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底辺高校の鈴谷さん その8

鈴谷さんと学芸会


魔女イトーダの操るモーブ達の魔の手が迫る、紋付袴の女侍鈴谷、絶体絶命のその時!眩い光に包まれる!

顕現する三体のシルエット!

『我々の力を授けよう、必ずや魔女イトーダを打ち滅ぼし囚われの王子を奪取するのだ』

「ぬ!!こやつら直接脳内へ・・・」

アマテラスとゼウスとアザトース、三神の力を借りその刀に光を宿す。

光が消え三体の神も消え去った瞬間に現実に戻される、そこには襲い来るモーブが。

「もーぶ!」

「もぶもぶ!」

「もーーーぶぶ!」

「くっ!負けるかぁ!!」

聖剣へと進化した刀は一振りでモーブ達をなぎ倒す。

「「「もぶぅ~~」」」

「ぬ!この力は・・・いける!」

襲い来るモーブ達をバッタバッタと全て切り倒す、そして現れる右手に杖を持つ漆黒のローブを纏った魔女イトーダ。

「イトーダ!観念せよ!その御霊を持って贖いとしてくれる!」

「フハハハハ、東洋の騎士なんぞに負ける訳がないわ!くらえぇ!」

右手の杖からは赤い閃光、左の掌からは白い閃光は放たれ鈴谷を襲う。

「くっ!」

光を剣で受け止め、その体勢のまま距離を縮めた後の・・・一閃

「ひでぶぅ!」

聖剣の力で浄化される魔女イトーダ、鈴谷は魔女の城の最上階に向かいそこで永遠の眠りに落ちている王子を見つける。

鈴谷は静かに王子に口付けをする。

「殿、お迎えに馳せ参じました」

ゆっくりと目覚める王子。

「君が僕を助けてくれたんだね、王妃として歓迎するよ」

こうして侍、鈴谷は異国の地で王妃となったのでした、めでたしめでたし。



鈴谷さんと学芸会2


「「「「ッしゃあああああああああああああ!!!」」」」

学芸会の最優秀賞に僕のクラスが選出された、副賞の学食1週間食べ放題が授与された。

流石底辺高校と言うのか対価が無いと真面目に取り組む生徒なんていないし、逆に利益があればここぞとばかりに全力で取り組む、教職員方も扱いが馴れた物だ。

「ご飯代全部小遣いにできるとかっべーわ、マヂっっべーわ」

糸田さんもお金に余裕が出きると喜んでいる。

「うハァー!!ハァ!!っっふ!!今日はぁカレーとぉぉ!!!らめぇラーメンとぉぉ!!カツドゥーンっとぉ~!!!んっっっほおおぉぉぉぉぉ!!」

嬉しくて嬉しくて言葉にでき無い鈴谷さんも半狂乱で喜んでる、太らないのが不思議である。



鈴谷さんの看病


頭がぼーーっとするーーーー

はぁ~~、なんかノート録るのがおっくうだ・・・

後で糸田さんに写させてもらえばいいやぁ・・・少し寝よう・・・・

腕で枕を作って机で寝ようとすると、ぴたッっと額にひんやりとしていて柔らかいものが触れる。

「うぬ、少し熱があるようだな」

瞬間、ぐるりと視界が反転し体が一瞬無重力状態になる。

おかげで、ひぃや!っとかいう変な声出ちゃった。

「すまない、熱があるようなので保健室に連れて行ってくる」

鈴谷さんは僕をお姫様抱っこの要領で抱き上げている、何これやだ恥ずかしい。

「よろしく頼んだよ~」

数学担当のおばあちゃん先生がそう言って送り出す。

高校二年生の学び舎である東校舎の3階から本校舎1階の医務室まで、しっかりとした足運びで僕をお姫様抱っこの状態でずんずん歩いていく。

やめてくれ恥ずかしい、事業中と言えども何処で誰が見ているとも限らないのに・・・とは思うけれど言葉にするほどの体力は残っていなくて、ぼーーっとした意識の中、右腕が触れているのはやっぱり俎板だなとか、鈴谷さん良い匂いがするなとか、綺麗な黒髪だなとか、一回でいいから沙保里と戦う所が見たいとか、考える事は健全な高校男子のそれだった。

「たのもーー!!」

ガラガラと医務室のドアを僕を抱えたまま器用に開ける、桁はずれた腕力を披露する鈴谷さん、日本代表に選ばれる日も近いんじゃないだろうか。

「あら珍しい顔ね、その子具合が悪いの?」

と、保険医が対応してくれる。

「真ん中のベッドに寝かせてあげてね~」

「承知」

そういって割れ物でも扱うように僕をベットの上に移動させ靴を脱がせ、制服の首元を緩め、体温計を脇に差し、乳首を指の腹でコリコリっと摩り、と甲斐甲斐しく世話をしてくれる鈴谷さん、おい今最後何しやがった?

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