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魔法と秘密(後編)

ねぇライム。」

「なんでございましょう。」

「ライムはなんで魔法のこと知ってるの?」

ライムはしばらく考えるように沈黙したあと、喋りだした。

「これは、なんというのでしょう…。本能のようなものです。魔物には親から生まれるものと、自然の魔力が集まって生まれるものの2種類がいるのです。特に自然の魔力から生まれる魔物は、育ての親がいないため、生まれてすぐに襲われてもいいように、魔法の使い方が直ぐに分かるのでございます。」

「ふ~ん。つまりサバンナの動物とかと一緒かな?」

「サバンナとはなんでございますか?」

ライムが不思議そうな顔をする。

はっ!つい地球の感覚で喋ってしまった。こっちの人はわからないだろうし、怪しまれて狙われてもやだから今後気を付けないと。

「何でもないよ。それより、魔法の続きを教えてくれる?」

「わかりました。それでは続きへまいりましょう。」

話をそらしてもライムは怪しみもしないでいてくれた。こういうところはすごく有難い。

さ、続きやるかな。さっき作った水球ウォーターボールの方を向く。あれ?

「ないっ!!」

さっき作ったはずの水が跡形もなく消えている。

「なんでっ!?」

私がテンパっているとライムが冷静に説明してくれる。

「集中力を切らしたことで魔法が無効化されたのでしょう。力をつければある程度ほおっておいても大丈夫ですが、最初は集中力を切らすと直ぐに無効化されてしまいます。これに限っては練習あるのみです。それではもう1度最初からやってみてくださいませ。」

どうやら魔法には集中力は大切なようだ。集中力に自信のない私に魔法がうまく扱えるかどうか…。まあいいや、とにかくもう一回だ。

もう1度イメージを作り水球ウォーターボールと唱える。無事成功した。

「次はどうするの?」

「次はこれだけでは攻撃にならないので、これを攻撃に変える方法です。これが氷になり、砕けちるのを想像してください。」

凍って砕け散る、それは攻撃にカウントされるのか?まあ当たったら少しは痛そうだけど。

いろいろ考えつつイメージを作る。

「で、どうするの?」

アイス粉砕クラッシュと唱えると唱えると発動致します。ただこの言葉は正確には決まっていないので、イメージに合ったものであれば発動します。」

言葉ってなんでもいいんだ。呪文大量暗記じごくとかじゃなくてよかった。よし、また水が消える前に魔法使っちゃお。

「氷・粉砕アイス・クラッシュ!」

一気に水が氷になり、砕け散った。

「痛い!痛い!痛い!」

『ロジー・リリーは水魔法をマスターしました』

氷の破片が顔や体に当たる。刺さりはしないが結構痛い。

「ライムー痛いよこれー。」

攻撃になるのか疑問に思ってたけど結構使えるかも。致命傷は無理だけど注意引きつけたり隙を作れるかも。

「ロジー様大丈夫ですか!?私の不手際申し訳ございません。お怪我はございませんか?」

「大丈夫だけど、なんか水属性をマスターとかなんとか聞こえたような・・・。」

ライムに名前をつけた時に聞こえた声と同じような気がした。

「それは本当ですか!!あまの声を聞いたのですね!?」

「あまの声?」

あまの声って神のお告げみたいな?でも今までのはお告げというよりゲームのシステムアナウンスみたいな内容だったな。

「はい。天の声は、契約時や魔法習得時、属性マスター時に聞こえるとされています。でも本当に聞こえたのでございますか?」

「うん。」

何をこんなにライムは慌てているんだろう…?

あっ…。そういえばさっきライムが魔法をマスターするのは一生かかっても無理が普通とかなんとか言ってたような。でもねぇー、まさかねぇー。

「その声を聞いたということは水魔法をマスターしたという事になり、水魔法を思いのままに使えるということになります。更には、もう一つ新たな属性が習得できるようになるのでございます。」

「でもどうやったらもう一つ習得できるの?」

未だに信じられないがそれをやってみて習得できたら信じるしかないだろう。

「習得したい属性の魔法を1度使うと習得できると言われております。」

結構簡単なんだな。それじゃ風属性習得してみるか。

疾風ブラスト

風が吹き抜けるのを想像して風魔法を使用してみた。が、

何も起こらない?

『ロジー・リリーは第2の属性を取得することは不可能です』

機械のように淡々とした声が聞こえてくる。

は?不可能って…。


「なんでえええええぇぇぇぇぇぇぇぇ。」


私の悲しい叫びは周りの森へ吸い込まれていった。

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