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始まりの謳《うた》
“エントゥリアス”をご損じか?
かつて栄えし 神の都――
天高く聳ゆるは 輝きし白亜の塔
空を流るる川を舞う 虹色の魚――
滅びゆきし都をご損じか?
今は幽し 悠久の都
人々のさざめきは 今は遠く
其に漂うは 爪弾かれし悲しき琴音――
おお――
遙かなる“エントゥリアス”よ
徒人の憧れし 神の都よ――
いつしか消えし 人々の信仰に
やがて神は 人の世を去りゆかん
忘れられし神の都“エントゥリアス”――
朽ち果てしその都を
今も守るはただ一人の騎士
最高神イルサリオンに愛されし 神の騎士
最強と謳われし 白銀の騎士よ
光の剣を携え 今もそこにおわすは汝の運命か――
おお――
美しき神 イルサリオン
残酷なる最高神よ――
かの騎士が呪縛より放たれしその時を
我ら徒人は ただ祈り謳わん――