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機械の竜は宇宙を行く  作者: 機械龍太郎
第一章 秋津洲戦役
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第四話

新型機動兵器・機竜は旧来の兵器に対し、優位に立てるだろう。





宋胡は植民惑星間を自力航行可能なほどの大型航宙戦艦と、その艦載機であるバッテリー駆動式の人型機動兵器・人機を主力兵器としている。



この大型戦艦はJM粒子を核とした反応炉を動力源とし、そこから精製される粒子ビームを主兵装としている。

人機はこの粒子をチャージした打ち切りタイプの小型粒子砲を主兵装としている。


火力は絶大、装甲は自艦の砲撃にも耐えられる堅牢な複合装甲という戦艦のお手本のような戦艦に、航続距離は短いが小回りが効き、火力も十分にある人機がその周囲を固める。


単純で、それゆえに堅実なのが宋胡の戦い方だ。





一方我が国の戦力といえば艦船の技術は宋胡と同程度だが、配備数で大きく水を開けられており、無策で当たれば順当に数の暴力で圧殺されるといったところか。


そこで我らが生き残るための切り札が、3年前に完成したばかりの新型機動兵器・機竜だ。






機竜とは乱暴に言ってしまえば動くビーム砲である。


中心にJM反応炉を据え、先端から強力な粒子ビームを発射するための長大な粒子加速器を、自力で機動できるようにしたのが機竜の始まりである。


こんな単純な構造なんて誰もが思いつくが、これまで現実化しなかった理由は簡単。

JM粒子反応炉の小型化に成功しなかったからである。



だが単純に動くビーム砲が出来ました。ってだけでは戦艦の下位互換だが、そうはならない理由がある。






機竜は粒子ビームを無効化する。







初めは「反応炉の小型化成功によってビーム砲の大量生産も可能になったし、無人砲台として大量配備して砲門数だけでも稼ごうかな」としか考えていなかったそうだ。


だが、こんな単純な構造だからこそ発見された特性があった。


機竜の構造は反応炉と加速器である胴体、それだけであるがゆえに、胴体から発生する、本来は内部の粒子を加速させるために使われていた磁場が機体周囲にまで漏れ出し、結果として外部から放たれた粒子砲は機体外部の磁場をなぞるような形で受け流される。



これによって粒子砲を主兵装とする現代兵器郡を一気に陳腐化させる可能性を秘めた、まさに第二のドレッドノートとも言うべき兵器こそが機竜なのだ。



そして、この無敵のビーム砲が、なぜ機"竜"と呼ばれるようになったかと言うと



宇宙空間で運用するなら人機みたいに四肢を使った姿勢制御ができる方がいいよね。

→どうせなら将来考えられる対機竜戦を見越して実体の爪をつけよう。 

 あと機体にくねらせるような柔軟性を持たせるために、リング状の加速器をつなげる蛇腹構造を基本としよう。



前方に一門しか火砲がないのはどうかと思う。

→ならリングの一部を開閉可能にして、そこから加速した粒子を一部漏れ出すような形にして発射し、その開閉部の両脇に磁場制御用の装置を取り付け目標に誘導できるようして副砲を作ろう!



といった形で、出来上がったモノを見てみると、長大な体に鋭い爪のある四肢、天を突くような背ビレと、まるで竜のような形に出来上がったから、”機竜”と名付けたそうだ。



冗談みたいな話であるが、機竜開発の責任者であった僕の父さん、鷹村孝蔵がそうだと言っていた



個人的には多分に趣味が含まれていると思うが・・・








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