってないの?」
「なんだそれ?」
「え?冒険者が登録していろんな依頼を受けるんだよ。」
レオが呆れたように私を見たよ。
「そんなもんあるわけねえだろ。」
「じゃあ、レオはどうやって依頼を受けてるの?」
レオは歩きながらこの国のことを話してくれた。
この国の人達は等しく産まれたときにいろいろな色の板を握って産まれてくるんだって。うそ・・・ あの金の板も握ってきたって事なの?
「そう言うことだ。」
それを持って神殿に行くと文字が浮かび上がる・・・信じられん・・・けど・・・
そこには、その人の持つ特性が・・・大工だとか、魔術師だとか、料理人だとか書かれてるらしい。
勿論、後天的に身につけることが出来たことも、神殿に行けば追加されるんだって。
獣人とか人間とかの種別は隠すことも出来るらしい。ただし,これも神殿に行かないと駄目だって。神殿どんなところ?ただし、人間は概して隠さないから、かえって隠すと獣人ですと行ってるのと同じらしい。
「じゃあレオ。バレバレなんじゃないの?」
「いや。魔法使いは全員見せたい所だけしかみせていない。」
「ええ?」
「魔法使いは見せたい部分だけを見せることが出来るんだ。」
いつの間にかまた私は抱き上げられている。さっき躓いちゃったからだ。
「魔法使いじゃない人は、皆・・他の人に自分の特性が見えちゃうって事?」
「そうだな。」
「ずるくない?」
「いや。魔法使いは出来るだけ手の内を見せないのが良いんだ。」
「炎は見せてたじゃない?」
「おまえの氷もな。」
「ってことは、炎以外にも使えるって事?」
「勿論。」
「教える気は?」
「今はないな。」
今は?
「いつかは教えてくれるの?」
「ああ。多分な。」
しばらく黙って歩いてたけれど、思い出したように
「ついでに言うと、金色も、他の奴等には普通の木の板に見えている。」
って?
「え?私金色にしちゃったじゃない。」
「大丈夫だ。他の奴からは金には見えてねえから。」
何か良く分からない。
「で。おまえが聞きたがっている依頼だが。」
伝言鳥という鳥が伝えてくれるんだそうだ。
「依頼したいやつは神殿に行って伝言鳥に頼むのさ。伝言鳥は、周囲を探って一番近いところにいる、一番その依頼に適した奴の所に飛んでくるって寸法さ。」
不思議。ゲームの世界じゃないんだねえ・・・いや。これもゲームか?
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