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底辺高校の鈴谷さん その1

鈴谷さんは背が高い


僕のとなりの席の鈴谷さんは背が高い

女性で182cmという長身で黒髪のロング、まるでモデルみたいに綺麗な人だ。

おまけに頭が悪く、喧嘩が強くて、胸が無い。

ぷぅっ

授業中に寝ッ屁までする

「うわくっさ!」

その臭いで飛び起きる。



鈴谷さんは侍である


僕と鈴谷さんと鈴谷さんの友達の糸田さんは毎日一緒に下校する。

たまたま公園で僕達と同じ底辺高校の制服を着た生徒が隣の底辺高校の制服を着た不良三人に絡まれていたを目撃する。

一学年下の生徒だろうか、オタクっぽいうちの学校の男子は怯えきっている。

「これより我、修羅に入る」

鈴谷さんはそういうと殴りこみをかけようと駆け出す、がしかし足を止める、見れば隣のクラスの太田(184cmのイケメン)が先に助けに入っていたのだ。

「ふむ、奴もまた我と同じもののふなのか・・・」

なるほど、鈴谷さんは武士だったのか。

もう自分は必要ないとばかりに踵を返し歩き始める鈴谷さん

「ねぇ、みぃこ~太田の奴まであれボコられてね?」

糸田さんが知らせる

「ふぬ!?太田殿!助太刀いたすぞぉ~!!」

そういって全力疾走から不良の一人めがけてドロップキック、流れるように次ぎの不良に組み付き首投げからのマウントとって連打連打!

ドコドコと向うのほうから痛々しい音が聞こえてくる、完全に暴走してしまっている

「ウオオオオオオォォォォ」という鈴谷さんの咆哮まで聞こえてくる

「まさか・・暴走!?」

糸田さんは楽しそうに呟いた



鈴谷さんは意外と乙女


「ねぇ、みぃこはさ将来の夢とかあんの?」

糸田さんの問い掛けに鈴谷さんはう~~んと人指し指を顎にあてて考える、こんな底辺高校からじゃあ思い通りの職に就くのは難しいと思うのだけれども。

「お嫁さん、かな」

何でこっち見てドヤ顔で言うのか。

「ねぇ皆ぁ!みぃこ将来の夢お嫁さんなんだってぇ!!!」

糸田さんはクラスのみんなに報告する

みるみる顔を赤く染める鈴谷さん、恥ずかしがるなら最初から言わなきゃいいのにね

「いっちゃんの事、我が剣の錆びにするね・・」

鈴谷さんの精一杯の返しである



鈴谷さんは日本史が得意


「この問題わかる人~」

「はい!」

天高くピンと伸ばされる鈴谷さんの手

「その答えは上杉謙信です!」

「うん、正解」

「花の慶次で読みました!」

彼女はいわゆる歴女である、日本史以外の教科は赤点である。



鈴谷さんと僕


僕が高校に入ったばかり、底辺高校って事もあって不良が結構多い学校なので、僕みたいなチビは標的にされやすい。

女みたいな顔だからと無理に女装させられたり、「あきひさ、ワシは男じゃぞ」なんてセリフを無理やり言わさせられたり、最初はからかわれている程度だったが段々エスカレートしようとしてた、そんな不良達にあるとき鈴谷さんが拳一つで半殺しにし僕を助けてこう言った。

「いつも私の傍にいろ、守ってやるから」

糸田さんから後で聞いた話だが、これは鈴谷さんなりの「好きです」だったようだ。

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