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底辺高校の鈴谷さん その2

鈴谷さんは礼節を重んじる


下校時、またも僕の高校の生徒が他校の不良三人に絡まれているのを目撃する、と鈴谷さんはすでに駆け出している、考えるより先に体が動いているのであろう。

「フハハァ!喧嘩祭りじゃーー!!」

あ、傾き者なんだね。

182cmの巨躯が勢いに乗ったラリアートを不良の一人見舞う、腰も入っている重い一撃が首本にクリティカル。

「ぐぇっ!」という呻き声と鈍い嫌な音が僕の方まで聞こえてくる

「あれ死んだんじゃね」

と糸田さんが言う。

「何しやがんだアマァ!てめぇ誰だよ!!」

「ふん、人に名を尋ねる時はまず自分から名乗るのが礼儀であろう」

「不意打ちする奴に礼儀とか言われたくねえぇよ!!」

頭悪そうなくせに真っ当な突っ込みをいれる。

そんなやり取りを見ていた僕の肩を誰かがトントンと叩く

「あれは何をしているのですか?」

振り返ると生徒指導の教師がいた。

あ、これアカンやつや。



鈴谷さんと糸田さん


糸田さんの見た目は、金色に染めた髪、日サロで焼いた小麦色の肌とケバい化粧が特徴的な女子高生だ。

「今日さ~超まんk痒いんだけど~」

と、言いながら股間を掻き毟る姿は、これでこそ底辺高校だと思わせる安堵感さえ覚える。

「あ、みぃこからメールだぁ」

喧嘩が見つかって三日間の謹慎処分中の鈴谷さんからのようだ。

何か画像が送られて来たようだ、糸田さんはスマホの画面を僕に見せてくる、そこにはピースをしながらドヤ顔で自撮りする鈴谷さんと大量のドル箱。

「これ万枚あんじゃね?」

彼女また底辺高校にぴったりな存在なのであろう、謹慎しろよ。



鈴谷さんと太田くん


ある休み時間、太田君が鈴谷さんを呼び出した、教室から廊下で話す二人の様子を見る。

二人は長身で容姿も整っていて、あの空間を写真に撮ったらファッション誌の表紙なんかでそのまま使えるんじゃないかと思う。

話し終えたのか鈴谷さんは僕達の方へ戻ってくる。

「みぃこ太田と何話してたの?」

糸田さんは問いかける

「うむ、奴は我の衣を借り何やらしたいようじゃ、洗って返すとまで言っておった、うい奴じゃ」

「鈴ニーじゃん、大田超鈴ニーじゃん」

鈴谷さんはわざわざ含みを持たせて言ってるが、実際は太田君が実習服を忘れたのでサイズの合う鈴谷に借りる約束を取り付けただけだ。

だけだよね?



鈴谷さんは貧乳である


「みぃこってさ~、頭良くて胸あれば完璧だよね~」

「ぬ?世が世ならいっちゃんの首を刎ねている所だが?」

「ねぇ、やっぱ男ってでっかい方がいいんでしょ?」

僕に向いて言ってくる、正直そういう話しは振らないで欲しい

「別に僕は大きさとかよく解らないし、どうでもいいけど・・・」

「「ギャアアアアアアアアアアアアシャベッタアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」」

お前ら楽しそうだな。

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