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ドッペルゲンガー百合 ~12人狐あり・通暁知悉の村~  作者: 笹帽子
【4】草苅はるかは何も知らない
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■我が国におけるオオカミの復活

 江戸時代後期における狂犬病の猛威と、明治期における開化政策により、我が国における狼の神格は地に堕ちた。時を前後して、鹿を始めとする野生動物の乱獲により、ニホンオオカミたちが糧を失い、やむなく家畜を襲うようになったことで、オオカミは憎むべき敵となっていった。日本人は狼に対する畏敬、畏怖、信仰を忘れ、害獣として迫害することとなり、ついに彼らは、オオカミを絶滅へと追いやった。

 現代において、シカやイノシシによる獣害は著しく、日本全国において大きな問題となっている。これはオオカミが日本から失われ、食物連鎖の頂点が空位になったことで、生態系のバランスが崩壊していることの証左である。農耕民族である日本人が、作物の守り手であった大口真神を失い、自然への畏怖を失ってしまったことの痛烈なる証である。

 この事態に至ってもなお、日本人の多くは狼を卑劣な害獣としてしか捉えていない。「赤ずきんちゃん」を始めとする西洋童話世界に現れる、ずる賢い悪役としての狼像に囚われているのである。

 我々日本人は、狼への畏怖の心を取り戻さなくてはならない。生態系の頂点たるオオカミの復活と、山の動物神の頂点たる狼の復活が、今こそ求められている。


『日本人とオオカミ』(日本にオオカミを取り戻す会・編)より


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