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底辺高校の鈴谷さん その3

鈴谷さんは戦力である


不良の秋山君が鈴谷さんに頼みごとに来ていた

「明日、西高の連中との抗争がある、鈴谷たのむ!加勢に来てくれ!!」

最敬礼である、女性にそんな事頼む秋山君はどっかおかしい。

「我は無駄な殺生はせん、つまらん事に巻き込むな」

そうなのだ、鈴谷さんは基本的には誰かを守る時にしか暴力は振るわない、本当に優しい人なのだ。

「武士が戦から逃げるのか!忠義は何処に行った!!」

ガタッ!っと鈴谷さんは立ち上がる。

「敵に背を向けるは武人の恥・・・か、わかった加勢しよう」

だが戦国馬鹿なのである、ホントちょろいと思う。

「みぃこさー、そんなしょーもない事すんなら絶交すっからね」

糸田さんの一言で鈴谷、着席。



鈴谷さんの学園祭


「はいじゃあ学園祭でうちのクラスでやりたい事ある人挙手で~」

クラス委員がHRの時間を使って出し物の希望を募る。

「はいは~い」

授業中一度も手を上げたこと無い糸田さんが発言する。

「男装喫茶やろうよ~、みぃこの男装とか入れ食いだってぇ!」

「ぬ?男装とな?甲冑なら喜んで」

喫茶店に入って鎧武者が注文とってたらおかしいと思うの。

「執事コスに決まってるじゃん」

「女子はそれで良いかもしれないけど男子どうします?こいつらの女装とか誰特になるし」

と、クラス委員が言う、底辺高校感が言葉の端々にあって素敵。

「女装、メイド姿の・・・ゴクリ」

僕を見ながら鈴谷さんが何か呟いてる。



鈴谷さんの接客風景


結局文化祭は普通の喫茶店をする事になった、おかしい所と言えば一人の鎧武者が注文とっているくらいである。

「うむ、その注文心得た、あいや暫く!」

ガチャ!ガチャ!と武者がこっち来る、やだちょっと怖い。

「アイスコーヒー2つとクッキー1つだ」

僕はサササっとコーヒーを煎れてトレーに乗せる、クッキーは糸田さんが乗っける。

「みぃこ、三番さん完成したよぉ~」

「ぬ、感謝する」

一言残し鈴谷さんはトレーを持ちお客の所へ。

「待たせたな、賞味あれ」

鎧武者が机にコーヒーとクッキーを並べる、それを終えると隣のお客に注文をとりに行く鈴谷さん。

「注文を伺おう」

「ッッッッうええええぇぇぇぇん!!」

小さな子供がいるお客さんには近付けない方が良さそうだ。



鈴谷さんの休憩風景


「みぃこ休憩中くらい暑苦しいからそれ脱いでよ」

僕もさっき同じ事を鈴谷さんに言ったが、よっぽど甲冑が気に入っているのか断られる。

「テメェ調子乗ってんじゃねぇぞゴラァ!!」

底辺高校らしく裏庭の方から怒号が聞こえて来た、うちの不良と文化祭に遊びに来ていた他校の不良が揉めているらしい、立ち上がり声の聞こえた方に駆け出す鈴谷さん、僕達も後を追う。 

7人くらいの不良達が乱闘みたいに揉みくちゃになってるのを発見する、鎧武者は腰に差してた模造刀を引き抜き不良達へ駆け寄る。

刀を振り上げた大柄な鎧武者が走ってくる。

それを一人の不良が見つける。

「お、おいあれ、あれやばいって、おいあれやばいって、やばいやばいやばい」

「ん?おいあれやばいって、マジやばい!」

「やばいやばい!逃げろ!逃げろって!」

蜘蛛の子を散らしたように全速力で逃げ出す不良達だった。

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